2分で判る!ふたご座ギリシャ神話 人妻レダと白鳥ゼウスと双子たち

ギリシャ神話に伝わる ふたご座(双子座/双児宮)の物語です。絶世の美女レダに舞い降りた白鳥の秘密、実は生まれたのは四つ子だった!!中世ヨーロッパの文化背景含めて4コマ漫画のダイジェストでどうぞ。

2分で判る!ふたご座ギリシャ神話 人妻レダと白鳥ゼウスと双子たち

規制すると異常進化するわけです。

レダとゼウス・ふたご座のギリシャ神話

観測シーズン冬 難易度★☆☆☆☆(易)

絶世の美女レダと白鳥の出会い

ある美しい女のもとに一羽の白鳥が舞い降りてきました。見れば鷹に追われて ひどく怯えている様子です。不憫に思った彼女がギュッと抱き留めると、人なつこく寄り添うさまが実にかわいらしい。

すっかり気を許してじゃれあっていると太腿の内側に何かが触れて、その感触が一続きに体の奥まで達してるのだと気付いてしまった時にはもう。

ルネッサンス期に栄華を極めた白鳥とレダの描写

このスパルタ王妃レダと白鳥の姦通ネタは中世より多くの芸術家が愛した由緒正しき妄想モチーフです。

当時の教皇庁が夫婦の貞操を強く訴えた結果「浮気は神との契約に反するけれども獣とならば好きにしなはれ」というななめ上の事態に行き着きました。

男女の性愛描写を極度に制限された画家達は、ここぞとばかりにレダと白鳥の交流を描き上げたのです。白鳥の湖しかり、ヨーロッパにおいて白鳥は性愛の象徴ですね。

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ちなみにこの白鳥の正体は、天界一 女にだらしない大神ゼウスですよ。

レダとゼウスの双児 カストルとポルックス

そもそもゼウスが白鳥に姿を変えたのは、レダを見そめたゼウスが彼女とお近づきになるためでした。女神アフロディーテに自分を襲わせるよう依頼してレダの同情を引こうという このがっかり感がひどすぎる。とても世を統べる全能の神がやることとは思えません。

まぁ、ともかくこの件で子種を頂戴した人妻レダさん。ご主人との間にも子供を授かり、なんと四つ子をご懐妊。…と思ったら出てきたのが卵ってなに。二つの卵からは、それぞれ利発そうな男の子と愛くるしい女の子が二人ずつ誕生します。

まとめるとこう。

父親
ゼウス スパルタ王 テュンダレオス
性別 ポルックス(弟) カストル(兄)
トロイアのヘレネ クリュタイムネストラ

神の血を引かない人間のカストルは後に戦地で命を落とすのですが、兄との別れを惜しんだポルックスが神の慈悲を得て二人は共に夜空を飾ることとなりました。

こんな出自なのに二人とも素直な良い子に育ったね。素晴らしいね。

ところで。神の奇跡によってレダが卵を宿したのだとすれば、ポルックスとヘレネだけがタマゴから出てくれば済む話です。カストルとクリュタイムネストラまで卵で産まれたのはなぜか、異父兄弟が同じ卵から産まれたのだとしたらレダ自身に卵殻腺があったのではとか、下世話な疑問は尽きません。…が、まぁ、それはそれ。

しかし突飛な設定だけに、当然彼らの生まれた経緯には諸説あります。比較的それらしい組み合わせで産まれた話も存在するようですが、あまりまともな筋書きだと不死身の弟と生身の兄って物語性が生きてこないんですよね。やっぱり神話には常識とか倫理観とかおかまいなしでがっつり突き進んで頂きたい次第です。

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ギリシャ・ローマ神話の類似性は有名ですが、それ以外にも白鳥の性愛を扱った神話は各所に残ってますね。人の考えることはどこでも一緒なのか、あるいはシルクロードが偉大なのか…みたいなことを思ったり思わなかったりしています。

旧題:ふたご座はじめて神話 ~人妻レダと白鳥のゼウス~