いくつ知ってる?太陽と同じ方角に見える虹のようなものまとめ

太陽の周りに出来る虹のような現象を写真入りでまとめました。まん丸の白い虹(暈)や、雲全体が色づく彩雲、晴れた日に見える逆さ虹などの見分け方について解説しています。

いくつ知ってる?太陽と同じ方角に見える虹のようなものまとめ

ネットで ちょいちょい『太陽と一緒に写り込んでる虹のような画像』を目にしますが、虹というのは一般に太陽を背にして見えるものなので、それらはおそらく虹ではありません。

もし太陽の方角に虹が見えたら写真撮ってテレビ局に売りつけたら良いんじゃないかと思います。

…ということで『太陽と同じ方角に見える虹のようなもの』の名前いろいろでーす。

暈(かさ・ハロ)

内暈・22度ハロ

出会う確率として一番高そうなのが暈(かさ)でしょう。内暈(うちがさ・ないうん)、ハロなどとも呼ばれます。

太陽や月の周囲を取り巻く輪っかのことで、条件が良い時期は週に何度か見られます。特に内暈(22度ハロ)と呼ばれるタイプの発生頻度が高め。発生頻度では劣りますが、同心円状に他の度数もあります。

虹の場合は太陽光が球である水滴を通って作られる(楕円球のこともあります)のに対して、暈は六角柱(氷晶)によって作られるのが特徴です。虹と比べると乱反射で白っぽく見える事が多いようです。

環水平アーク

環水平アーク
環水平アーク

夏場(=太陽が高い季節)を中心として、太陽の下方に出る ほぼ水平の虹です。環水平弧と書くこともあります。

逆さ虹と呼ばれることもありますが、弧(アーク)と名前がついている割にはそれほど反り返ってはいません。名前から受ける印象で言えば「水平」の方が大きいと思います。

環水平アークは太陽よりも低い位置に発生することから比較的視界に入りやすく、発生頻度の割には目撃者の多い現象ですね。高層に薄い雲があるとパステルカラーに染まって非常に鮮やか。青空を背にすると透明感があって大好きなハロの一つです。

名前が似ていることから次章の環天頂アークと勘違いされることが多いので注意。

環天頂アーク

環天頂アークZirkumzenitalbogen】CC BY-SA3.0

冬場(=太陽が低い季節)や朝夕を中心として、太陽の上方に出る逆さ虹です。観察してると首が痛くなるくらいの高度にしか出ないので、しょっちゅう空見てる人以外にはあんまり気づかれない子です。

環天頂アーク
環天頂アーク

こちらは天頂中心に径がそれほど大きくないので「天頂のまわりの弧」という命名がすんなり入ってくると思います。

名前が似ていることから前章の環水平アークと勘違いされることが多いので注意。

彩雲

彩雲と環水平アークの違い
彩雲と環水平アーク

雲が虹色に染まる現象です。

彩雲は環天頂アークや環水平アークに染まる雲と似てますが、成因が違うので区別されます。彩雲は弧(アーク)を作りません。まとめサイトなどでは「虹色に見える雲」くらいの意味で使われてることがとても多いので気をつけましょう。

アークの原理は虹に近い現象ですが、彩雲はシャボン玉が虹色に見えるのと近い現象です。

そのほかのアーク色々

他にも上・下タンジェントアークや上・下ラテラルアークを始め、アークだけでも種類があります。全部入りだとこんな感じ。

ハロ全部入り
南極隊が観測したハロ A magnificent halo / Cindy McFee, NOAA (PD)

いくつもの大気光学現象が重なることはとても珍しいし幻想的だけど、別に超常現象ではないです。

あと、ちょっと変わったものを見たらすぐ「何かの前触れ」とか言う人!これらが未来の何かに影響するとしたら地震ではなく翌日のお天気なので落ちつきましょう。(^^

太陽と同じ側に出来る本当の虹

一般に「虹は太陽の逆側に出来る」と知られていますが、実は太陽と同じ方向に出る虹もあります

主虹 副虹 三次虹

雨上がりの虹はしばしば二重に見えますね。外側に見える淡い虹を副虹と言います。雨粒の中で光が一回余分に反射すると現れることから普通虹(一次虹)に対して副虹(二次虹)と言います。にじにじ。

虹と副虹と過剰虹

更にもう一回余分に反射すると三次虹です。そしてこの三次虹が太陽と同じ側に現れます

ハロと三次虹は色順が異なること、および雨上がりであることや雲の状態から区別します。 反射回数が多ければ多いほど光は減衰してしまうので、三次虹はよほど空がクリアなときじゃないと見られません。

ただし、それだけにハッキリ三次虹と判る写真が撮れたら世界的に見て非常に貴重な映像となります。上手く撮れたら実際テレビに売れると思いますよん。

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ハロは慣れると出そうな日が判るようになります。

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