果皮がピンク色のバナナ(ベルチナバナナ)を育ててます。矮性で丈夫なため、園芸店などでもたびたび観葉植物として販売されてるのを見かけます。
…んが、果実についての説明は「食べられる」だったり「食べられません」だったりで、どっちだよ!…と突っ込みたくなることも。
とりあえず結論を言うと、ベルチナバナナは美味しいです。食べられないって書いた人は、多分収穫のタイミングを間違えてるか、頬の筋肉が弱いんじゃないかな。
ベルチナバナナ(Musa velutina)の育て方
ベルチナバナナ(学名 Musa velutina)とは、ピンク色の果皮が目を引く原種系のバナナです。
バナナ アケビバナナ |
成長した果実は8cmほど。モンキーバナナに似た小ぶりの実を付けます。表皮が赤い上に果実の表面に産毛が生えてるため、どちらかといえばモンキーバナナよりベルチナバナナのほうがサルに似てると言えるかも。
一般的なバナナと同様に多年草で、株分けなどで増やせます。特に和名がないせいか、取り扱う種苗会社ごとにニックネームがついてたりします。正式名称を書いてないラベルがほとんどですけど、たぶん同じものでしょう。
※バーミーズブルーバナナ(Musa itinerans)や台湾バナナ(Musa formosana)の一種に赤実品種が存在するので、それらがピンクバナナとして流通してる可能性もあります。
ベルチナバナナの管理と冬越し
ベルチナバナナはバナナの割に耐寒性が強く、東京近郊であれば簡単な防寒で野外での冬越しが可能です。
冬に地上部が枯れても根っこは生きてますから、根元を枯葉や腐葉土で覆って寒風から守ってやると安心です。鉢植えなら二重鉢にするのも効果的。
厳寒期のみ屋内に取り込めば、一年中緑を保てます。
ピンクバナナ開花・結実・実食
株が充実してると割と容易に花芽をつけるようです。寒くなってくると実が入りにくいので、春先にたくさん日に当てて夏までに葉数を増やしておくと良いのでは。
ベルチナバナナをはじめ小型バナナは花房がコンパクトなものが多く、いわゆる「バナナの房!」という感じには育たないのですが、蓮を思わせるピンク色の蕾はなかなかキレイです。
ピンクバナナの収穫適期
で。問題は収穫期です!(⊙Д⊙)
果実が膨らんでバナナの形になったからと喜び勇んで食べたが最後、口の中が渋っしぶで「ギャー!」ってなります。未熟化のまずさはハンパないよ!
実際、果物として並ぶバナナも倉庫で追熟処理されてます。余談ですけど黄色いバナナは輸入禁止品だったりしますよ。青果として流通してるバナナは青いうちに輸入されてます。
バナナの輸入手続き – 日本貿易振興機構
海外旅行の手土産に、ホテルに詰んであるウェルカムフルーツなどを持ち帰ると防疫法に抵触することがあるので気をつけましょう。(うっかり持って帰って来ちゃったら空港で検疫の人に相談して下さい。)
いずれにせよ家庭での追熟処理は痛みやすく手間に見合わないので、慣れてない人は自然に完熟するのを待った方が無難です。皮がめくれて果肉が見えたころが収穫の目安です。
くぱぁ。
そうなんですよ、完熟すると果肉がむき出しになるのです。「あけびバナナ」のネーミングもここからでしょう。皮がむけたと同時にダンゴムシが襲ってくるので、網を掛けるなりして、適期を見計らって速攻で収穫しましょう!(⊙Д⊙)
タネがある
果肉は皮からぽろっとキレイに外れます。そして割るとタネがある。実は原種バナナの多くにタネがあります。…と言うか「タネがあるから栽培種に選ばれなかった」と考える方が自然かも。
それでまた、このタネが果肉と分離しづらくてとにかく食べにくいんです。丸ごと口に放り込んで舌でタネを外しながら味わうしかない。この辺もアケビの食べ方とそっくりです。とにかく口の周りの筋肉がめっちゃ疲れる。
一週間毎日食べ続けたら確実にフェイスラインがスッキリすると思いますよ。表情筋にコミットするバナナ、それがベルチナ。
ちなみに味は普通にバナナです。酸味があるので青いバナナが好きな人に良さそう。
まとめ
…と言うことで、独断と偏見による観賞用ベルチナバナナの味まとめがこちら。
いずれにせよベルチナバナナは育てやすいしキレイです。
たくさん収穫したときは
大株になってくると収穫量もあがります。とてもじゃないけど食べきれないよ!ってときはグチャグチャに潰してざるで濾してミルクセーキ等にするか、皮がむける前に刈り取って生け花として飾るのもオススメです。
家庭園芸としての食べやすさで選ぶなら、やっぱドワーフモンキーかな。
現場からは以上です。
バナナ ドワーフモンキー |
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