ケーキといえば作りたてが身上ですが、このブランデーケーキは仕込みからお出しするまでに半年かかるレシピです。
ラム酒とブランデーを1リットル近く たっぷり使う大人の味。…っていうか、薄切りにしても普通に酔います。子供厳禁。
手間はそれほどかからないのですが、とにかく時間がかかります。しかし砂糖な左党には至福のおいしさ。
本場では晩夏から秋口に仕込むとのことで、私はクリスマスケーキとして作ってます。…とは言え、真の食べごろはバレンタインデーくらいかな。
遅めのティータイムに、少し濃い目の紅茶が似合うケーキですね。(´ω`*)
半年かかるブランデーケーキ制作の流れ
このブランデーケーキ、大まかに言って製造過程が3つのパートに分かれます。
出来上がったばかりのブランデーケーキはアルコール分が強すぎる&それぞれの素材が自己主張して一体感がありません。正直そんなにおいしくないです。
しばらく寝かせておくと適度に全体が乳化して、混然一体とした風味が出ます。
ただし冷蔵庫に出したり入れたりを繰り返すとカビる危険があるので、春が来るまでに食べきっちゃいましょう。いろいろ面倒くさいけど美味しいんだよね。
漬け込みフルーツを仕込む
まずは漬け込みフルーツを用意します。高温多湿が落ち着いた晩夏から初秋が仕込みの適期です。
漬け込みフルーツ材料
大きめのパウンド型1台分を焼くのにカップ1杯分くらいのドライフルーツが必要です。18㎝型で2台焼いたほうが切り分けるときに楽かも。
この段階での分量はかなりアバウトで大丈夫です。
あとドライフルーツを戻すための水分としてラム酒を用意します。
ドライフルーツの種類は何でも構いません。いくつか混ぜると味に深みが出ます。参考までに、今回用意したドライフルーツは以下の通りです。
レーズンは赤皮品種でも白皮品種でもいいんですけど、私は白皮品種のレーズンをよく使います。きび糖みたいなすっきりした甘さが特徴です。
ほおずき、国によっては普通に食べます。観賞用に育てたものを食べてたって人がいるかもしれませんね。ナス科特有のえぐみもありますが、近年ではフルーツ用の品種も増えてきました。
ドライデーツというのはナツメヤシの実を乾燥させたもの。ボンタンアメと黒糖を混ぜたような、ねっとりと濃厚な甘さが癖になるおいしさ。
身近なところでは、オタフクお好みソースの甘さがデーツ由来でしょうか。輸入食材店に行くと割よく見かけます。
ドライデーツ |
なんのかんの色々書きましたが、リストアップしたものにこだわる必要は全然ないです。手に入りやすいドライフルーツを使ってください。
漬け込みフルーツ下漬け
まず、ドライフルーツを酒で戻します。
用意したドライフルーツを8㎜角くらいに切って保存瓶に入れ、全体がかぶるくらいのラム酒を注ぎます。この工程はドライフルーツをふっくらさせるための いわゆる捨て漬けにあたります。従ってそれほど上質のラムでなくても構いません。
冷暗所で一週間ほど酒を吸わせ、吸いきれずに残ったラム酒は捨てちゃいます。ラムを捨てるなんて もったいないと思ったら、カレーなど煮込み料理の隠し味に使うとコクが出ます。
ドライフルーツの「くどさ」がダメって人は、乾燥防止にまぶしてる油の酸化臭が気になるのかも。ラム漬けする前にざっと湯通しすると上品な味になりますよ。
漬け込みフルーツ本漬け
ラム酒で戻したドライフルーツの水分を切ってブランデーで本漬けします。フルーツ全量がつかる程度のブランデーに替え、再び冷蔵庫などで一か月ほど寝かせてください。
このとき、リンゴのバター炒めを混ぜるとさらにリッチな仕上がりになります。出来たら紅玉など料理向けの品種を使うと味が寝ぼけません。
面倒ならリンゴのピュレで代用しても。
リンゴ ピロール |
ここで使うブランデーは仕上がりの風味に影響します。最上級である必要はないのですが、そのまま普通に飲めるクラスのブランデーを使うのがおすすめ。香りに奥行きが出ます。
ケーキを焼く
1か月以上かけて仕込んだ漬け込みフルーツを、いよいよケーキとして焼き上げます。クリスマスにお披露目するには、この作業を遅くとも11月までに済ませてください。
とりま・まとめ
食べたいと思ってもなかなか扱ってる店がない&お店で食べると結構取られるケーキなんですが、自分で焼けば食べ放題やで…。
もっとも香りと甘みの洪水みたいな味なので、一度にたくさん食べるようなお菓子じゃないんですけど。年末くらいから大事に大事に切り分けて、熟成の過程も楽しめるケーキです。
ちなみに、この話を書いてるのが10月半ばであります。要するにまだケーキ焼いてません。来月になったら続き書きます!(・∀・)/
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