環天頂アークとは、ほぼ空の真上に出る逆さ虹です。
晴れた日に出るので厳密に言うと虹じゃなくハロと呼ばれる現象のひとつなんですが、円弧の外側から数えた色順などは虹と一緒です。
虹が雨粒によって起きる現象であるのに対して、ハロは雲など氷の粒によって発生します。とても澄んだ色をしていて本当に綺麗ですよ。(´ω`*)
環天頂アークの特徴
環天頂アークは太陽が目線よりちょっと高いくらいの時に起きる現象です。なので一般的に言うと真っ昼間には出ません。どちらかというと朝夕に発生してます。(ヨーロッパなど緯度が高い地域は別)
極めて色が薄いものを含めると年に数回は出てるんですが、普通にしてると視界に入らないのであまり気付かれない子です。
よく見る季節と時間帯
条件の合う日なら時間帯を選べば割といつでも見えるのですが、お住まいの地域によって見やすい季節が微妙に違います。
以下は東京近郊での目安です。同緯度なら他地域にも読み替えられますが、冬は曇りの地域が多いので関東以外では観測が難しいかも。
円弧の外側が赤
円弧の先に太陽があります。太陽に近い方から虹と同じ順で赤~紫です。
地震とは関係ありません
前項の通り、時間と緯度に依存するので地震とは関係ないです。(・∀・)
環天頂アークが出やすい雲
からっと晴れた日に良く見かけます。出現しやすい時間帯を頭の片隅に入れつつ、良い雲が出てたら度々空を見上げてみて下さい。
巻雲や巻積雲など、薄くて透明感がある雲が出ている日は環天頂アーク以外にも何かしらのハロが出ることが多いです。
巻雲
巻雲(けんうん)、Cirrus (ci)、しらす雲、すじ雲と呼ばれることもあります。
風の具合で大動物の背骨のように見えることもあって、とても見事。
巻積雲
巻積雲(けんせきうん)、Cirrocumulus (cc)、うろこ雲、いわし雲などと呼ばれることもあります。
ちなみに「ひつじ雲」は高積雲と呼ばれる雲の別名で、ハロが出る条件とは異なります。ちょっとモコモコしすぎ。
環天頂アークと間違えやすい現象
環天頂アークが出る日は他のハロも出やすくなっているので、SNSなどで情報が錯綜します。
環水平アーク
環水平アークは、見上げるような太陽の時に目線高さに出る逆さ虹(ハロ)です。円弧の外側が紫で内側が赤です。
環天頂アークが「目線高さの太陽の時に見上げるような高さに出るハロ」なので、名前の対称性と相まってよく間違えられます。
時間以外の気象条件が同じなので、同じ日に両方見えたりすることも。新聞とか大手のニュースサイトでもミスが多い(…というか第一報は間違ってることのほうが多い)のでご注意です。
彩雲
水に油を垂らした油膜のような色の筋が雲に現れる現象が彩雲です。
厳密に言うと「油膜みたいな不定形の色(干渉色)に染まる雲」が彩雲なので、反射によるハロとは成因が違います。でも「雲に色がついてたら彩雲」だと思ってる人も多いので、良く混同されます。
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とある一日にいくつもハロを見た記録。
おわりに
大規模なハロが発生すると、当サイトへも「地震虹」というキーワードで多くの方がお見えになるんですが、虹と地震は連動しません。
また、地震はいつでも発生します。ハロは楽しみつつ、地震への備えは忘れずに。
地震学も気象学も防災学も全部やってた元地学徒からのお願いです。
コメントをどうぞ(´ω`*)