「裸眼視力が0.3未満なのに矯正してない子が結構いるけど、ちゃんと見えてるのかな」という話が回ってきました。
視力が0.3未満だけれど眼鏡の類の矯正をしていない人が、高校生までで数%。文字とかしっかりと見えているのかな。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年1月23日
高校生までの子供で視力が0.3未満だけど眼鏡やコンタクトをしていない人が結構いる – 【ネタ倉庫】ライトニング・ストレージ
視力低下の原因については、この数年のスマートフォン増加による影響を中心に考察なさってました。一方、なぜ矯正しないのかについては深く言及せず。
しかし、この流れは身に覚えがあります。私が初めてメガネを作ったとき、視力は0.03まで落ちてました。板書が全く見えない状態になるまで、親に言い出せなかったからです。
児童・生徒の視力に関する統計データ
文部科学省の学校保健統計調査より、児童・生徒の視力に関する統計データを抜粋します。
一般に、裸眼視力0.7を割ると視力矯正が必要とされます。裸眼だと日常生活に支障が出るのが0.3程度。
本統計上の計測区分も、裸眼視力を次の4つに分類していました。
【矯正あり】裸眼視力が0.3未満である児童・生徒の割合
グラフは「年代別の裸眼視力が0.3未満である者の割合」です。
まず普段メガネなどで矯正していて裸眼視力0.3未満である子の割合です。年齢に従って順調に視力が落ちてることが判ります。
【矯正なし】裸眼視力が0.3未満である児童・生徒の割合
次に、問題となる「普段から裸眼だけど非常に目が悪い子」の比率です。
視力0.3未満の高校生に占めるメガネなし(非矯正者)の割合は、矯正ありに比べると少ないのですが、それでも全生徒の12~15人に一人がはっきり見えてない状態で暮らしてるとわかります。
視力が悪いのに矯正しない理由
なぜ視力が落ちてきてるのに矯正しないのでしょう。理由はいくつか考えられます。
自分でも視力低下に気づいてない
何となく雰囲気でものが認識できてしまうので自分でも視力低下に気づいてないパターン。
自宅周辺や学校など、決まったエリアで生活していると案外不自由しないものです。
視力0.1以下の裸眼でも、文字を見たり慣れない駅で降りない限り普段の生活に支障ないという人も多いのでは。
貧困のため
親に負担をかけるから言い出せないという想定です。シングル家庭などに多そう。
親に怒られる
親に怒られる。私の場合がこれでした。
視力が落ち始めたのは中学生になったくらいからでしょうか。席替えのたびに最前列にしてもらっていたのですが、いよいよ誤魔化しきれなくなってメガネ作ってくれと言いました。
それまで持っていたスキルを失うと烈火のごとく怒る人だったので、視力が落ちてもなかなか言い出せなかったのです。
ピアス穴を見て「親に貰った体を粗末にするなんて!」と怒りだす人がいますが、あの感じに近い気がします。
すぐ上の兄は生まれつきほとんど見えてなかったのですが、成長に伴ってそれなりに視力が回復したので、その反動もあったかも知れません。
これと似たケースでは、漫画やゲームを手放さない子に普段から小言を言ってた場合もあるでしょう。「ほら見なさい、だから目が悪くなるって言ったでしょう!」という反応が予期されれば、なかなか言い出せないと思います。
親が医者嫌い
保護者が医療に対して不信感を抱いており、家族に受診させないといった理由も考えられます。
ちなみに私はこのケースにも該当しました。身内に病弱な者が多かったため、長年の病院通いから両親が露骨に医師を嫌うようになっていたのです。
目が悪くなりかけのころにメガネを作ってほしいと持ち掛けたことがあるのですが、「仮性近視にメガネは不要」と民間医療の本を山積みにしていったので説得を諦めました。
確かに目の体操は視力低下を食い止めるために有効だと思うのですが、メガネはメガネで早いうちに欲しかったなぁと今でもたまに思い返すことがあります。
おわりに
世の中には本当に色々な考えの人がいます。
どんなに身近な関係でも、何でもないひとことが言い出せないことはあるでしょう。中には、とても信じられないような理由だってあるかもしれません。
もしお子さんが頻繁に目を細めていることに気づいたら、どうか怒らずメガネが必要かどうか聞いてみてあげてください。
私のような子供がこれ以上増えないことを心から祈っています。
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