時速800mの桜前線に飲まれる春の夕暮れ

時速800mだという桜前線、いまどこにあるでしょうかね。

800m/hの春に飲まれて

仕事場近くの山桜、同じ樹を数時間後に見たらもう開いてて。咲き始めたらあっという間ですよね。花見を前倒しで強行された方々も結構多いんじゃないでしょうか。

早咲きで有名な河津桜が賑わいを見せたのは確か啓蟄のころ。正月過ぎには花屋に並ぶのが常の啓翁桜もあまり見かけなかったし今年は早咲き品種が随分遅いな~と思ってたらソメイヨシノがまさかの追い上げを見せました。

ちなみに4コマ目はソメイヨシノなので1・3コマ目とは別の樹です。満開の感じを出したくてちょっとズルしましたよね。(汗)

春の訪れと共に一斉に咲く印象のある桜ですが、それというのもクローン品種であるソメイヨシノならではです。

ヤマザクラなどの在来品種は割と個体差が大きいし品種ごとに花期も違うので、4月に設定した花見の会期を動かせない方々もどうか気を落とさず年度末を乗り切ろうではありませんか。八重桜ならまだ残ってるかなぁ…。

桜前線と積算温度

植物の生長を観測するにあたって積算温度という重要な指針があります。「ある期間の日中最高温度」を順に足していったもののことですがあまり寒いと成長が止まるので「最低気温が何度以上の場合」と注釈が入ることも。

桜の開花もこれにならって計算するわけですけど、寒の戻りで成長が鈍ったりするので一律に合計何度になったら咲く…というわけではないのが難しいところなのでしょう。結構正確ですけどね。

とにかく、春の気温の上昇に伴って移動していく「桜前線が子供の歩くような速さ」であることは、メタファーとして何だかすごく微笑ましい気がするんです。遅々としてるようでいて、目を離したすきにずんずん進んでいくあたりも。

いずれにせよ、それぞれの街に咲く満開の桜を、沢山の人が晴れやかに見上げていることを願って。

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