しいたけが毒!?薬効成分の大量摂取で震えが止まらなくなった話

干しシイタケを大量に食べて倒れた流れで椎茸の薬効が気になったので調べてみました。椎茸に特有のエリタデニンという栄養素がコレステロールを下げるようです。

しいたけが毒!?薬効成分の大量摂取で震えが止まらなくなった話

10月15日は「きのこの日」なんだそうですね。昔しいたけスライスを大量に食べて散々な目に遭ったことを思い出しました。

よく「シイタケで免疫力アップ!癌に効く!いくら食べても副作用なし!」とか無邪気に書いてる人がいるけど、何事も食べ過ぎはよくないと思います!( ・`д・´)

なお、本稿にはシイタケをおとしめる意図は一切ありません。節度を守って楽しいキノコ生活を~。

しいたけの薬効

椎茸は漢方薬だと香蕈(こうしん)と言って、薬膳では風邪や高血圧に効くのだそうです。

高分子の多糖類β-グルカンが免疫系に効果があるとかなんとか言いますね。Wikipedia見ると独自研究タグいっぱいついててめっちゃウケる。(´ω`*)

エリタデニン

あとほぼ椎茸に特有のエリタデニンという物質がコレステロールに効くそうです。でも検索してもあんまりアカデミックなページが出てこないので「えっ、これ本当に実在する物質なの!?」って思ったけど、しつこく探したらちょっとだけ出てきました。実在確認、よかった!

物質名
D-Eritadenine
CAS 番号
23918-98-1
分子量
253.21
分子式
C9H11N5O4

検索結果に出てきた論文の数々あんまり引用されてないみたいだけど、おちさん素人だから全然気になりませんよ!(・∀・)

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椎茸を大量摂取して倒れた体験談

…ということで、シイタケを大量に食べて倒れた話をします。

干しシイタケと私

小学校2~3年の頃だったろうか。学校から帰宅して小腹が減った私は台所をそぞろ物色していた。

生家は母の趣向でジャンクフードが禁じられていて、お菓子の買い置きなどは一切なかった。そこで、お茶漬けでも作ろうかと具材を探すことにした。

そんなとき目に飛び込んできたのが乾物棚の椎茸スライスだ。

乾物の椎茸スライスがスナック感覚でめちゃウマ

何気なく一枚取り出してかじってみた。軽い歯ごたえに続いて濃厚なうまみが染みてきて、想像以上の味がする。

元々出汁を取るような食材なのだし、大外れはなかろうと手に取ったのだが、薄氷を溶かすような食感はどことなくえびせんべいを思わせた。

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うん、これをおやつに本でも読もう。ぱらぱらと皿に移してお茶を入れ、しいたけ片手に読書を始めた。

乾燥椎茸を食べ進めたところで容態が急変

事件が起きたのは8割がた胃に収まった頃だ。

何の前触れもなく血の気が引いて、まともに座ってられなくなった。異変を感じてから倒れ込むまで、わずか数分の出来事だったと思う。

キノコは多かれ少なかれ薬効を持つこと、毒と薬は紙一重であること、乾物は単位栄養価が高いことを既に知っていた私は「やばい、こういう意味だったのか」と自分の稚拙さを切に恨んだ。

それぞれ独立した情報として記憶されていただけで、それらが示す本当の意味に気付いてなかったわけである。

椎茸の食べ過ぎにより低血糖のような症状を発症

『小学生、親の留守中に椎茸の食べ過ぎで死亡』

混濁する意識の中、まぶたの裏で踊る記事。「こんなバカ丸出しの報道なんてされてたまるか!」と、どうにか自分を奮い立たせた。

脂汗が止まらない体で台所まで這っていき、やっとのことで水を確保した。とにかく成分を薄めようと思った。救急車を呼ぼうという発想は出てこなかった。

震える両手でコップを持ちつつ、「乾物を食べ過ぎると胃の中で膨れて気持ち悪くなる」という『ちびまる子ちゃん』のエピソードが思い出された。

確かにこの調子だと吐くかも知れない。そう思い直して今度はトイレ前に移動した。

苦痛に身をよじり、どれだけの時が経っただろうか。ようやく立って歩けるようになったころには、もうすっかり外が暗くなっていた。

…終わった?

助かった…!

シイタケとの壮絶な戦いに、私はとうとう勝ったのだ…!

もう金輪際、椎茸スライスを一袋明けるのはやめにしよう。私はそう強く心に誓うのだった。

(完)

しいたけの大量摂取にはご用心

…ってことで実話です。食べ残した椎茸の目分量により、摂取した乾燥椎茸は70~80gくらいだったと思います。

当時の体重が20Kgくらいだと思うので、4g/Kg くらいの摂取量で重篤症状が起きたことになりますね。

結局、親にも告げず医師にもかからなかったので何が原因物質だったかは今となっては判りません。椎茸特有の薬効成分だったかも知れないし、単に水を吸って胃が圧迫されて気持ち悪くなっただけかも知れません。

重ねて言っときますが、しいたけを悪く言うつもりは全然ないです。何の変哲もない水だって一気に10リットル飲んだらショック症状を起こして死ぬわけですし。(本当やで)

ただ「こういうことがあった」という体験談のご報告です。しいたけは今も普通に食べてます。でも「○○食べるだけダイエット」とかほんと体に悪いからやめましょうね。

…ということでキノコの日の小ネタでした。

おまけ:エリタデニンの薬効

製薬会社でエリタデニンを研究していた方の、ちょっと興味深い記録を見つけたのでご紹介しておきます。

エリタデニン
エリタデニンは弱いながらもコレステロール低下作用があることが確かめられた。用量を上げて臨床試験の例数を増やしていかなければならない段階で、思わぬ問題が持ち上がった。ビーグル犬とラットによる安全性試験報告で、エリタデニンの毒性と思われる報告がもたらされた。

こ…これは…。(((( ;゚Д゚)))

(承前)コレステロール低下薬というものは、長期にわたって服用するので、少しでも好ましくない副作用が見られたことは致命的であり、この時点でエリタデニンの開発は断念せざるを得ず、中止のやむなきに到った。
人間の日常の食物の中に含まれるからといって、それをどんなに大量に摂取してもよいとは限らない。(中略)エリタデニンの場合も、ヒトで薬効が期待できる用量(約500ミリグラム)は乾燥シイタケ1キログラムに相当する。どんなにシイタケが好きでも、これだけのシイタケを毎日一週間食べることは現実には不可能な話であるが、もし食べたとしたらその時何か健康に支障がでるような中毒現象が起こっても不思議ではない。

(⊙Д⊙)

薬膳で降圧剤として働くなら、私の症状もその延長にある気がします。ふえぇぇぇぇぇ…。

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