「女性向け科学コンテンツ」に需要なんてあるわけがない

女性向けコンテンツがダサピンクに終始して科学や政治の話題が成立しない理由を考えました。実際、女性誌はコスメの話をしてれば良いと思います。

「女性向け科学コンテンツ」に需要なんてあるわけがない

ジェンダー論は個人の立ち位置の差が大きく、話が噛み合わないことが多いので普段あまり話題にしないのですが、ちょっと気になったのでメモしておきます。

事の発端は「はてなの女性向けWEBサイトがいかにも女性向けコンテンツで辟易した」という話でした。「なぜ女向けのコンテンツとしてサイエンスや政治を扱わないのか」という内容です。

女性向けコンテンツとダサピンク問題

話題となったブログ記事はこれ。「女にはパステルカラーのゆるふわコンテンツを与えておけば良い」いわゆるダサピンク問題です。

なぜ多くの女性向けのウェブサイトって、食べ物、美容、旅行、ファッション、みたいなトピックばかりが並んで、政治、経済、サイエンス、などの話題が取り扱われないのでしょうか。
http://yomcka.hatenadiary.jp/entry/2014/12/10/070159 はてなの女性向けブックマークページが好きになれない – よもちかブログ

私もいわゆる「女性向けコンテンツ」が好きじゃないので、気持ちは良く判ります。しかし「女性向けの政治・経済・サイエンスを」というのもまた悪手でしょう。

そもそも女性向けの科学コンテンツって一体何なの?って話ですよね。

女性向けを強調すると男性読者を失う

たとえば女性向け科学コンテンツとして『頑固な汚れのイオン化傾向』とか『煮物と浸透圧と熱力学』みたいな記事を考えます。

ライター次第で面白い記事になる可能性が十分にあるけど、女性誌の表紙にこの見出しが大きく躍って飛びつく人がいるとは思えません。そして、最初から女性向けと門戸を狭めたことで潜在的にリーチし得た男性読者を失うでしょうし。

マーケティングとしてこの戦略は完全に失敗してるように見えます。あと、一般的な家事労働を女性向けコンテンツとして固定的に扱うのも問題ありますね。

女性限定の科学コンテンツとは

潜在的な男性読者を惜しむのであれば、いっそのこと男性おことわりのトピックスとして完全女性向けの記事を考えたらどうでしょうか。

  • 新作コスメの成分表
  • 生理痛の科学
  • ボディメイクの科学
  • 異性を惹きつける科学
  • 妊娠・出産の科学
  • 更年期の科学

うーん。

デリケートな問題だし、科学的な正しさを保ったまま気軽な読み物にするのすごく難しそうです。中途半端な人に書かせたらスピリチュアル成分たっぷりで嫌な予感しかしません。

あとは少女誌に『リケジョの実態』みたいな実録ものを載せるとかですかね…。

Q:同じ学部に取り巻きの男子を侍らせてる女王みたいな子がいるので波風立てずに距離を置きたいです。
 
Q:山間部のフィールドワークでトイレがない時どうしてますか?

…みたいな。あー、これはちょっと読みたいかも知れない。(^^;

いずれにせよ、女性向けに限定するとそんなにバラエティ出ない気がします。

コンテンツと性別

仕事でも趣味でも、世のなか必要以上に性別を気にしすぎだと思ってます。

新聞やニュースの見出しには「女だてらにパイロット・エンジニア・物理学者」「男のくせに看護師・保育士・レジ打ち」みたいな見出しが毎日踊ってます。本人の適正に合ってるなら両方いたほうが良いと思うのですが?

もちろん男女比が偏った分野で是正すべき社会問題は沢山あります。

ただ、本当に本人の特性だけを考えたときに性別に深く依存する話題って意外と少ないです。せいぜい恋愛(出産も含む)とスポーツくらい。

それ以外の分野で性差と個体差を切り分けるのは実のところ意外と困難です。外見さえ、髪型と体型隠して顔だけで性別を分けようと思ったら存外難しいのに。

特に、ビジネスマンとして私生活を切り離したとき性別を問われる必要はほとんどないはずです。でも実際はたくさんある。コンテンツを性別で振り分けるときの違和感はこの感覚に近いです。

男女別のジャンルは恋愛コンテンツ中心

実際、わかりやすい男性誌と女性誌の見出しを拾えばデートとファッションの話に終始するのです。

男性向けの話題と女性向けの話題

「異性のハンティング作法」と「同性間におけるマウンティング作法」に言い換えても構いません。恋の駆け引きテクニックと同性叩きがテーマなんだから異性に見せられるはずがない。

同時に、パワーゲームに興味ない人は性別ターゲットされたコンテンツが苦手なはずです。

中性コンテンツを増やそう

じゃぁ、本来なら中性的に扱っていいはずのコンテンツは積極的に男性向けコンテンツから中性に引っ張ってくれば良い。そもそも学制も選挙権も同権なのに政治やサイエンスが男性向けに振り分けられてるのがおかしいんです。女性版を作るんじゃなくてニュートラルに戻す。

それでターゲットが定まらなくなるならライトユーザとヘビーユーザに分けたら良いです。

「グローバルで難しいのを男性向け」「ドメスティックで簡単なのを女性向け」って分けるからおかしくなるのであって、単純に購読レベルで分ければシンプルになるのに。

そこで「今さら聞けない科学ニュースななめ読み」とか『簡単ピカピカ!大掃除の科学で年末を乗り切ろう!』って書けば普通に読みたい人いると思うんですよ。

男女分けないコンテンツの効能

性別気にせず読める雑誌に洗剤の使い分けテクニックが載ってたら「たまにはやってみるかな」と思う男性だっているわけで、女性陣がガミガミ言うよりそっちのほうが効くと思うのです。『失敗しない半熟玉子の作りかた』でも何だって良いですよ。科学が男性誌や女性誌に特化する必要なんてない。

「理工学とジェンダー」の問題は家庭環境や職場待遇とか一筋縄じゃ行かないの痛いほど知ってます。でも、科学そのものに性別マーカー要らないです。もっと無性別を許容して欲しい。

別に性別を捨てろと言ってるんじゃないです。男と女として出会うんじゃなく、友人から始まるコミュニティの楽しさを知って欲しいだけ。

【 更新履歴等 】

2014/12/10 初稿発表
2015/11/16 リンク先消えたので修正しました