10月2日の夕方4時過ぎ、首都圏で雨上がりの空に見事な虹が架かりました。
くっきりとした主虹の外側に、うっすら色が逆になる副虹も出て、さらに主虹の内側には三つ目の過剰虹も出てました。
皆さんはお気づきでしたか?(^^
主虹と副虹と過剰虹の違い
雨上がりの空に太陽を背にして架かる虹は、それぞれの原理と位置関係によっていくつかの種類に分けられます。
まず基本となるのが「主虹(しゅにじ・一次虹)」ですね。内側が紫、外側が赤のアーチです。
次に、主虹の外側にうっすらと出現する「副虹(ふくにじ・二次虹)」。色の並びは主虹と逆で、内側が赤になってます。
それと、主虹の内側がちょっと余分に色づく過剰虹があります。
虹は空中に漂う水滴のサイズで色の濃さが変わると言いますが、今回のは本当にくっきり出てて綺麗でした。
主虹 | 副虹 | 過剰虹 | |
---|---|---|---|
位置 | —- | 主虹の外側 | 主虹の内側・副虹の外側 |
配置 | 太陽の反対側 視野角42度程度 |
太陽の反対側 視野角51度程度 |
水滴の大きさによる |
色 | 外が赤 | 外が紫 | 元の形に添って淡く色づく |
過剰虹とは
過剰虹は別名・干渉虹とも呼ばれています。主虹の内側に、緑から紫っぽい色バンドがエコーのように繰り返し見える現象です。空気中の水滴が大きくはっきりした色合いの時だけ現れます。
ぱらぱらっとした天気雨の虹より、雲がどす黒いくらいの夏の夕立虹の方が判りやすいかも知れません。
さざ波のように繰り返す色味と「干渉虹」という名前から判る通り、光がお互い強め合ったり弱め合ったりして発色する光の干渉縞です。主虹と副虹が光の屈折現象なので、原理もちょっと違います。
どちらかというとシャボン玉や油膜の虹色に近い現象です。
もう一つの「三つ目の虹」
実は、「三つ目の虹」にはもう一つあります。
光が一回反射して現れる主虹と、二回反射による副虹のほかに、三回反射の三次虹というのもあります。ただし二回反射の副虹さえ それほど濃くは出ないので、本当にうっすらした虹になるとのこと。
しかも三次虹は主虹と副虹と逆側、つまり太陽の側に出るので更に見つけるのが難しいと言います。私が見た三次虹は、どれもPhotoshopなどでかなりきつく画像を加工してようやく浮かび上がってきたようなものばかりでした。
虹が出たときは、つい主虹と副虹ばかりに気を取られてしまいますが、試しに三次虹の撮影にチャレンジしてみても面白いかも知れませんね。
日本各地にダブルレインボー
台風22号の影響で首都圏各地に虹が出現、作業の合間の気分転換にちょっとTwitterを開いたら県内の方が虹だって騒いでました。
慌てて夕日の位置を確かめて視線を反対に振ったら、想像以上に鮮やかな虹が目に飛び込んできて、好機を見逃さずに済みました。こういうの、Twitterならではだと思います。
もうCGなんじゃないかって言うくらいはっきりとした七色の帯と、その外側に もう一回り大きな淡いアーチ。ほんの数十秒でどんどん色が変わるので設定をあわせる暇もありませんでした。
ネットには美しい虹が沢山アップされてましたが、2重の虹に感激する声が大半でした。過剰虹はあんまり知られてないのかな。それぞれよく見ると過剰虹が写ってる写真も結構あったので、改めて探してみたらきっと楽しいと思いますよ。
虹はその気になって眺めてると結構見えます。小学生の時に一夏で27回の虹を見たのがちょっと自慢。少しでも降ったら空を見上げて、朝晩2回見た事もありました。(^^
虹が出る仕組みについては一般に良く知られてる雨粒の図がありますが、調べ直してみたら実はかなり説明が端折られてるようです。ちゃんと説明しようと思うとゴリゴリの物理になりますね。
リファレンスにした記事は「ホイヘンスの原理が不連続に起こる」というイメージを意識して読むと良いです。
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