シジュウカラの巣材は蒔き苔(まきゴケ)用の種に再利用可能か?

シジュウカラの巣材から園芸用の苔マットを培養することは可能なのか実験するテスト。

シジュウカラの巣材は蒔き苔(まきゴケ)用の種に再利用可能か?

ベランダに手作りの巣箱をかけて小鳥を呼んでます。

近所の工務店で貰った端材による簡素な巣箱ですが、シジュウカラ夫妻が毎シーズン入居してくれるので嬉しい限りです。

巣立った後にふたを開けると、残された巣材が見事です。主な構造物は苔と羽毛というシンプルな造り。巣箱に合わせてきっちりと敷き詰められた丁寧な仕事ぶりに、毎度感心させられます。

それだけに、この古巣を処分してしまうのがどうも忍びないのです。毎年、後ろ髪を引かれながら捨てちゃってたんですけど、しばらく眺めているうちにあることに気付きました。

巣材に使われてる苔が単一種

シジュウカラの巣箱と巣材

シジュウカラの残した巣材をよく見ると、使われてる苔の種類がかなり揃ってる気がします。写真で見るとよく判りませんが、厚みが3~4cmほど、かなりのボリューム感があります。

過去なんどか営巣した事例を辿っても、やはり一つの巣に使われる苔はかなり均質な記憶がありました。

もしやと思って検索すると、まさにドンピシャの研究が引っかかりましたよね。

鳥の巣における生物間の相互作用:シジュウカラ・苔・蛾・蜂の関係 – 日本鳥学会誌

シジュウカラ Parus minor の巣材47営巣分から,巣材のコケ植物と発生する昆虫を調査した.巣材として21種のコケが使われており,特定のコケを選択的に用いる傾向があった.

国立科学博物館他による調査なので、信憑性も十分でしょう。

なるほど、シジュウカラの巣箱からは「手のひらに山盛り出来るくらいのほぼ単質な乾燥苔マット」が手に入るようです。

そして動物好きの私の横で、園芸好きの私がそっと囁くのです。

( ³ω³ ).。o(園芸店で盆栽用に売られてるコケを買ってきたら、数千円する量だよね…。

まきゴケ増殖法

まきゴケ法でコケを増やす

ご存じの通り、苔を自然に任せて生やすには多大な時間がかかります。移植すれば手軽ですが、山から大量に盗掘してくるわけにもいきません。

そこで園芸用にまとまった量の苔が必要なときは、「まきゴケ法」によって促成栽培するのが一般的です。

育苗箱にちぎった苔を均一に広げ適切に管理すると、少量の苔から効率的に増やすことができます。普通の植物に比べると苔の生育はだいぶ遅いので、それなりの忍耐力は必要です。

乾燥した苔の活着率

ここで気になるのは、シジュウカラの巣材がカラカラに乾燥していることでしょう。

営巣シーズンが始まったら、子育てシーズンが終わるまで巣箱は一切触らないことにしています。仮にシジュウカラが初夏に入居した場合、苔が親鳥にむしられてから育苗に入るまで半年以上ものあいだ土から離れてることになります。

半年以上乾かした苔が、生苔の取り蒔きと同様に活着するかどうかはよく判りません。

ただ、乾燥した苔は水をかければワカメのように戻ります。苔盆栽を好む人達によると、一度乾燥させた苔の方が活着率が良いと言う人もいるくらいです。

問題は乾燥期間によって根付きやすさに変動がある場合です。半年の乾燥期間がどれくらい活着に影響するのかは、やはりよく判りません。

乾燥した苔を増やしてみよう

シジュウカラの巣箱から得られたコケ

グダグダ言ってても始まらないので実験します。

シジュウカラの巣から取り出した苔を肥料分の少ない土に広げ、乾燥しないように管理します。実際に定着するかどうかは2ヶ月後くらいに判るはずなので、また改めてご報告申し上げます。

(⊙Д⊙){結論が先送りですみません。初学者向けの苔図鑑を探してるので教えてちゃんな記事でした!

オススメの苔図鑑

今回得られたのはハイゴケの仲間かなぁと思うのですが、手持ちの蔵書だと種類の判断がつきませんでした。近年、身近に観察できるコケ類の本が増えてるんですけど、行動圏にまともな本屋がないので手に取ることが出来ず二の足を踏んでいます。(´・ω・`)

ときめくコケ図鑑 田中美穂, 伊沢正名

著者の前書『苔とあるく』が味わい深い切り口で良かったので、購入を考えてるタイトルです。

写真が元写真家(で、現在の肩書きは糞土師)の伊沢正名さんなので、そこも期待ポイント。

代表種の紹介+楽しみを広げる軽い読み物(だけど科学的には正しい記述)みたいな本が好きなんですけど、オススメ苔図鑑あったら教えて下さい。

街なかの地衣類ハンドブック 大村 嘉人

コケと良く間違われやすい地衣類にフォーカスしたロックなハンドブック。

コケは学術的に「蘚苔(せんたい)類」と呼ばれ、大きく「蘚類」「苔類」「ツノゴケ類」に分類されます。本稿で言及してるのは主に蘚類ですが、苔類と地衣類が似ています。

慣れるとあまり間違えることはないんですが、それぞれの名前までは不勉強にて判らず。こちらも真面目に検討したい書籍なので、備忘録にメモ。