手作りエアインチョコ3種類のレシピを食べ比べてみたよ!

重曹を使ったエアインチョコ3種類を作り比べてみました。ベーキングパウダーを使ったり混ぜ方で食感がかなり変わります。

手作りエアインチョコ3種類のレシピを食べ比べてみたよ!

エアインチョコは重曹で自作出来る!

…という話は前から知ってたのですが、「実際のところどんなもんじゃろ?」と思ったので試してみました。混ぜ方ひとつで口当たりが がらりと変わります。

エアインチョコ食べ比べ実験

手作りエアインチョコのレシピは探すと色々見つかります。その中から、今回は重曹の発泡反応を利用したタイプのものを作ってみました。

ついでに重曹を主成分とするベーキングパウダーについても試作してます。相互に代用可能かどうか食味の違いを比べてみました。

材料

エアインチョコ制作に使った材料は以下の三つです。意外とシンプルじゃないでしょうか。

  • 板チョコレート      … 50g
  • 重曹(ベーキングパウダー)… 小さじ1/2
  • 水            … 小さじ1/2

ちなみに重曹は用途別に精製度や粒度が違います。料理には(掃除用ではなく)調理用の重曹を使って下さい。

お料理用重曹

作ったチョコの種類

作り比べたチョコは以下の3種類です。

  • 重曹ざっくり混ぜたバージョン
  • ベーキングパウダーざっくり混ぜたバージョン
  • 重曹を丁寧に混ぜたバージョン

エアインチョコの作りかた

チョコを溶かす

基本的に「チョコ融かす」→「ふくらし粉混ぜる」→「電子レンジで加熱」でOKです。今回3つの方法を試したのでそれぞれ微妙にレシピが異なります。

電子レンジの加熱時間は目安ですが、連続して1分以上加熱すると焦げて固くなってしまうかも。様子を見ながら調整して下さい。

重曹ざっくり混ぜたエアインチョコ

まずは重曹を使ったレシピです。

  • 板チョコレートを細かく削って融かす
  • 重曹と水を混ぜたものを用意する
  • チョコを型に入れ重曹水をざっと混ぜる
  • 型を20cm程度の高さから落として余計な空気を抜く
  • 電子レンジ500Wで30~40秒加熱
  • 粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間ほど冷やす

電子レンジから取り出したチョコは、へたに動かすと泡が潰れてしまいます。冷めるまで絶対にいじらないで下さい。

ベーキングパウダーざっくり混ぜたエアインチョコ

こちらは重曹の代わりにベーキングパウダーを使ったレシピです。

  • 板チョコレートを細かく削って融かす
  • ベーキングパウダーと水を混ぜたものを用意する
  • チョコを型に入れベーキングパウダー水をざっと混ぜる
  • 型を20cm程度の高さから落として余計な空気を抜く
  • 電子レンジ500Wで30~40秒加熱
  • 粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間ほど冷やす

重曹を丁寧に混ぜたエアインチョコ

この項目は、前の2つを作ってから改良版として後から追加で作りました。

  • 板チョコレートを細かく削って融かす
  • 重曹と水を混ぜたものを用意する
  • 融かしたチョコに重曹水を入れてまんべんなく混ぜてから型に入れる
  • 型を20cm程度の高さから落として余計な空気を抜く
  • 電子レンジ500Wで30~40秒加熱
  • 粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間ほど冷やす

ざっくりチョコとの違いが判るでしょうか。溶液を混ぜる手順を入れ替えました。こっちは液とチョコを十分混ぜてから型に入れてます。

エアインチョコ食べ比べ

エアインチョコレート食べ比べ

三者三様に泡が立ち、とりあえず板チョコとは違う食感になりました。ひとまず発泡チョコという目的は達成したと考えて良さそうです。

重曹ざっくり混ぜたバージョン

ザクザクした食感で発泡度は一番高かったです。重曹がダマになったっぽいところでところどころに重曹特有の苦みがありました。

ベーキングパウダーざっくり混ぜたバージョン

ベーキングパウダーも主成分は重曹なのですが、単体での欠点を補うためににいくつかの薬品が混ざってます。そこでベーキングパウダーでもエアインチョコを作ったらどうなるのか試してみました。

中和剤が入ってる影響か、風味の点では一番元の味に近かったです。重曹版チョコより気持ちしっとり感があったのはベーキングパウダーに含まれるデンプンが糊化したせいかも知れません。

成分の性質上、水を加えた途端に発泡が始まるので溶液の作り置きは出来ません。重曹ざっくりチョコと全く同じタイミングで調理して、かなり手早く混ぜたつもりでしたが重曹と比べたときの生地の膨らみは弱かったです。

もっとも重曹液もチョコと混ぜる直前に溶液を作る必要があるんですけど、ベーキングパウダーの方が重曹よりだいぶタイミングがシビアでした。

成分的にチョコレートにおける発泡度を比較すると、ベーキングパウダーより重曹の方が向いてるようです。

重曹を丁寧に混ぜたバージョン

先ほども書いた通り、ベーキングパウダーはあっと言う間に反応が進んでしまうので対象外としました。

ざっくり混ぜたときのような味のむらはなく泡のキメも細かいです。ただし丁寧に混ぜるとそのぶん反応が進んでしまうので、発泡力も多少落ちるように感じました。

重曹が炭酸ガスを出す仕組み

以下、簡単にしくみの説明です。

重曹とは

重曹(2NaHCO3)とは、炭酸水素ナトリウム(たんさんすいそナトリウム sodium hydrogen carbonate)の別名です。

近年ではお掃除用途で見かけることが増えました。食用としては甘食やカルメ焼きなどのふくらし粉や、植物のあく抜きに使われます。

重曹の熱分解

重曹によって生地がふくれるのは、加熱すると炭酸ガスを出す性質によります。

2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2

加熱することで激しく反応しますが、常温で保管していても何となく分解されていきます。

次章のベーキングパウダーと合わせて使用期限が定められてるのはこのため。期限が切れた重曹は、掃除用に回してしまいましょう。

ベーキングパウダーとは

お菓子作りによく使われるふくらし粉の一種です。主成分はやはり重曹で、その反応を助けるための成分が色々と入っています。

単体の重曹をふくらし粉に使うと、反応生成物である炭酸ナトリウム(Na2CO3)によって独特の刺激臭が加わります。それを打ち消すための中和成分も入ってます。

食味があまり変わらないので多くのお菓子に使われます。

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まとめ

端的に言えば、エアインチョコ食いたかったらコンビニ行くのが正解でしょう。

…とは言え ご家庭実験としては楽しめる部類に入るので、試してみるのも一興ではないでしょうか。

個人的には「容器でチョコを融かして重曹溶液を足し、手早くしっかり混ぜてから加熱」がオススメです。

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重曹以外のレシピ

エアインチョコの作りかたには他にもいくつか方法があって、工業的には真空引きして発泡させるレシピもあるようです。

そこで簡単な排気装置を作ってみたものの、融かしたチョコのセッティングが難しかったので重曹方式に変えました。減圧できるとこまでは確認したんですけどね…。><