Linkis / ln.isの正体は広告配信ツールだと思う

ln.isドメインのlinkisというサービスは、SNS経由でシェアしたサイトを特殊な枠つきで表示します。枠部分はプロモーションなどの独自情報を盛り込むことも可能とのこと。一通りの挙動について調べた点をまとめました。

Linkis / ln.isの正体は広告配信ツールだと思う

Twitterを初めとするSNSのAPIを使ったサービスでln.is(Linkis.com)というサイトがあります。

Twitterなどのアカウントと紐づけると、以降のリンクつきツイートにアクセス解析機能がつくというもの。

しかし、平文でツイートしたリンクを自動で書き換えたり、実際にそのリンクを辿った先の見た目までも変える行儀の悪さから かなり叩かれてることは去年の夏頃から知ってました。

先日私も久々にln.is形式のリンクを踏んでしまったんですけど、改めてアクセス解析ツールとして見るとDIV構造がどうも奇妙です。

これ、実は独自に広告配信するためのツールじゃないのかな…?

元記事の広告を差し替える新機能追加されたようです

【 本章追記 : 2015/03/21 】

本稿の表題は元々『Linkis / ln.isの正体はアクセス解析アプリじゃない気がするの』だったんですが、「それで結局これは何なのさ?」てコメントつくんでタイトル変えました。

ln.isリンクについて「明らかな権利侵害があるってわけでもないし、結局連携した人の運用の問題ってことになっちゃうんだけど、だからこそモヤモヤするんだよな~。」っていう胸の内をほんのりぶちまけた記事でしたよね。

さっき久々に本家のサイトを見たら上書きした記事の中身を書き換える新機能が追加されてたのでお知らせします。

Linkis browser plugin allows you to replace ads with links from your Twitter (中略) Linkis will simply put them in place of banners that used to bother you.
http://linkis.com/plugin

挙動を確認してないけど、ネストされたiframeをドメイン見てジャックする仕様ですかね。元サイトの作者としても、第三者のページで広告コードがロードされるのは契約上の問題があるわけですが、もーほんと何から何までモヤモヤしますー。

Linkis / ln.isリンクを踏んだときに起こること&対処

ln.isリンクを押したときの一連の流れは以下の通りです。

1:承認ポップアップ画面

まずln.is形式のリンクを踏むと、遷移先画面の上にウィンドウが出ます。

このとき、スクロールなどが効かなくなるため どうにかしてこの状態を回避しなければなりません。人よってはパニックになってしまうかも?

このとき、画面中であなたが取れる行動は2つです。

LinkisのTwitter承認画面

  • 右上のバツ印を押して画面を消す
  • 「Connect Twitter account」ボタンでTwitterとの連携を承認する

ここでx印を押した情報は Cookie に記録されるため、再度 ln.is リンクを踏んでもしばらくの間この画面を見ることはありません。(ただ、忘れた頃に人のリンクを踏むと再び同じ状況が発生するので注意。)

2:Twitter連携の認証画面に進んだ場合…

Twitter連携を示す「Connect Twitter account」ボタンを押すと更にOAuth認証画面に進みます。このとき、あなたがLinkisに許可する行動は4つ。

  • タイムラインのツイートを見る
  • フォローしている人を見る、新しくフォローする
  • プロフィールを更新する
  • ツイートする

1つでも「え~!?」と思ったら そっ閉じすることをお勧めします。

3:アクセス解析レイヤーつきの画面でサイト閲覧

連携を許可した場合、あるいはキャンセルして小ウィンドウを消すと ようやく本来見たかったページが表示されるようになります。ただしツイート主のアクセスカウンタやナビゲーションがついた特殊な状態です。

本来のページを<iframe>タグで丸ごと抜いてるちょっとアレな感じ。

ln.isページの閲覧状態

一般に黒枠で表示されることが多いようですが、表示されるスキンには選択肢がありカスタマイズできるようです。(後述)

