たびたびネットで色覚異常テストをやってるページを見かけます。
簡易チェックと心得て眼科へ行く動機付けに使うなら構わないと思うのですが、そのへんからパクってきた劣化画像を使っての確定診断なんて普通に考えたら無理ですよ。
「これが○○に見えたらこんな性格」「これが見えなかったら異常」みたいな断定口調の診断文に至っては医師法上の問題さえあるので気をつけましょう。気になる症状があればお医者さんに相談だ!( ・`д・´)
色覚異常検査表は印刷物である事が前提
色覚検査表として有名なものに石原式色覚異常検査表(通称:石原表)があります。この検査は印刷物を使って判定することが前提になっており、運用方法も一定となるように決められてます。
【Wikipedia 石原式色覚異常検査表のテストイメージ(PD)】
これをパソコンやスマホに表示させて色覚を判定することには大きく二つの問題があるでしょう。
検査表を見る距離や角度が厳密でない
一般的な視覚検査では、被験者は検査表を真っ直ぐ見なければなりません。そのときの距離も意味を持っています。そのため、スマホなど手元で検査表を表示して舐めるように眺めても正確な診断は出来ません。
紙とモニタでは発色の原理が違う
物体の色はシアン・マゼンダ・イエローによる減法混合、光の色は赤・緑・青による加法混合で成り立ってます。紙に印刷したものをスキャンしてモニタで表示しても完全な再現は出来ませんし、モニタごとの発色差もあります。
また、液晶モニタの場合は見る角度によっても発色が変わりますから斜めから見たときに判別できても無意味です。
以上のことから、ネットでのセルフチェックによる確定診断は避けるべきです。ただし冒頭でも書いた通り、医師に掛かるきっかけにはなるでしょう。全くの無意味だとは言わないけど、注意を要する事例だと思います。
微妙な色を見分けるコツ
私自身は色弱ではないのですが、右目と左目で見えてる色がかなり(主観)違います。
眼科医によると「全く問題ない範囲」らしいんですけど、一応画像を扱う仕事をしているので自分の判断が合ってるかどうかヒヤヒヤすることはありますね。
該当部分だけ抜き出す
左の図でAとBは同じ色なのですが、奥の円筒の陰になってることから心理補正が掛かり違う色に見えます。そういうときは周りを塗りつぶしたり 切り取るなりすると冷静に判断できるようになります。
目の端でチラ見する
光を感じる視細胞は、視界の中心部と周辺部では異なる反応を示します。
色は視野の中心で反応する錐体細胞で判定してますが、反応速度も感度もそれほど良くはありません。一方、視野の周辺部にある桿体細胞の方が明るさによらず反応速度も感度も高い。
そのため、大量にあるパネルの中から一枚だけ明度が違う色を抜き出すようなケースでは、凝視せずに視界の端で流し見した方がわかりやすいです。
一見すると最初と反対のことを言ってるように見えますよね。「色を判別するのだから中心視野で見るべき」と思いがちなんですけど、同じような色の中から一部の「むら」を探すようなときは周辺視野で明度チェックした方が早いんです。
おわりに
上に貼った緑パネルの画像は「看你有多色」という色当てゲームから引きました。たかがゲームなのにスコアが悪かったときのステータスが「瞎子:盲人」や「色盲」といった感じで「ちょっと酷いんじゃないの」って思ったのです。
この手のゲームは周辺視の使い方ではっきりスコアが変わります。つまりゲームの分類としてはモグラ叩きに近いもので、色覚はそれほど重要じゃないんですよ。しかもこれは明度の違いで判別するタイプですし、特にその要素が強いです。
コメントによるとハイスコアの人は色彩センスがある事になってるけど、一定スコア以上はデザイナーって言うより単なるゲーマーでしょう。スコアに一喜一憂する必要は無いんじゃないかなと思います。
\変態/
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