本当にヤシ!?国内の南国っぽい植栽はシュロのことが多いよ!

海沿いのヤシ並木、南国情緒で素敵ですよね。でもちょっと待って、それ本当にヤシですか? 間違えやすいヤシ科の植物とヤシにまつわる小ネタについてご紹介してます。

本当にヤシ!?国内の南国っぽい植栽はシュロのことが多いよ!

海沿いの国道でドライブとかしてると

「すげー、ヤシ生えてる!」

…とかめっちゃ盛り上がってる人いますけど、それシュロですシュロ。

シュロとヤシの木の違い

まずシュロとヤシの木の違いから。

シュロとヤシの木の違い

南国情緒たっぷりのヤシは熱帯植物ですから、国内で地植えにしようと思ったら霜が降りる地域ではヤシの地植えは難しいでしょう。

そこで同じヤシ科の中でも、耐寒性に優れたシュロが採用されるようです。すらりとしたのが生えてても、天狗の破れうちわみたいな葉っぱがついてたらヤシじゃなくてシュロですよ~。いちいち訂正するほどの話じゃないんですが、あんまり盛り上がってる人を見ると気になるじゃない!

ヤシの場合は主脈に沿って葉が対に生えることから区別できます。

ヤシと間違えやすい樹種

他にヤシと間違えやすい植物の筆頭に上がるのがソテツでしょうか。こちらはソテツ科の植物でヤシ科ではありません。
ソテツ科ソテツ
江戸時代に好んで植えられたので、古い武家屋敷や寺社でも割と見ます。

日本庭園で見慣れてるにもかかわらず、洋風ガーデンにさりげなく配置するとヤシっぽく見えるのがポイント。名脇役だと思います。

ヤシ科の植物色々

もちろん、暖地ならシュロ属以外のヤシが植わってることもあります。ただ、多くの人がThe ヤシの木!と思ってるココヤシは現地でたびたび死者を出すほどの危険な植物だったりします。

幼木のうちは良いんですけど、ココナツがつくようになると実が落ちたとき人に当たると危険です。直撃したらひとたまりもありません。そういう意味では雰囲気作りのためだけに植えるには難しい樹種と言えるでしょう。

ナツメヤシとデーツ

比較的育てやすいようで、海浜の公園や動物園の中東ゾーンなどに植えられているのを見かけます。果実も小さく落果しても危険はありません。

ナツメヤシとデーツ

果実はデーツとも呼ばれ、熟したものはねっとりとした甘みがあります。風味と保存のしやすさにより現地では古くからお菓子の原料などとして使われてきました。

ドライフルーツのようにして食べられることは知ってたんですが、おたふくソースの原料でもあるのだとか。最近になって広島の知り合いに教わりました。特有の甘みが評価されて40年前(1975年)から酢の原料として使われてるそうです。へーへーへー。

工場の売店へ行くと袋詰めのデーツが売ってるそうですよ。「神の与えた食物(コーラン)」や「エデンの園の果実(旧約聖書)」とも呼ばれ、栄養価も非常に高く砂漠の民に親しまれた果物です。興味ある方は立ち寄ってみては如何でしょう。

ドライフルーツ デーツ 無添加 砂糖不使用 1袋 1kg 種無し ナツメヤシ お徳用

シュロと言えばシュロ縄の原料

シュロ皮で縄をなう。

シュロ縄なう。
すいません、一回やってみたかったの。

シュロ縄なう。

タカショー 棕梠縄(シュロナワ)エコランド 3mmX100m 赤

縄をなう = twister

【 更新履歴 】

2015/08/11 ナツメヤシの記述を一章まるごと追記しました。