データで判る『ラピュタ』の64万バルス祭りとTwitter

天空の城ラピュタの放映1時間55分5秒前後で繰り広げられるバルス祭り。特に2013年8月2日放映の秒間14万ツイートを記録したTwitterのバルス祭りをデータで振り返ってみたいと思います。

データで判る『ラピュタ』の64万バルス祭りとTwitter

去る2013年8月2日 日本テレビ系にて放送された『天空の城ラピュタ』。しょうこりもなく今回もネット各所でバルス祭りが勃発しました。

私は言わなかったけど確かにTwitterのTLは一面バルスで埋まったし、Yahoo!Japanのリアルタイム検索によれば当該時間を含む15分間に64万件を超えるバルスツイートが検知されたということです。

バルス速報

【追記 : 2013/08/17】

エンタメ系ニュースサイトでは15分間の速報値として64万って書かれてましたが、おち研での数字が違うのは単に集計したタイミングの都合です。Yahoo!の仕様ではデータを15分おき、30分のところで閉めるんですけど私は25分くらいのところで閉めたので、その違いです。

64万バルス祭り on Twitter

64万バルス

もはや定期サーバ負荷テストとまで呼ばれる このバルス祭り。

期日前バルスや若者のバルス離れも叫ばれる中、驚くほどの熱量を生んだし何だかんだでこの大バルス襲来を生き延びたTwitterは災害インフラとして盤石の地位を築いたのかも知れません。

Twitter公式見解

一方ダウンした2chを揶揄する動きも見られましたが、原理上2chのほうが不利なので仕方ないような気もします。

hayabusa2サーバログ

2ch 実況板 hayabusa2サーバログ キャプチャスクリーン

Yahoo!の「バルス」

ところで…話は前後してラピュタ放映直後のYahoo!の話。

Yahoo!のバルス祭り
番組終了直後のYahoo!Japanへ行きましたらば、画面中央に謎のバナーが。

バルスで崩れるYahoo!の画面その1
ぽちっと押すとガラガラと崩れ落ちるDIVの数々…。

バルスで崩れるYahoo!の画面その2

バルスで崩れるYahoo!の画面その3

見ろ…Yahooがゴミのようだ…!

バルスで崩れるYahoo!の画面その4 ガラガラ…。

バルスで崩れるYahoo!の画面その5

バルスで白紙  (((( ;゚Д゚)))

相当数のアクセスが見込めると判っていながら、広告欄に自社サービスのバナーしか出さなかったのはあっぱれと言うほかありません。

実際この流れでスポンサー広告貼って許される会社ってLIGとオモコロとカヤックくらいしか思いつかないけど。

でもバルスを一人で唱えても本来何も起こらないのでは?

ぼっちつらたん…。(´・ω・`)

Yahoo!モバイル版「バルス」

【本章追記:2013/08/17】Yahoo!のバルス、消去されたみたいなので今も生きてるモバイル版にリンク張っておきます。まだご覧になってない方は是非どうぞ。

Yahoo!モバイル版バルス / http://www.yahoo.co.jp/promotion/bals/

1434 /2013/08/03/bals-for-laputa2013/

「バルス騒動」とマーケティング価値

【本章追記:2013/08/04】天空の城ラピュタ放映からほぼ二日経ち、世界は平静を取り戻しました。祭りに乗った者、嘲った者、煽る運営に眉をしかめた者とそれぞれだったかも知れません。

あの騒動は一体何だったんだって人も散見されるけど、案外多くの実りがあったようにも思います。「バルス」に集った人の群れは後に何を残したか。

アクティブユーザ数の可視化

世に提供されてるネットサービス、公称ユーザ数と使用感が一致しないことは多いです。あからさまにユーザ数を水増ししてるサイトもあるし、アカウント作るだけなら一人で何個も持てるサービスだってありますし。

でも、こういう機会にアクティブユーザの動向が見えれば広告展開も広がりますよね。もちろん機械的にマルチアカウントで負荷をかける人は一定数いるんですけど決して大多数ではないのだし。

