短い鉛筆を海外に寄付しようとする前に考えて欲しいこと

「短くなった鉛筆を寄付したい。」物を大事に思う気持ちは素敵ですが本当に良いことなのかもう一度考えてみませんか。まだ使えそうな鉛筆を捨てるなんてもったいないと思ったら読んでみて下さい。

短い鉛筆を海外に寄付しようとする前に考えて欲しいこと

短い鉛筆の話を色々と書いてるので、ちびた鉛筆の話題は何かと気になります。

その流れで時折「短い鉛筆を途上国に、あるいは恵まれない家庭に寄付したい」という話を見かけることも。ただ、これ気持ちはわかるけど色々と問題あると思うのです。

自分が使えない鉛筆は他の人も使えない

冷静に考えて、日本人が持てないサイズの鉛筆ってよその地域に持っていってもほとんど使いものにならないと思います。日本人を含むモンゴロイドは世界的に見てかなり小柄な部類に入りますから。

貧困家庭にちびた鉛筆なんか送ったら、それこそいじめが助長されそうですし。

ちびた鉛筆を送る費用を考える

鉛筆一本って4gくらいなので、持てないサイズの鉛筆といえば1gちょっとでしょうか。1ダース箱の容積にちびた鉛筆が30本くらい入るとして、20cm角くらいの箱に多分2000本前後は入りますよね。とりあえずこれを2Kg程度の小包とします。

これを例えば南米に送るとしたら速達で2.5~4万、通常便で3.5千~7.5千円、3ヶ月近くかかる船便で送ったとしても2700円くらいするはずです。アフリカもだいたい同じくらい。

一方、送料相当の額を送金したら現地でそれなりの本数の新品鉛筆が買えることは明らかです。

個人でいきなり2000本のちび鉛筆を送りつける人はいないと思うので、やるとしたらNPOみたいな団体がまず集めることになるでしょう。定形の封筒に何本かずつ入れて送ったら、それぞれ120円くらいずつかかりますね。まとまった数が集まるまでに費やされる送料は1万円を超える可能性があります。

受け取って分別する人の人件費も発生します。無給ボランティアだとしても、その人が本来の仕事をすれば発生したはずの経済活動が鉛筆の分別に費やされることになりますから、実質マイナス成長という見方もできます。

寄付を考えるときは、送料や分別の手間に見合う価値があるかどうか考えると良いですね。身も蓋もない話ですが、多くの場合は現金がその役割を担います。お金が物々交換の不便を埋めるために存在することを忘れてはいけません。

鉛筆寄付にかこつけた迷惑行為に気をつけよう

あと、こういう「短い鉛筆を寄付したい」というネットの書き込みに対して 全く関係ない情報を提示する人がいたのも気になりました。

「ここで短い鉛筆の寄付を受け付けてるようですよ」とURLを書き添えて、実は全く違うサイトに誘導するのです。張り込まれたURLを特殊なツールで解析したら、何度も転送をかけていて別のサイトに誘導していて非常に悪質なケースもありました。

人の善意に寄ってくる悪い人というのは少なからずいるので、その情報が信用できそうかどうか見極めてから話に乗りましょう。余談ですけど本当に誠実な人はすぐ賛同しなくても怒ったりしませんから、ゆっくり吟味したら良いです。

補助軸を使えば鉛筆は最後まで始末できる

そんなわけで。

手に馴染んだ愛着ある鉛筆を わざわざお金掛けて送って邪険にされるより、自分で最後まで使いきった方が多分平和だと思います。

補助軸で鉛筆はここまで短くなる

補助軸(鉛筆ホルダー)を使えば少なくとも残り3cmくらいまでは使えますし、質の良い補助軸ならほぼ最後まで使いきれます。三角になるまで使えば、わざわざ送ろうという気にはならないでしょう。

クツワ 補助軸2P RH004

「生活に困ってる人はどんなゴミみたいなものでも貰えば喜ぶ」という考えはしない方が良いです。自分が何かの災害で被災生活を送ることになったとして、穴の空いたよれよれのTシャツとか届いたらどうですか?って話ですよね。

「まだ使えるから」と思うなら、本当に欲しい人が現れるまで待つか、最後まで自分達で使いきりましょう。(^^

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補助軸をうまく使えば無駄は大幅に減るですよ。