毎年チューリップの球根を10~20球くらいずつ買ってます。
春になって咲くのはだいたい7~80輪ほどでしょうか。別に枝咲き品種ばかりを植えてるわけではなく、過去に植えた球根がしぶとく頑張ってくれております。(´ω`*)
正直かなりいい加減な管理をしてますが、それなりに咲いてくれてるので嬉しい限りですね。ガッツリ梅雨入りする暖地寄りの中間地としてはまぁまぁの実績かな、と思っています。
丁寧なお手入れをしてればもっと咲かせられるかも知れないんですけど、所長がズボラなので手抜き優先です。リピート率としては2~3割といったところでしょうか。
教科書的なセオリーではなかなかうまくいかず、お小遣いの限られる子供時代から試行錯誤した記録をまとめてみました。よろしければご参考にどうぞ。
チューリップの翌年開花球を採る方法
まず前提として、乾燥しがちな原産地と比べると梅雨がある日本はチューリップにとって過酷な環境だと断っておきます。
特に夏に蒸し熱い関東以西で確実に開花球が取れる保証はありません。「開花球が取れたらラッキー」くらいに思ってて下さい。それでも品種よっては長く居着いてくれることもあります。
以上を踏まえて、チューリップ開花球の獲得を目指しましょう。(๑•̀ㅂ•́)و
一般的に言われる「開花球の育て方」は以下の通りです。
花が終わったら花がらを摘む
花後そのまま放っておくと種子を作ろうとして栄養が全部そっち行っちゃいます。花の盛りが過ぎたら早めに摘んでしまいましょう。
園芸書によっては「花茎の葉緑素も球根肥大に利用するので、摘むのは花首のみ」と書かれてたりしますが、家庭園芸ではそこまでしなくても良いんじゃないかなと思ってます。生産地では効率重視だから花首だけ摘むんですけど。
家庭園芸で花茎を残すと絵面がマヌケになるんですよね。妥協案としては「一番上の葉っぱより上部の茎を摘む」がベター解じゃないでしょうか。この辺は花茎の光合成能力と見た目のトレードオフって話になるなので、どちらを犠牲にするかはお好みで。
摘むタイミングについては、花を咲かせるだけでも結構なエネルギーを使いますから出来たら早い方が良いです。綺麗なうちに花を摘んで室内で楽しむのも良いですね。
翌年の開花球を取るため、咲いたらすぐに花を摘みたくなったら球根愛好家の仲間入りと言って良いでしょう…。(・∀・)
さすがに球根を育てるために咲いた端から摘むのは本末転倒なので、「めしべだけ早めに折っておく」という手もあります。晴れた日に花をのぞき込むと多少の違和感がありますが、よほどの花好きじゃなければ気付きません。
ただ、めしべを折る衝撃で花びらを落としてしまうこともあるので、この方法も一長一短ですね。万能な方法はなかなかないです。
花がら摘みをしてると「かわいそう」と言われることもあるのですが、園芸種のチューリップは遺伝的に種子が出来にくい性質を持ってます。どのみち種で増やすのは難しいので、そこは人間が品種改良した責任と割切って球根肥大に努めましょう。٩( ‘ω’ )و
カリ(K)成分が多めの肥料を投下
植物の3大栄養素といえば、窒素・リン酸・カリ。ざっくり分類すると以下の組織に働きます。
球根を太らせるにはカリ成分を中心に施肥します。ホームセンターの肥料コーナーに行くと単肥(特定成分に特化した肥料)が手に入ります。
…とは言え、素人栽培だったら汎用の配合肥料でも大差ないです。葉が伸びる時には窒素が要るし、花にはリン酸も使うので。
実際のところ、時期を見ながら肥料成分を調整するのは慣れた人じゃないと続きません。
心配なら球根専用の肥料というのも売ってます。チューリップ以外の球根花にも使えますし、なんだったらジャガイモなどの根菜に使っても。
球根の肥料 |
花後の追肥は液体肥料が早く効きます。うちでは普段の水やりとして汎用の液肥(ハイポネックス)をめちゃくちゃ薄めて使ってます。
早く大きくしようと強い肥料をたっぷりやると、ドカ食いで胃腸に無理がかかったみたいになるので、薄いのをこまめにやるほうが失敗がありません。
液肥の希釈濃度は施肥の頻度で決めると良いです。マニュアルに「週1回の施肥で500倍」と書かれてるとして、3日に一度なら規定の半量で1000倍、1日おきなら2000倍くらいに薄めます。
ハイポネックス 原液 |
葉が枯れ上がってきたら掘り上げる
葉が赤茶けて枯れ上がってきたら「球根の肥大がそろそろ終了」のサイン。そっと掘り上げて風通しの良い場所で乾燥させます。
