月面X(げつめんえっくす)

月面Xとは、月のクレーターと影によって月面に浮かび上がるX型の模様のことです。年に数回起きる現象でイベント感もたっぷり。新月から一週間くらい経った上弦月のころ見られます。

月面X(げつめんえっくす)

月面Xと呼ばれる、上弦月のころ月に浮かぶX型の模様を見た事があるでしょうか。

地上から見えるのは月に1度、日本から観察できるのは年に数回、一度に観察できるのは1~2時間程度とあって、ライブ感覚の観測が楽しい天文現象です。

月面X(げつめんえっくす)とは

月面Xを観測しよう

月面Xは、月面のある地方に「朝が来る」ことで起きる現象です。この数年で急に人気が出てきました。記録としては2004年にカナダで報告されたのが最初みたいですね。
【PDF】The Lunar X Files

海外ではLunar Xと呼ばれているようです。月面の地名であるヴェルナー(Werner)クレーターの近くで見られることから、「WernerX」という呼称もあるという話ですが、検索件数を見る限りでは「Lunar X」の方が通りが良さそうです。

月面Xと拡大図
2012/09/22 324mm f/5.9 1/60s ISO100 kuszapro 【CCO】

月面Xが観測出来る日

月面Xの観測可能日
2016 02/15 22時ごろ
04/14 23時ごろ
06/12 21時半ごろ
08/10 20時半ごろ
10/08 22時ごろ

過去の月面X

過去の月面X観測日
2015 01/28 00時半ごろ
05/26 01時ごろ
07/23 23時ごろ
09/20 23時半ごろ
12/18 18時ごろ
2014 04/07 18時ごろ
11/29 19時ごろ
2013 01/19 17時半ごろ
03/19 21時半ごろ
05/17 20時半ごろ
11/10 19時半ごろ

日付は 山田陽志郎氏のサイトを参照しました。
「月面X」

月面X楽しみ方あれこれ

月面Xは時間を追うごとに見え方がちょっとずつ変わります。一回見て終わりじゃなくて、月食のように刻々と変わる形の変化を楽しむのもおすすめ。宇宙の壮大さが感じられます。(´ω`*)

月面ファイヤー

現象の起き始めは『X』ではなく『火』という字に見えるので、この立ち上がりを「月面ファイヤー」などと呼ぶ人も一部にいます。

あとネット見てると「エーックス!」って言いながら飛ぶ人達もいるようです。(^^;

昼の月面X

月面Xは昼時間帯に観測出来ることもあります。

月面Xが見える時間帯に月が地平線に沈んでいたらどうしようもないのですが、タイミング次第では青空に浮かぶ白い月でも起こりえます。

天文ファンの間で月面Xそのものは浸透しつつありますが、昼の月面Xはあまり大々的にアナウンスされないので割と見逃しがちじゃないでしょうか。

私も、誰か熱心な人が狙って撮った写真が回ってきて「あー、今日がそうだったんだ-。」と思ったことが何度かあります。_(:3 」∠)_

下弦月の月面X

上弦の月だけでなく、下弦の月で観察するのも興味あります。影の差し方が多少変わりますが、下弦月でも出ることは出るみたいですよ。

こっちはやったことなかったんで今度探してみます。

その他の面白地形を探してみる

「月面X」を受けた「月面A」など、イベントのバラエティも見られるようになりました。他の変わった月面地形を探してみるのも楽しそうですね。

面白い形が見つかったら自分が発見者になれるかも知れませんよ。(・∀・)

月面X観測のススメ

月面X
2015/12/18 18:38 250mm f/5.6 1/200s ISO100 2枚合成

月面Xは観測可能な時間が1~2時間に集中することに加え、上弦月の特性から宵の早いうちに起きる現象なので非常にイベント感があります。

特にSNSを活用すると見忘れることも減りますし、みんなで盛り上がれるのでとてもおすすめ。私もTwitter見て慌てて「あー、今日か!」みたいな感じで撮りました。

肉眼での観測は難しいですけど、カメラや双眼鏡などを活用すれば十分観測出来るんじゃないでしょうか。

TOCOL スマホ天体望遠鏡PANDA(カートン組立式)

ちなみに冒頭のイラストは2013/03/19に起きた月面Xの時の絵です。ガスってて写真潰れまくってるけど一応月面Xは見ました。

当時パンスターズ彗星(C/2011 L4 PANSTARRS)の追っかけをやってたんですけど、今もカタリナ彗星(C/2013 US10 CATALINA)の撮影を狙ってて、奇遇だなーと思ったので流用してみました。
2013年03月の天体観測イラスト日誌