春めいてきてウキウキしますね。
梅と桜の見分けは何となく出来るけど、桃が混じるとちょっと判りにくいという人もいるのでは。
ウメとモモとサクラの花の違いがパッと分かると、散歩やお花見がいっそう楽しくなりますよ。(^^

写真は桃の中でも観賞用の「花桃(はなもも)」です。確かに品種改良の盛んなバラ科は、バリエーションも多くて難しいんですよね。
ウメとモモとサクラの見分け方
散歩に出たら色々な花が撮れたので、見分け方のご紹介です。(梅だけボケボケだったのでフリー素材を利用)
桜 Prunus, Cerasus |
梅 Prunus mume |
桃 Amygdalus persica |
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花姿 | ![]() |
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花柄 | あり | なし | ほぼなし |
花弁 | 先割れ | 丸形 | 尖りがち |
花芽 | 房咲き | 一節にほぼ1花 | 一節にほぼ2花 |
備考 | 太幹でも咲く | 緑枝で良く咲く | 花裏に葉がちょろり |
参考 | Google画像検索 | Google画像検索 | Google画像検索 |
ウメの花の特徴
暖地では早春に先駆けて咲きますね。花が丸くてコロコロしてたら割とウメです。
緑色の新枝でも良く咲くのが特徴です。
モモの花の特徴
花びらはすらりとしていて桜っぽいのですが、桜は花びらの先端が割れるのに対しモモは尖ってることが多いです。
いずれにせよ迷ったら花の裏側を見て下さい。花柄と呼ばれる細い軸がなく、その代わり葉っぱがちょろちょろ出てたらまずモモです。
サクラの花の特徴
一重に加えて八重の品種もあり、とにかく種類が多いです。迷ったら花の根元を見てみましょう。
花は花柄で繋がっています。サクランボの軸に相当する組織です。この花柄もたまにやたら短い品種があってモモと紛らわしいんですけど、枝から直接花が咲いてなければ桜認定で良いのではないでしょうか。
花柄は一カ所から何本か出ていて、房状に咲きます。房のボリュームもいろいろで、一カ所から4~5花が咲く品種もあれば、沢山の花がもりっと塊になってくす玉みたいになる桜もあります。
あと、太枝から唐突に咲きやすいのも桜の特徴です。
品種に関しては枝変わりの変種も沢山ありますが、大規模に植わってるのは一握りの有名な品種に限られます。
園芸種で有名なのはソメイヨシノや春を告げる河津桜、緑花を咲かせる鬱金(ウコン)や御衣黄(ギョイコウ)など。大きな植物園で何種も植わってるときは交配親に注目して系統別に眺めると面白いですよ。
あと、サクラは豆桜系の小さい品種を選ぶと庭がなくても育てられます。アイキャッチのサクラも私が育ててる鉢植えです。青空の方が似合うと思って外に持ち出して撮ってみたのだ。(´ω`*)
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桜盆栽 花芽付き!旭山桜の鉢植え |
桜切るバカ梅切らぬバカ
あと有名な「桜切るバカ梅切らぬバカ」は、ウメが緑色の新枝にも花芽がつくことのあらわれでもあったりします。
ついでに言うと、「桜切るバカ」が広く知られたことで「サクラは絶対切っちゃいけない」と思い込んでる人がいますけど、適切な剪定をしたほうが寿命伸びると思います。
一般的な剪定のセオリーに従って「花が咲いた直後」とか「枝が動き出す前」に切るとガーッと枯れ込むのが諸悪の根源(?)かも。その結果、病巣を抱えた株まで放置されたりするんで痛ましいです…。
桜の剪定は落葉してからの年内が無難でしょうか。切り口癒合剤(植物用の絆創膏みたいなもの)使えばダメージ減らせます。
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住友化学園芸 切り口癒合剤 トップジンMペースト |
バラ科を見分けるのは難しい
バラ科植物は見た目の美しさに加えて果実の利用価値も高いので、バリエーションがほんと豊富です。とりもなおさず判定の難しさに直結するんですけど。
ひとつの種に複数の学名があったりするし(シノニムと言います)、動物と違って種間雑種を作るのが簡単だし、それどころか属間雑種さえ割と普通だったりしますし。
近ごろはゲノム解析したら思ってたのと全然違う系統だった…なんてこともあるらしいですよ。
そんなわけで園芸種も含めると何千種類あるか誰にも分からない状態ですから、究極的には「わー、キレイだねぇ…。(´ω`*)」で済ませるのが平和という説もあります。
園芸好きを自称してると、たまに「サクラの写真撮ったんだけど何て品種?」とか言われるんですけど、よほど特徴的な品種じゃない限り写真からの判定は難しいので、そこんところよろしくお願いします。(⊙Д⊙)
あと余談ですが、海外の新品種カタログとか眺めてるとバリエーションが豊かというか、東西の審美性について考えさせられて面白いですよ。
ウメ・モモ・サクラと間違えやすい植物アレコレ
ウメ・モモ・サクラが属するバラ科サクラ属は大家族で、ほかにもバラ科の果樹がいろいろひしめいてます。代表的なサクラ属の果実がこんな感じ。
ウメ・モモ・サクラはそれぞれ亜属に分かれてますが、近い系統だととても良く似ています。
春にリンゴやサクランボで有名な地域に行くと、そこら中でお花見気分になれるからお得感ありますね。
サクラ属の果樹を庭木にしてお花見やるのも楽しいと思います。樹が大きくなる上に一本じゃ結実しない樹種もあるので、都市部だとちょっと難しいですけど。
ちなみに、バラ科果樹として有名なリンゴ、ナシ、カリン、ビワ、サンザシなどはサクラ属とはまた別のグループに属します。
おわりに
花も実も美しいウメ・モモ・サクラは品種が豊富で、それぞれ一重・八重・枝垂れ・源平咲き(紅白)など多様です。食用と観賞用でもかなり花姿が違いますし。
とりあえず、オーソドックスな一重を見分けるところから初めてみてはいかがでしょう。
もっとも見分けがついたところで他人の会話に水を差すとか無粋だし、わざわざ質問されたりしない限り意外と知識が役に立つ機会ってないんですけども。
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【2017-03-03】章立て変更したり写真足したりしました。 旧題:梅ウメ・桃モモ・桜サクラの花の見分け方
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