茎を少し引っ張っても取れないようなら、無理に外そうせず自然と分離するまで乾かします。
夏花壇は枯れ上がるまで待ってくれない
…とはいえチューリップの葉が枯れ上がるのは東京近郊だと5月半ば、場合によっては7月近いことも少なくないんですよね。
夏花壇の準備もあるのに悠長なことやってられっか!(⊙Д⊙)
…というのが平均的な都市部ガーデナーの心情じゃないでしょうか。そこで苦肉の妥協策がこちら。
花後すぐに移植
花が終わったら、葉茎がしっかりしているうちに大きめのコンテナへ移植しちゃいます。球根がふれ合うくらいに密植しても構いません。ただし掘り上げるときに根を傷めないよう注意します。
移植後はダメージを受けてるので一週間ほど水やりのみに留め、その後は薄い液肥を与えて球根の肥大を促します。葉が赤茶けてきたら枯れた茎を引き抜いておきましょう。
梅雨から夏にかけては雨が当たらない場所に移し、そのまま秋の植え付けシーズンまで放置。
チューリップの球根は、もともと原産地の乾期を乗りきるために発達した器官です。環境が適していれば本来は掘り上げる必要がありません。土に埋めたままでも生き残る子は生き残ります。
心配なら掘り上げても良いのですが、掘り上げた球根を一般家庭で管理するのも実は結構大変だったりします。室内だと風通しが悪くてカビにやられたり、エアコンの過乾燥で干からびてダメになったり。
散々手塩に掛けて枯れると精神的ダメージが大きいし、掘り上げてダメになるくらいなら植えっぱなしでダメにすることを選ぶよね。
管理コストと言う意味では、「プランターに植え付ける段階で密植→花後に放置」が手軽です。開花までの日照で多少不利になりますが、堀り上げによるダメージはなくなるでしょう。
細かい事を言えば土壌の病原菌汚染など他に考慮すべき点はあるのですが、あくまでズボラガーデニングと言うことで。
いっそのこと完全放任栽培
最後の手段は完全放任栽培です。
「前述のプランター密植放置と何が違うの?」と思うかも知れませんが、こちらはチューリップの花後に土を休ませず、追加で夏の花を植えつけてしまうパターンです。いわゆる「植えっぱなし栽培」をします。
チューリップが枯れあがるのを待ちながら夏の花を育苗し、茎が引っこ抜けたら球根を土に残したまま夏の苗を植え付けます。もちろん夏の間も水やりしますよ。
ただしあまりジャブジャブ水をやると球根が心配なので、追加の苗は乾燥に強い花を選びます。コスモス、ジニア(百日草)、マツバボタンやマツバギク、帝王貝細工あたりがオススメ。
花後に土をいじるため、最初に植えるチューリップ球根は少し深植えにします。一般的には球根3つ分くらいの深さに植え付けますが、この場合は5個分くらいにした方が作業しやすいです。夏も水をやり続けるので、水はけの良い土を作って下さい。
ちなみに深植えにすると、球根から地表までの距離が遠くなるので芽出しは標準よりも遅れます。一方、浅植えよりも大きめの球根が採れやすいので、具体的にはそこがメリットですね。
夏花壇が終わって土を全部ひっくり返したとき、丸々した球根が出てくることを願うのみです。
エンドレス栽培に向くチューリップ品種いろいろ
手抜きとは言え、愛情を持って育てるのなら長く居着いてほしいものです。品種によって丈夫さが結構違うので、育てやすいタイプから試してみてはどうでしょう。
オススメは一重の赤
経験上、植えっぱなしでも目減りしにくいチューリップはシンプルな赤花です。何の変哲もない花姿ですが、健気に咲いてくれますね。次点で黄色と紫、次がピンク、白はちょっと弱めという感じでしょうか。
百合咲きもオススメ
変わり咲きの中でオススメなのは百合咲き品種です。すらりとした花姿に似合わず(?)意外と丈夫。
国華園 球根 チューリップ バレリーナ 10球 |
絞り咲きも割といける
絞りの入るレンブラント系も割といけます。
八重のオススメはアンジェリケ
逆に弱いのは品種改良の進んだ枝咲き・八重咲きですね。
頑張って育ててもあまり大きな球根が採れません。翌年には全部消えちゃうことも多いんですけど、八重チューリップの代表品種とも言えるアンジェリケは比較的よく頑張ってくれますね。
チューリップ球根 アンジェリケ |
暖地ではなかなか良い球根が採れないんですけど、生き残ってくれると本当に愛着が湧くので色々と試してみて下さい。(´ω`*)
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