昨日ご紹介した「早朝の空がピンク色に見える写真」、ヴィーナスベルト(Belt of Venus)と言うそうです。
ビーナスベルト(Belt of Venus)とは
「ビーナスベルト」とは、日の出や日没時に見られる大気現象です。太陽と反対側の空に見られるピンク色の帯のことで、その下に見える藍色「地球影」あるいは「ダークセグメント(暗帯)」もセットで扱うことが多いようです。
よく見られるのはアッシュピンクですが、場合によってはオレンジだったり多少の色幅が見られます。
検索すると美麗な写真は沢山引っかかるんですが、現象そのものを解説されてるページはなかなか見つかりません。
…というか、佐藤元さんによる地球影の項目に詳しいんですけど原理図みても判ったような判らないような。
ひとまず現象と条件について整理してみましょう。
地球影(地球自身の影)とは
『低い位置からの太陽光が大気の影響(レイリー散乱)で赤色中心に残り、反対側の大気上層のスクリーンに投影されている』…ことは判ります。しかし、観察地点からみて地球の影まで見えるという状況が納得いきません。
太陽光が屈折する可能性を考えたのですが、屈折に関する記述は特に見当たらず。
まぁ解らないときは手を動かすに限ると言うことで、佐藤さんの原図を自分なりになぞってみたら…理解出来ました!(・∀・)
自分(=観察者)が立ってるところはかろうじて夜側(地球の影の中)ですね。まさに大気のスクリーンに投影された地球の影を見てることになります。これなら屈折も関係ありません。(地球が丸いことは必須)
【追記:2015/12/09】判りにくいという声があるので図を書き足してみました。間違ってたら教えて下さい。
観察できるのは日の出直前・日没直後
「そしたら、観察できるのは日の出前って事になるんだけどなぁ…?」と思ったら、ちゃんと説明に薄明時って書いてありましたよ。(白目)
実際に写真のタイムスタンプみたら夜明け1分前だったので条件に合致します。私が観測したのはかなり空が明るいときだったので、自分が夜側にいるという認識が全くありませんでした。理解が遅かったのもそのためですね。はい…すみません。
ビーナスベルト以外でピンク色に見える空
空がピンク色をしていても、すべてがビーナスベルトというわけではありません。
朝焼け・夕焼け(レイリー散乱現象)
これは普通に朝焼けや夕焼けの空。一方ビーナスベルトは太陽と反対側に出現します。
空気全体が染まってるような空(ミー散乱?)
また、ビーナスベルトはその名の通り帯状に色が付きます。こういう「RPGで中ボス出てきそうなパターン」は含みません。
これは「空気中の水分が多すぎて一部ミー散乱している状態」ということになるのかなぁ。夕立起こりそうなときによく見る気がします。誰か教えてえらい人。
【 追記:2015-09-18 】
あとWikipediaの英語版見てたら「ビーナスのガードル(Venus’s Girdle)とも言う」って書いてありました。
実際に検索したら一般的には「クシクラゲ」を示す言葉で、ビーナスベルトを指すことはほとんどないようです。なんですぐそっちに持っていくのか…。(´・ω・`)
楽しい気象観察図鑑
これは写真が綺麗だし解説もわかりやすくて良かったです。空や雲に詳しい人でありたいなー。 |
海洋地球研究船「みらい」 とっておきの空と海
知る人ぞ知る JAMSTEC の美しいギャラリー。 |
【 更新履歴等 】
2013/01/28 初稿発表
2014/06/10 中ボス出てきそうな写真を追加しました
2015/09/18 写真とおまけ話を追加しました
2015/12/09 ビーナスベルトの図を追加しました
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