『バルス』は同時接続テストの試金石

今回、Twitterの公式発表に依れば当該時刻の『バルス』は1秒間に143,199ツイートだそうです。前後の誤差も含めればその数倍のユーザがテレビとTwitterに貼り付いてたことになります。ニコニコや2chもまた同じでしょう。

しかし、この規模の同時接続テストをしようとしたら人集めに一体いくらかかるのか想像もつきません。一部では運営が煽っていたことを指摘する声もありましたが、煽るべき価値は十二分にあったと言えます。

一つ懸念があるとしたら いたずらに消費されていった電力でしょうか。ただし騒動によって傷ついたのが、かなた天空の住民だけだったのは不幸中の幸いでした。

ムスカ大佐

Twitterが14万tpsのバルス襲来を乗り切ったことは特筆すべき事実なんだけど、災害はいつどこに来るか判らないから怖いんだよ。災害時の通信負荷は人口分布に従わない。今回も遅延したのは事実だし、いつ何時でも14万tpsを支えられる保証なんてどこにもないのにな。
近ごろ平時の方がTwitter重かったりするのは皮肉なの。

1051 /2013/08/04/market-analysis-around-bals/

「バルス」を含むツイートの推移

【本章追記:2013/08/17】秒間143,199ツイートという怒濤の渦を巻き起こした、あのラピュタのバルス騒動から早いもので2週間が経ちました。

今もちょいちょいバルス言う人がいるので皆好きだな~と思いましたが、8/2日以前にもバルスによるちょっとしたピークがあったんですね。何かと思ったら、バルス放映のちょうど1週間前で時間帯も本番と同じ。どうやら金曜ロードSHOW!次週予告のタイミングで騒ぎになっていたようです。

ラピュタ放映前の「バルス」ツイート件数

ラピュタが放送される前にTwitterで「バルス」とツイートされた件数を調べてみると、7/19と7/26にそれぞれピークが見られます。7/26のほうがラピュタの次週予告に当たりますね。

バルス放送前のデータ

スポーツの注目カードで熱戦の末に大逆転したとしてもなかなか15000ツイート行かないのに、ただの次週予告でこれだけの威力があるとは恐るべしラピュタ。

さらに19日に遡ると、こちらも大きなピークがあります。何かと思ったら『猫の恩返し』が放映されてました。恐るべしジブリ。

猫の恩返し

ラピュタ放送一週間後のツイート件数

バルス1週間後

もちろんラピュタ放映後にもピークは発生します。放送1週間後には前週を懐かしむような6000件ほどの「バルス」ツイートが見られました。

ラピュタ放送二週間後のツイート件数

バルス2週間後

さすがに半月経過した14日には随分落ちついてきたようですが、それでも2000件以上 言及されていたことになりますね。

それにしても、このバルスのグラフを眺めていると完全に「ツイ廃の心電図」と化してます。「呼吸するようにバルス」とかいうと何となくオシャレ感ある。

64万バルスを振り返って

運営の仕掛けた決戦の一部始終に多少のきな臭さを感じつつも楽しませて頂きましたが、タイムラインを駆け抜けていった「これ騒ぐの おっさんばっかだよな?」とかいう発言には一言もの申したい。

四半世紀を経てすっかり国民的作品になったジブリ作品ですけど、公開当時ナウシカやラピュタを語ってる人って相当オタク扱いされてたのでは。今みたいに大っぴらに盛り上がるなんてあり得なかった時代があったことを忘れてはいけません。

昭和も遠くなりにけりですよ。

そして改めて放映前後2週間のグラフ(右下)を見ると、それなりのピークがあったはずの7/19や7/26のツイートさえ完全に平原でしかないし、本番のインパクトがすさまじかったとしか言いようがありませんね。

当日のバルス

トラフィックの増大を検知しながら仮想サーバが自律式に増えるのとか想像すると、色々と妄想が捗ります。

(天空の城ラピュタ / 光る飛行石光のちから 音声認識バルスモード搭載

「バルス」は本編1時間55分5秒、ムスカが「3分待ってやる」と言った65秒後です。

※ ツイート数調査にはYahoo!リアルタイム検索を利用しました。
「バルス」のYahoo!検索(リアルタイム)

935 /2013/08/17/end-of-the-bals-fever/