ジュリア集合・双曲線関数・フィボナッチ数列 in シダ

シダって綺麗ですよね。プリミティブなものに惹かれるのは、欲望むき出しの明快さだと思う。

ステキとキョーキは表裏一体

週末、近所に散歩に出かけたらシダがわさわさしてて超良い感じだったのでアホみたいに撮って参りました。

漢字表記の羊歯、Wikipediaによれば「羊の歯に似てるから」だとか「巻き姿が羊の角に似てるから」だとか諸説あるようですね。

…とは言え、羊の歯そのものに取り立てて特徴があるわけじゃないので、個人的には「角に似てる」へ一票入れたいところです。巻いてるうちに触ると本当に もこもこしてて楽しいですよ。「歯」の字を当てたのに関して言えば、日本語的に「一列にサイズの揃ったギザギザ」は全て歯だって話もありますしね。

ジュリア集合・双曲線関数・フィボナッチ数列

で。

シダ好きって探すとそこそこいるんですけど、なんで目を引くのかなぁと眺めていて思ったのがジュリア集合と、双曲線関数と、フィボナッチ数列。双曲線関数とは、重力に対して非常に安定性の高い曲線ですね。

もっとも これは素材の剛性が一定であることを前提としています。先端へ行くに従って柔らかくなる自然物の場合は媒介変数の値がリニアに減少するのですが、ざっくり端折っても大筋は間違いないと言うことで。

そして1コマ目に戻ってジュリア集合。フラクタルの代名詞であるマンデルブロ集合とは表裏一体の関係です。パラメータが多すぎるジュリア集合の特徴点を抽出するために導かれたモデルがマンデルブロ集合とのこと。ちなみにジュリア集合もフラクタルの一種です。

せっかくのフラクタル図形だし、もう少し気の利いた配色にしたかったんですが
自分で作ると複素数への理解のなさが如実に出ますね…。(^_^;

3コマ目は定番のフィボナッチ数列。

もしかすると、ゼンマイ状の茎をフィボナッチ数列、展葉した状態をフラクタルって説明を受けた方がいるかも知れません。でも、これはフィボナッチ数列を内包したフラクタルと言えるので どっちがどっちと明確に区別するようなものではないのです。(^^

ざっくり比較するとこんな感じ。

フラクタル 双曲線関数 フィボナッチ数
特徴 自己相似性 重力に対して安定 要素が互いに素
効果 簡潔に面が埋まる 少ない素材でも丈夫 自身で競合しない

つまりなるべく高い位置で太陽光と風を受けるために最も無駄のない形だと思うんです。成長するにも胞子を飛ばすのにも都合が良いですよね。

こういう打算的な行動パターンにすごく惹かれます。素直で判りやすいので。ちなみにこの話、次回に続きます!(^^

【 備考 】

実際、シダの葉っぱって良く風をはらむんですよね。
デイリーポータルZ >> 飛べ、シダ植物!

【 追記 : 2013/03/26 】

数式の特徴から結論を導くところが飛躍っぽいので間を埋めました。

あと当初マンデルブロ集合とジュリア集合について「定数Cを介して呼応する関係」という表現を使っていたんですが、「間違いじゃないけど微妙」という指摘を受けたので改稿しました。自称「行列好き」として虚数をもっとちゃんと理解したいんですが漸化式が鬼門なので、どうも頭が追いつきません。

【∫f(x)dx = クロッカス?】

本質的にはこの話の続きをしたかったのです。

【深海展が人気だけど科博に伝説のダイオウイカなどいない】

国立科学博物館の常設展示レポート。フラクタルといえば思い出すロマネスコを食べてきた話。