総務省が毎年行っている家計調査のデータが
日経サイトにて扱いやすい形で公開されたというので見に行ってみました。
これは魚介・果物・飲料など12ジャンル・200以上にもわたる項目の支出額が
都道府県別(厳密に言うと県庁所在地)に塗り分けられたうえ
それぞれ独立した8年分のデータが見られるという優れものです。
オープンデータで「食の日本地図」 家計調査(2005 – 2012年)
オープンデータで「食の日本地図」 家計調査(2005 – 2012年)
この調査、適当に色んな項目を表示してみるだけでもかなり楽しめるんですが
カステラだの、ギョウザだの、うどん※1だの、
地域の代名詞になってるような食材を選ぶと安定感抜群の結果に感動すら覚えます。
個人的に驚いたのは、『いちばん鰹節にお金掛けてるのが沖縄』だったことですけどね。
意外と盛り上がる「その他」クイズ
各ジャンルには、しばしば分類不能な品目をまとめた
「他の~」という項目があるのですが、これが何であるか考えるのも結構楽しい。
2~3人で眺めてるとちょっとしたクイズ大会になりますよん。
例えば静岡で良く消費されてる「他の魚肉練製品」は「はんぺん」で、
熊本の「他の生鮮肉」は馬肉で、山形の「他の果物」はさくらんぼで、
高知の「他の柑橘類」は「ユズ」かな※2、とか思うと
ないがしろにされがちな「その他」の項目にも血が通う気がします。
夏休みの宿題にでも如何かに
昨今は「調べ学習」を図書館じゃなくてネットでやるそうですけど
こういうので推移見てまとめるのも良さそうです。
もっとも、総務省のページに行けばExcelの生データがあるので
一覧するだけならそちらを使った方が便利かも知れませんけど※3
グラフィカルだからこそ見える部分は大事にしたいところ。
例えばお米なんかは特定地域内でそれほど消費量が変わらないように思えますが
意外と地域ごとに年次変動があるようです。
じゃぁ都道府県別の農家比率とその年の作況指数を見て…ってやったら
結構面白い真相が出てくるかも知れません(し、何も出てこないかも知れません)よ。
もしこのテーマで研究しようという感心なおともだちは
是非ワタクシの名を謝辞に入れて頂けますよう※4よろしくお願い申し上げます。
まぁ、ともあれ沢山の属性がついたデータ集って、ほんと見てて飽きません。
ページ内に紹介されてる連動記事も興味深い内容でオススメ。(^^
おまけ:統計情報にご用心
さて。
とっても楽しい統計データをより安心して楽しむために、ほんの少しだけ忠告があります。
全ての統計調査は、どのようにして集められた情報なのか
調査背景を確認する癖を付けましょう。
ここで公開されてるデータは県庁所在地のみの集計だそうですから
面積が広い地域など かなり行動様式にバイアスがかかってる可能性がありますね。
また世帯における金額ベースですので
一人暮らしの多い地域と同居率の高い地域では
贅沢品などの傾向にばらつきが出ることも考えられます。
それと対象は一人世帯から(学生は除外)となってますが、
調査項目が500項にもわたる内容ですので、これを丁寧に回答出来る人は
ある時間的・心理的に余裕ある世帯に限られると考えるべきでしょう。
まぁ一人暮らしだとなかなか手が回らないと思います。
実際に総務省の生データを見に行くとサンプル世帯2桁はザラみたいですし。
…というところを差し引いても大変興味深いデータであることは事実です。
是非是非ご自分の目でご確認くださいませなんですよ~。(^^ (^^ (^^ (^^
【脚注】
※1 生うどんの消費は香川(讃岐)で乾うどんは秋田(稲庭)。
ちなみに香川は外食のうどんも一番多くて、その反動か米の消費がすごく少ない。
※2 そういえば酒飲みはぽん酢が好きだそうですね。私も食酢がんがん飲みます。
参照→ 酢を昼間から飲んでいた酒豪のクラスメートの謎がようやく解けた
※3 お役所Excelの例に漏れず
全然表計算してくれない設計なので実際の使い勝手は保証しません
※4 参照→ Colorless Green Ideas:注文の多い料理店―院生編
【備考】
なんで口うるさい注釈を付けてまでこのサイトをご紹介したかというと、
2007年を境にした新潟や2011年を境にした東北に、思うところがあったから。
無機質な数字の向こうに透けているのは、幾千の人達の営みなんですよね。
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