なお、呼び出される元ページが凝ったデザインだと表示が大きく崩れます。ナビゲーションバーが機能しない、動画サイトのサブカラムが見えない、等。

このへんのユーザビリティ低下も嫌がる人の多い要因でしょう。

4:連携状態でリンクつきツイートをする

連携状態でリンクつきツイートをすると、生URLでつぶやいたつもりでもln.isアドレスに書き換わって投稿されるようです。(そのリンクを踏んだ人は前述1および3の状態になります。)

5:連携を取り消す

もし利用継続を望まないのであれば連携を取り消すことが可能です。
Twitterクライアントの

設定 > アプリ連携 > Linkis.com

より、連携許可を取り消せば今後は前述4の状態が解消されます。
お疲れ様でした。

…と言いたいところですが、私が確認した限り
Twitter連携を解消してもLinkis.com側の生成ページは消滅しません。
少なくともln.isつきツイートを残している限りフォロワーが同じ目に遭います。

6:自分の過去ログをチェックする方法

過去のツイートを確認しようにも遡るのが大変…という場合は Twitter検索より以下のツイート検索式を試して下さい。

下段は実際に式が展開したときのクエリです。

from:自分のアカウント ln.is

https://twitter.com/search?f=realtime&q=from%3A自分のアカウント%20ln.is&src=typd

ツイートを消した場合に遷移ページがどうなるかは確認してません。誰か協力して!

…というわけで以下、仕様解説です。

Linkis / ln.isとは サービス概要

Linkis ( linkis.com ) が展開しているリンク共有サービスです。

トップページにはサービスの概要として

「フォロワーとリンクを共有することでアカウント価値を高めたり 自分のツイートがどう読まれてるか分析できる」

との旨が書かれています。

ぱっと見の印象はTwitterアクセス解析ツールに見えますね。私も長いこと ちょっと風変わりなアクセスカウンタだと思っていました。

しかしaboutページ( linkiscom/about )によると改編したWEBページにはユーザ独自の情報が盛り込めると書かれています。

Personalizing a webpage in a Linkis way means that you can add some additional info to a page to make it look more tailored to your personality.

良くある質問 ( linkis.com/faq )や開発ブログ( blog.linkis.com )にも
「サイドバーを使って簡単にあなたのプロモーションが行えます」
と書かれてますね。

We have a theme named Sidebar, and with it’s optionality you really can create free promo of your blog, or site, or project just in few clicks.

やっだ、人気サイトにフリーライド出来ちゃう~☆

Linkis / ln.is による遷移ページがしていること

書き換えられたページは次のような構造になっています。

  • 閲覧者の現在地は linkis.com
  • 本来見たかったページは <iframe> で丸ごと(faviconも)呼び出されてる
  • ツイート主のアクセスカウンタなどがついた特殊レイヤーが付与される

このことから、次のような状況が予期されます。

  • Javascriptおよび複雑なCSSによって配置されたパーツが機能しない
  • ドメインを使ったツイート検索でピックアップ可能

要するに、スタイリッシュで多機能なサイトは表示がガタガタになります。
もちろん素直なソースのサイトなら綺麗に呼び出せます。

そんな状態でもエゴサには引っかかりますから作者が知らずにRTしてしまう可能性がある、という感じでしょうか。人気作者によるRTは人の目に触れる効果も期待できますよね。

で、デフォルトではただの黒枠とツイート情報が表示される程度ですが枠部分は自分の思うようにカスタマイズ出来る権限が与えられているわけです。

linkis / ln.isのフレーム構造

ln.isリンクに関する個人的な感想

そういうわけで、使うかどうかはご自由にどうぞ。私は絶対に使いません。

ツイート分析したかったら別の短縮アドレスかTwitterアナリティクスのツイートアクティビティ使うと良いですよ。Twitter公式のクリックカウンタ、めっさアテにならんけどね。

なお、インフレーム構造の是非については定番の裁判ネタだという事実をお知らせして稿を閉じたいと思います。

私からは以上です。

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