毎月同じように見える満月ですが、諸条件によって色々と名前がついてます。
それぞれ占い起源の概念だったり、何となく呼ばれるようになったものだったりするので、天文学的にそれほど大きな意味はありません。
でも空を眺める理由になるなら別に何でも良いじゃない?
満月や新月の分類定義いろいろ
- スーパームーン
- 月軌道における近地点の周辺で起こる満月【S】
- スーパームーンのうち近地点の1時間以内に起こる満月【ExS】
- ミニマムーン(マイクロムーン)
- 月軌道における遠地点の周辺で起こる満月【Min】
- ブルームーン
- 二分二至に満月が4回起こるときの3回目【B3】
- ひと月に満月が2回あること【B2】
- ブラックムーン
- ひと月に新月が2回あること【Bl2】
- 二分二至に新月が4回起こるときの3回目【Bl3】
- ひと月のうち満月の日がないこと【BlN】
- ひと月のうち新月の日がないこと【Bl0】
…ということで2020年までの満月イベントを種類別にまとめてみました。
【2015-07-30 一覧画像追加しました】
【2015-09-28 訂正:2015-09月の満月は「普通のスーパームーン」です】
※未来の予定に関しては、その年にならないと正確な値が解らないので参考まで
スーパームーン(最大満月)
近年すっかり定着した「大きなお月さま」。月が地球に一番近い地点(の周辺)で太陽と直列し、見かけの直径が最大になることを言います。
特に近地点から前後1時間で満月の瞬間を迎える場合はエクストリーム・スーパームーンと呼ばれることも。
エクストリーム・スーパームーンが起こる年は「前後の満月も24時間以内に近地点を迎える」条件が整うので、三ヶ月連続スーパームーンです。2回以上起きるときは、最も大きいときをスーパームーンとする人達もいるようです。
2010年から2020年までのスーパームーンカレンダー
2010年から2020年までのスーパームーンをまとめました。最大満月とは、その年のうち最も近地点の近傍で起こる満月です。エクストリーム・スーパームーンは ExS としました。
- 2010年のスーパームーン
- 2010-01-30 最大満月
- 2010-02-28
- 2011年のスーパームーン
- 2011-02-18
- 2011-03-19 最大満月 ExS
- 2011-04-18
- 2012年のスーパームーン
- 2012-04-06
- 2012-05-06 最大満月 ExS
- 2012-06-03
- 2013年のスーパームーン
- 2013-05-25
- 2013-06-23 最大満月 ExS
- 2013-07-22
- 2014年のスーパームーン
- 2014-07-13
- 2014-08-10 最大満月 ExS
- 2014-09-09
- 2015年のスーパームーン
- 2015-08-29
- 2015-09-28 最大満月
- 2015-10-27
- 2016年のスーパームーン
- 2016-10-16
- 2016-11-14 最大満月
- 2017年のスーパームーン
- 2017-12-04 最大満月
- 2018年のスーパームーン
- 2018-01-02 最大満月
- 2019年のスーパームーン
- 2019-01-21
- 2019-02-19 最大満月
- 2020年のスーパームーン
- 2020-03-09
- 2020-04-08 最大満月
※ 日付はUTC基準のため、日本時間だと日付がずれることがあります。
※ 2015年9月28日は公開当時ExSとしてましたが、条件に5分満たないので「最大満月かつ普通のスーパームーン」に変更しました
スーパームーンの注意点
スーパームーン写真として出回る、建物を飲み込むほどの大きな月は、ほとんどCGです。アートとして素敵なものは多いけど、天体写真としてはアウトなので区別しましょう。
良く言われるけど月の見かけサイズは「腕を最大に伸ばした先に持った5円玉の穴」とほぼ同じ大きさです。心理補正が掛かって大きく見えるかも知れませんが、幾らスーパームーンでも普段の月と比べたら一回り違う程度です。コンデジやスマホで何の工夫もしないで撮るとびっくりするくらい小さく写るのですから、驚くほど大きく写ってる写真は合成だと思った方が良いです。
なお、冒頭に挙げた定義だと新月もスーパームーンに含まれるのですが、満月のほうが判りやすいので本稿でも満月に限ってカウントしました。

ミニマムーン(最小満月 / マイクロムーン)
スーパームーンとは逆に、遠地点の近傍で起こる満月です。最小満月やマイクロムーンと呼ばれることも。スーパームーンと比べて見かけサイズが面積比で3割ほど小さくなります。直径比だと14%減。
