ひょんなことから小学生に「足かけ後ろ回り」の練習方法を聞かれました。
曰く
「担任の先生は足を大きく振った勢いが大事と言ってた」
「空中逆上がり(うしろ回り)ならできるのに、足かけ後ろ回りがうまくいかない」
…とのことです。
足を大きく振るのは決して間違いじゃないのですが、一番のインパクトになる力が「うしろ回り」と「足かけ後ろ回り」では逆向きになるんですよね。
ここを勘違いすると、なかなか効果が上がらない気がします。
足掛け後ろ回りと後ろ回りの違い
足掛け後ろ回りと後ろ回りでは、最初に足を大きく振り上げつつ背面に向かって倒れこむ点が似ています。
体重移動の有無
しかし実際やってみるとわかるのですが、回転体としてのリズムは両者でかなり異なります。回転軸が腰骨から膝の裏に移動するぶん、重心の軌跡が変わるためです。
具体的に言うと、うしろ回りは一周する間にそれほど大きな体重移動がありません。それに対して足掛けうしろ回りでは、体に対する鉄棒の位置が結構こまめに変わります。
慣れればそれほど複雑な動きではないのですが、うしろ回りに比べると足掛けのほうが「やるべきこと」が多いです。当然、難易度も上がります。
伸ばした足の蹴り上げが重要というウソ
あと、足掛け後ろ回りにおける良くある誤解が「伸ばした足の蹴り上げによって回転の力を稼いでいる」という話。
確かに足掛け後ろ回りが上手な人は、伸ばしたほうの足がダイナミックに良く動きます。
でも、これを何度も連続して行う「連続足掛け後ろ回り」について言えば、2周目以降の足はそれほど大きく動かない人が多いです。つまり足掛け後ろ回りの要素として、足の蹴り上げはそれほど重要な動作ではないと言える。
むしろ上半身と下半身の重さの違いによって生まれた揺らぎを消さないように、全身で振動周期に寄せてると言った方が正確でしょう。
まとめ
なかなか言葉では説明しにくいので模式図を作りました。割と頑張って作ったのでよろしかったら見てって。
で。
ことの成り行きとしては、地域イベントで顔見知りの子に捕まったのが発端です。
松飾り焼きに行ったら鉄棒やってた近所の小学生が空中逆上がり出来ないって言うから「上半身はそのまま、腕は支えるだけ、お腹押し付けて振り上げた足の勢いだけで回る。ムチを鉄棒に打ちつけてくるくるっと巻き上げるイメージ」って教えたら5分で出来るようになった。良いことをした。(●´ω`●)
— おち (@02320_ochi) 2017年1月14日
「足掛け後ろ回りができない」の枕詞として「(以前私に教わった)空中逆上がりは出来るようになったのに」を連発されたので、乗り掛かった舟として「空中逆上がりとは仕組みが違うんだよ」という話をしたのでした。
それにしても、これ大人がやる技じゃないですね。構造的に変な力がかかってるため、わずかな体重差が暴力的な負荷に化けるやつです。
涼しい顔して実演してみせたけど、めっちゃ足痛いわ。(´・_・`)
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