地域の防災訓練で救命講習を受けてきました。
その中で、ご家庭にある道具をかき集めて作る応急担架の作り方を教わったので備忘録をかねてメモしておきます。
物干し竿と毛布で作る簡易担架
物干し竿と毛布で作る簡易担架です。
用意するもの
必要なのは丈夫で長い棒2本と毛布のみ。紐や金具などの固定具は不要なので知っておいて損はないでしょう。
作り方
まず毛布を横長に広げ、1/3幅くらいのところに棒を一本渡します。
次に、棒を包むように毛布を折ります。
もう一本の棒を、折り返した布端より内側に来るよう渡します。
ここで、二本目の棒を折り返した布でS字にくるむのが一番のポイント。棒で二枚の布を抑え込むことにより摩擦が大きくなり、滅多なことでは抜けなくなります。
残りの布を折り返して日本の棒を包んで完成。上にかぶせた毛布は特に端の処理をしなくても、そのまま垂らせばよいようです。
※写真の露出が違うのは、後で写真が足りないのに気付いて撮り直したため。深い意味はありません。
別の方法
棒で布を抑え込んで全体の強度を上げるという意味では「毛布を端を棒に折り込んでぐるぐる巻きにするという方法もあります。
ただ、ぐるぐる巻き方式は意外と折り込み作業に時間がかかります。落ち着いてやらないと布がよれて期待通りの摩擦力が出ない可能性もあります。
「乗せて巻くだけ」という最初の方法のほうが確実でしょう。
服を使った簡易担架
毛布を使った担架は割と有名だと思うんですけど、もう一つ服を使う方法を教わりました。
物干し竿に丈夫な上着2枚の袖を通す方法です。
用意するもの
ジャケットの場合は前のボタンを留めます。念のためTシャツ2~3枚も重ねておけば安心ということでした。
ただ、これは本当に最後の手段ですよねぇ…。
大規模災害みたいな緊急事態じゃないと使いたくない感じですが、そういう方法もあるんだなということで。
物干しざおの強度
講習の場で年配の男性から「物干し竿なんかで運んで折れないのか」という声が上がってたので、強度について考えてみました。
工事現場などで鉄パイプがあればそっち使った方が安定すると思いますけど、家庭で手に入る棒として物干しざおはそれなりの強度があるはずです。
日ごろから洗濯してればわかるんですけど、脱水したての洗濯物って相当重いですからね。
とある物干し竿メーカーに書いてあったステンレス物干し竿の弾性強度が30Kgでした。それが2本なので単純計算で60Kg。とりあえず細めの男性なら確実に運べます。
ただし、この強度30Kgは一番もろい中央付近の一点に負荷をかけた場合です。全体を布で巻けば理想に近い状態で力が分散されるわけで、少なくとも持った瞬間にバキッといかなければ、それ以上の荷重に耐えるでしょう。
…とはいうものの、実際のところ巨漢の搬送は訓練されてない人間には難しいです。もしそういう状況が発生したらプロのレスキューに任せて素人は軽い人の搬送に専念ということになるでしょうね。(´・ω・`)
運ぶ時は進行方向に気を付ける
担架を運ぶ時は進行方向も注意です。担架を運ぶ時の進行方向は足から。
ストレッチャーに乗ったことがある人はご存知だと思うんですが、頭方面に進むと何が起きてるか全くわからずめちゃくちゃ不安になります。
その不安を解消するためにも、頭側の搬送を担当する人は患者に声をかけながら進むと良いようです。
実際に歩いてみる
練習で担架を作る場合は二人向かい合って担架を持ち上げがちなんですけど、これだと持ち上がることを確認して終わりということになりがちです。
少しだけでも歩いてみると、色々な発見があるのでおススメです。
担架で運ぶ練習は大げさだとしても、緊急時に家族や親しい人を自力で搬出できるかというのは試しておいていいと思います。
何かあったときにとっさの行動がとれるようになりたいです。
コメントをどうぞ(´ω`*)