角速度保存則の影響で、マイクロムーンは3ヶ月連続発生とはならないようです。
2010年から2020年までのミニマムーンカレンダー
2010年から2020年までのミニマムーンをまとめました。その年のうち最も見かけサイズが小さくなる満月です。目安としてはスーパームーンと半年周期になってると思って下さい。
- 2010年の最小満月
- 2010-08-24 ミニマムーン
- 2011年の最小満月
- 2011-10-12 ミニマムーン
- 2012年の最小満月
- 2012-11-28 ミニマムーン
- 2013年の最小満月
- 2013-12-17
- 2014年の最小満月
- 2014-01-16 ミニマムーン
- 2015年の最小満月
- 2015-03-05 ミニマムーン
- 2016年の最小満月
- 2016-04-22 ミニマムーン
- 2017年の最小満月
- 2017-06-09 ミニマムーン
- 2018年の最小満月
- 2018-07-27 ミニマムーン
- 2019年の最小満月
- 2019-09-14 ミニマムーン
- 2020年の最小満月
- 2020-10-31 ミニマムーン
ミニマムーンの記載がない年は、遠地点から24時間以内に満月を迎える瞬間がないことを示しています。また、日付はUTC基準のため日本時間だと日付がずれることがあります。
ブルームーン
英語で「極めて稀なこと」をあらわすブルームーン、星空観測的には二つの意味があります。
二分二至というのは『春分/夏至/秋分/冬至』で区切られた3ヶ月間のこと。それの3回目というのが少し判りにくい表現ですが、考え方としては陰暦で考えたときの閏月と近いです。
2010年から2020年までのブルームーンカレンダー
2010年から2020年までのブルームーンをそれぞれまとめました。ひと月に2回タイプの満月は、日付変更の都合で多少区切りが変わります。(タイムゾーンによっては2010年の1月&3月もカウントできそう。)
- 2010年のブルームーン
- 2010-11-21 二分二至タイプ
- 2012年のブルームーン
- 2012-08 ひと月に2回タイプ
- 2013年のブルームーン
- 2013-08-21 二分二至タイプ
- 2015年のブルームーン
- 2015-07 ひと月に2回タイプ
- 2016年のブルームーン
- 2016-05-21 二分二至タイプ
- 2018年のブルームーン
- 2018-01 ひと月に2回タイプ
- 2018-03 ひと月に2回タイプ
- 2019年のブルームーン
- 2019-02-19 二分二至タイプ(アメリカ農業暦)
- 2019-05-18 二分二至タイプ(天文歴)
- 2020年のブルームーン
- 2020-10 ひと月に2回タイプ
※2019年は春分の日が満月なので、日付ベースでは2月と5月が該当します。ただし天文学的な二分二至の瞬間に当てはめると(おそらく)5月になるでしょう。
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光る! 星座板 星・月の動き |
ブラックムーン
ここまでずっと満月で話をしてきましたが、ちょっと脱線して新月の話も書いておきます。ブラックムーンはブルームーンとほぼ対の概念です。
新月ベースなので少し地味なのですが、陰暦だと新月は「月の始まり」という強い意味があります。
【ブラックムーンが起きる条件】
1:一ヶ月のうちに新月2回 → 二月以外
2:二分二至に新月4回 → 2・5・8・11月の20日前後
3:満月のない月 → 閏年じゃない二月
4:新月のない月 → 閏年じゃない二月
2010年から2020年までのブラックムーンカレンダー
2010年から2020年までのブラックムーンをまとめました。気付いた順に入れてるので、多分抜けがたくさんあると思います。
- 2011年のブラックムーン
- 2011-07 ひと月に2回タイプ
- 2014年のブラックムーン
- 2014-01 ひと月に2回タイプ
- 2014-02 新月がないタイプ
- 2014-03 ひと月に2回タイプ
- 2015年のブラックムーン
- 2015-02 二分二至タイプ
- 2016年のブラックムーン
- 2016-10 ひと月に2回タイプ
- 2018年のブラックムーン
- 2018-02 満月がないタイプ
- 2019年のブラックムーン
- 2019-08 ひと月に2回タイプ
おわりに
日付調査に当たっては以下のデータを参考にしました。
月軌道データ:誠文堂新光社刊 天文年鑑
遠近地点計算:【Lunar Perigee and Apogee Calculator】
…というわけで皆さん月を見ましょう。(´∀`*)
コメントをどうぞ(´ω`*)