Trick or Treat と伝説の軒ビーム

Trick or Treatを執拗に再帰翻訳してみた記録です。

Trick or Treat と伝説の軒ビーム

Trick or treat !!

ハロウィンということで、「変装」にちなんで再帰的な言葉遊びをしてみた記録です。

Google翻訳、excite翻訳、Yahoo!翻訳と、サービスによって訳文の傾向がかなり違うものですね。

再帰翻訳と「軒ビーム」

再帰翻訳とは、特定の例文を別の言語に機械翻訳させて出てきた訳文を再び同じ翻訳アルゴリズムに放り込むことを言います。

これだけだと何を言ってるのか判らないと思うので、「ある例文」をこのルールにしたがって訳してみましょう。

  • We every day every day becomes N unpleasant and burned on the iron plate
  • 私たちは毎日毎日、N不快になり、鉄板上で焼か
  • Every day we every day , becomes the N unpleasant , baked on a griddle
  • 毎日、私たち毎日は、鉄板で焼き、 N不快になります

もとの例文がおわかり頂けたでしょうか。

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この行為は通称「軒ビーム」と呼ばれ、世紀末の日本において大いに流行しました。

俗に「頭山」とも呼ばれる類のアルゴリズムです。本稿は、これにならってハロウィン版・軒ビームをしてみようという試みです。

Sorekika 【第326回 軒ビーム】

Google翻訳で再帰翻訳してみた

まずは独特の訳文に定評がある[誰に?]Google翻訳から試してみました。

Google翻訳で「Trick or Treat!」を再帰翻訳する

ハロウィンの代名詞とも言える「Trick or Treat!」を放り込んでみた翻訳結果がこちらです。

  • Trick or Treat!
  • トリック?オア?トリート!
  • Trick or Treat!

少々怪しい言葉になったものの、再翻訳で最初と同じ文に戻って来ました。素晴らしいですね。いずれにせよ完全なループ状態にあるので、永遠に同じ訳文が得られます

Google翻訳で「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ」を再帰翻訳する

では次に「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ」を変換するとどうなるでしょう。

  • お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ
  • I’m going to mischief if you do not give me candy
  • あなたが私にお菓子を与えていない場合、私はいたずらに行くよ!
  • If you do not give the candy to me, I’ll go in vain!
  • あなたが私にお菓子を与えていない場合、私は無駄に行くよ!
  • If you do not give the candy to me, I’m going to waste!
  • あなたが私にお菓子を与えていないならば、私は無駄にするつもりだ!

Oh…。絶妙な変化を抱え込みながら次第に原形から遠ざかっていきましたね。

exite!翻訳で再帰翻訳してみた

今度はちょっと固めの印象があるexite!翻訳でも試してみましょう。

>exite!翻訳で「Trick or treat」を再帰翻訳する

  • Trick or treat
  • トリック・オア・トリート
  • Trick Orr Treat
  • 策略オアもてなし
  • Artifice Orr reception
  • 技巧オアの受理
  • Art Orr’s acceptance
  • 芸術オアの受理

単文なので文法的なおかしさはそれほどありませんが、策略 → 技巧 → 芸術 の変遷がジワジワきますね…。

exite!翻訳で「いたずらかお菓子か!」を再帰翻訳する

和文英訳はどうでしょう。

  • いたずらかお菓子か!
  • Are they a mischief or sweets?
  • それらは害または甘い物ですか。
  • Are they damage or a sweet thing?
  • それらは損傷あるいは甘いものですか。
  • they are damages — or it will not be sweet.
  • それらは破損です — あるいは、それは甘くないでしょう。
  • Probably, — they are [ — ] breakage, or it will not be sweet.
  • 恐らく(それらはそうです[)、]破損、あるいは、それは甘くないでしょう。
  • Probably,] breakage or it will not be sweet (them that’s right [).
  • 恐らく、]破損またはそれは甘く(それら、それは正しい[)である)なりません。

恐らく…というより明らかに終わってますね。

exite!翻訳で「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ」を再帰翻訳する

別の文章でも試してしました。

  • お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ
  • なきゃ イタズラ of the sweets will be given and carried out.
  • 甘い物のなきゃイタズラは与えられ実行されるでしょう。
  • なきゃ イタズラ of a sweet thing will be given and performed.
  • 甘いもののなきゃイタズラは与えられ行なわれるだろう。
  • なきゃ イタズラ of a sweet thing will be given and will be performed.
  • 甘いもののなきゃイタズラは与えられ行なわれるでしょう。

もはや和文英訳ですらないし。

Yahoo!翻訳で再帰翻訳してみた

更に訳文が固い印象のYahoo!ではどうでしょうか?

Yahoo!翻訳で「Trick or treat」を再帰翻訳する

まずは英文和訳から始めます。

  • Trick or treat
  • お菓子をねだりながら近所を回ること

…ん?それは「翻訳」じゃなくて「説明」なのでは?

まぁ、構わず続けることにしましょう。

  • Trick or treat
  • お菓子をねだりながら近所を回ること
  • Go around the neighborhood while asking for a cake
  • ケーキを求めている間、近所を回ってください
  • While you buy a cake, please go around the neighborhood
  • あなたがケーキを買う間、近所を回ってください

おっと、来ました。まさかの主語逆転現象です。

Yahoo!翻訳で「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ」を再帰翻訳する

今度は和文英訳をしてみましょう。

  • お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ
  • I go into mischief if I do not give a cake
  • ケーキを与えないならば、私はいたずらを始めます
  • I begin mischief if I do not give a cake
  • ケーキを与えないならば、私は茶目っ気を開始します
  • I start playfulness if I do not give a cake
  • ケーキを与えないならば、私は陽気さを始めます
  • I begin cheer if I do not give a cake
  • ケーキを与えないならば、私は元気を開始します
  • I start spirit if I do not give a cake
  • ケーキを与えないならば、私は勇気を始めます

いたずらカボチャの中身は国民的ヒーローのあの方だったようですね。

グダグダに終わるかと思った割には意外なところに着地したので、このまま失礼したいと思います。

「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ!」
「それより僕の顔をお食べよ!」

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※ 各種翻訳サイトは内部エンジンの変更等で時々翻訳傾向が変わります。

【 関連記事 】

ハロウィン『お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ』って文法変じゃない?

「Trick or treat」の or は「さもなくば、の or 」

【 更新履歴等 】

2013-10-31 初稿発表
2015-10-02 旧題:とりっかとりー!!街に死霊があふれる今宵 君に届けよ軒ビーム