ブログのサムネイル画像は著作権で保護されにくい気がしてきた

ブログなどでサムネイル画像をOGP設定してる場合、積極的にコンテンツのコピーを許可してることになります。改正著作権法も踏まえて対策を考える必要がありそうです。

ブログのサムネイル画像は著作権で保護されにくい気がしてきた

OGP (Open Graph protocol) 設定しているサイトのサムネイル(アイキャッチ)画像って、著作権的にみて非常に曖昧な存在という気がしてきました。

自身の著作物であることが明らかでも、他人に盗用されたとき権利侵害されたかどうかの解釈が難しいというか。

先日、サイトのテーマファイルと著作権法を見比べてて何となく思ったのでメモしておきます。

OGP設定しているカバー画像はフェアユース

OGP(Open Graph protocol)とは、サイトの論理構造を伝えるための記法です。FacebookやTwitterを初めとしたSNSを中心に利用されています。

OGP設定の例

実際の設定を見てみましょう。

サイトに以下のようなコードを書いておくと、主要なSNSにリンクを投稿したとき見栄えよく展開されるというしくみです。

【Open Graph protocol】
<meta property="og:title" content="WPアイキャッチ画像をオリジナルサイズで記事本文に自動で貼る : おち研">
<meta property="og:image" content="http://www.02320.net/wp-content/uploads/2015/11/wp-thumbnail-setting.jpg">
<meta property="og:description" content="WordPressのダッシュボードに登録したアイキャッチ画像を記事中に自動挿入するコードです。single.phpテーマファイルで管理するので保守の省力化にもなります。">

他にTwitterのクローラーに構造を伝えるための専用タグなどもあります。

OGPは作者が宣伝用にコピーを許している見本誌

OGP記法に従ってサイトを構築すると、TwitterやFacebookなどのSNSでリンクつき投稿されたとき華やかな見た目になります。URLの単表示より読者増が見込めますから、サイト管理者がコンテンツの一部を積極的にコピーさせてる状態と言えます。

書籍の内容を魅力的に見せる書影(表紙)のようなものと考えて良いかもしれません。

こうした場合、OGP設定された画像は宣伝用広告と解釈できます。アメリカの場合だとフェアユース(公益に即した著作物の利用)の範囲でしょう。

日本の著作権法でも許諾外複製が一部認められる

…とは言えここは日本です。アメリカ的なフェアユースは本来適用されません。

「日本でコンテンツをパクった奴は著作権法違反。SNSのカバー画像は違法じゃないのか。」

…と言うことになるのですが、実のところ平成21年の著作権改正により例外的な無断複製が認められるようになってます。これは従来の「引用」とは少し性格が違って、主となるコンテンツがなくても他者の著作物をコピーできるという特例です。

著作権の例外

少し長いのですが、著作権法(明治32年法律第39号)追加第47条の6(平成21年法053)を引用します。

第47条の6
(送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等)
公衆からの求めに応じ、送信可能化された情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。以下この条において同じ。)を検索し、及びその結果を提供することを業として行う者(当該事業の一部を行う者を含み、送信可能化された情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、当該検索及びその結果の提供を行うために必要と認められる限度において、送信可能化された著作物(当該著作物に係る自動公衆送信について受信者を識別するための情報の入力を求めることその他の受信を制限するための手段が講じられている場合にあつては、当該自動公衆送信の受信について当該手段を講じた者の承諾を得たものに限る。)について、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行い、及び公衆からの求めに応じ、当該求めに関する送信可能化された情報に係る送信元識別符号の提供と併せて、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物(当該著作物に係る当該二次的著作物の複製物を含む。以下この条において「検索結果提供用記録」という。)のうち当該送信元識別符号に係るものを用いて自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該検索結果提供用記録に係る著作物に係る送信可能化が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたときは、その後は、当該検索結果提供用記録を用いた自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つてはならない。

長々引用したのは、本文と但し書きで2文しかないからです。条文見ると、すごくデリケートな表現になっているのがわかります。

【PDF】情報検索サービスに関する改正について

自分の著作物を守るには

そういうわけで、OGP設定したアイキャッチ画像の権利が守られるかどうかは通常訴訟以上にケースバイケースとなるでしょう。国内で自分に関係のありそうな訴訟ケースを見かけたら、面倒でもこまめに追っていく必要がありそうです。

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自分も他者の権利を侵害しないように注意です。

念のため書いておきますけど、本稿は「カバー画像なら他人のコンテンツをパクれる」とは言ってません。従来通り著作者の利益にならない情報スキマーはガンガン凸ってOKです。

余談ですが、はてなブックマークでセットできる画像って自由に選べる仕様になってますね。これ割と微妙だと思うんだけど一体どうなんだろね。

教えて法クラスタ~。><

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画像データも消せる日が来ますように。