空の青さは透明と言えるのだろうか

空の青さと透明について説明します。小学生に伝わるといいな。

空の青さは透明と言えるのだろうか

良く行く科学館に「来場者による質問コーナー」があるんですけど、小学校6年生による問いに目が留まったので書き置きを残してきたメモです。

「空の青さは透明と言えるのだろうか」

言葉選びに迷いがありますよね。挑もうとしてやめた感じがする。(´ω`*)

色の見え方は大まかに4種類ある

いろいろないろ

色の見えかた
無色 有色
透明 無色透明 有色透明
混濁 有色不透明

まず、空の青さについて考えます。手近な色がどこに該当するか当てはめてみると良いかも。

ここには書かなかったけど、他に構造色(いわゆる玉虫色)のように「それ自体の色とは違って見える色」もありますね。

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花粉によって作られる構造色のはなし。

透明にも「すごい透明」と「そうでもない透明」がある

透明もよく見るといろんな透明があります。例えば色水を想像してみましょう。

  • たっぷりの絵の具に水を少し垂らしたもの
  • たっぷりの水に絵の具を少し垂らしたもの

この二つはどちらも同じ成分を有していますが、見た目はかなり異なります。

どちらがより透明と言えるでしょうか?

あるいは、完全な透明というのは存在するのでしょうか?果たしてそれは色と言えるのか。それに、永遠に光が戻ってこないのなら黒なのでは?

同じ空気でも昼と夜では見え方が違う

昼の空と夜の空

昼間の場合、地上のものは色や形が良く見えるけど、遠くのものは太陽と月くらいしか見えません。

逆に夜は、ものの形くらいしか解らないけど沢山の星が見えます。

同じ空気(媒質)に囲まれていても、光の当たり方によってものの見え方は異なるようです。

空気が無ければ昼間でも星が見える

ここで、大気がない宇宙空間に視点を移すとどうでしょう。昼間でも遠くの星を見ることが出来るはずです。

空の見え方は、大気によってかなり左右されると言えそうです。

四季を通じて大気の組成は微妙に変わる

空気の成分は、8割が窒素で2割が酸素です。これは小学生でも習います。しかし他にも二酸化炭素やら水蒸気やら塵やら埃やら花粉やら黄砂やら探せばいろいろ飛んでます。

ここで、大量にあるはずの窒素や酸素は目に見えません。計算上はアパートの一室にだって数百グラムの分子が存在すると言うのに。

一方、塵や花粉はわずかな量でも肉眼で確認出来ます。粒子サイズによって光の進みかたに対する影響力が違うからです。

結果として、「星の量」や「遠くの景色の見えやすさ」「夕焼けの色」などは季節ごとにかなりの振れ幅があります。もちろん「空の青さ」も。

一年を通じて写真に撮ってみるとその違いに驚くでしょう。

空はどうして青いのだろう

「空がどうして青いのか」に対する解答はまさに千差万別で、本当に納得のいく説明に出会えることは希です。

相手の科学的理解力に応じて「未就学児童向け」「小学生向け」「中学生向け」「高校生向け」「理系一般向け」「物理向け」の各段階があり、それぞれに異なる解答がある。

当然 私の理解も かなり怪しい。

空の青さは透明と言えるのだろうか

実を言うと、この質問用紙には「文字を消した跡」が残っています。散乱について何か書いた形跡がありました。

彼女が何を思って散乱のくだりを消したのかは解らない。質問にぶれがあったと思ったか、背伸びしても受け止めきれないと思ったか、そのへんの大人に多大な期待をしても仕方がないと思ったか。

なので私は、「空が青い理由」について取り立てて言及しないことにしました。ただ、散乱については少しだけ間口を広げたつもりです。いつか、その理由について改めて考える機会が来ますように。

どうして空は青いのか どうして赤くて黒いのか

あたりまえの ことなんて なんにもないんだ

ピーピピピピ ピカソも ダビンチも いいかどうかは 自分で決める

昔モダンチョキチョキズの「ピ・ピカソ」という歌があって、すごく好きでした。今も好きですが。

当たり前のことなんて何もない。空は赤くて白くて黒くさえある。

もし「空の青さの理由」について問われたら、それなりの解説をしたかも知れません。だけど、「空の青さが透明と言えるかどうか」は、自分で決めて欲しいと思ったのです。

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