6月2日「ぐうたら感謝の日」とは、漫画『ドラえもん』において のび太が思いつきで制定する国民の祝日です。
6月に祝日がないことを悲観したのび太が、ドラえもんのひみつ道具『日本標準カレンダー』を使って「誰も働いてはいけない日」を定めました。
いざ「ぐうたら感謝の日」が始まると、皆が仕事を拒否して様々な問題が勃発。困ったのび太はいつものパターンで主張を撤回します。
でも「ぐうたら感謝の日」ってすごく良い話だと思うんですよね。真面目に制定したらいいのでは。
※ 以下、大いなるネタバレあります。
「日本標準カレンダー」と「ぐうたら感謝の日」
「ぐうたら感謝の日」が、6月に休日を設ける目的で制定されたことは既に述べました。
その後、ドラえもんから休日の名目を聞かれた のび太は「勤労感謝の日があるんだから、ぐうたら感謝の日とでもするか」と答えます。その翌日、全ての国民は働くことを禁止されました。
当初はダラダラと楽しく過ごしていた野比家ですが、全ての国民が労働を放棄したことにより社会機能は当然ストップ。それに困ったのび太が最終的にカレンダーを元に戻すという筋書きです。
しかし、最初の経緯を思い出しましょう。「ぐうたら感謝の日」とは、「勤労感謝の日」と対になる祝日なのです。
勤労感謝の日と新嘗祭
国民の祝日に関する法律(=祝日法)によると、勤労感謝の日は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを目的としています。
戦後に祝日が改定されるまで、この日は秋の豊穣に感謝する新嘗祭でありました。つまり、成果に向けてコツコツ働く毎日をねぎらう側面があるでしょう。
…とは言うものの、多様化した現代社会で国民全員が一斉に休みを取ることは難しいのです。祝日だろうと盆暮れだろうと休めない層も相当いるのが現状です。
「ぐうたら感謝の日」の本質とは
「ぐうたら感謝の日」をあくまで「勤労感謝の日と対の祝日」と考えると、本質的な過ごし方が見えてくるような気がします。
勤労感謝の日が労働の生産性を祝う日であれば、ぐうたら行為だって前向きに評価しなければなりません。
また、ぐうたら感謝の日は「認められた休日」ではなく「法によって労働が禁止された日」です。何らかの理由で「ぐうたら感謝の日」に働かざるを得ない人は、禁忌に背く犯罪者ということになるでしょう。
ここで、作中に登場するテレビが重要なキーになっています。あらゆる人が休みを取る中、なぜかテレビは動いてます。録画番組の自動化によって無人放送を実現しているというのです。
すなわち「ぐうたら感謝の日」を迎える国民は、一日遊んでても滞りなく過ごせるだけの準備を整えておく必要があります。正月前に年末進行があるように、暮れにおせちを作りためるように、この世界観では「ぐうたらの日進行」が存在するはずなのです。
これらの状況から察するに、「ぐうたら感謝の日」とは単に怠惰を奨励するものではありません。真の「ぐうたら」とは、仕事の効率化によって生み出される休息を意味するはずなのです。もっと言えばサービス残業の対極にある。
「ぐうたら」出来る人、めっちゃ有能じゃないですか…。みんなも作業効率あげて定時に帰ろう?(´・_・`)
ドラえもん (14) 藤子F不二雄 |
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