自転車用のレインウェアを買い替える際に検討した経緯の記録です。
高性能スポーツギアの多くは男性向けに作られています。女性用を探すだけでも結構大変なんですが、いわゆる小さいサイズの人には選択の余地などないのが実情です。
何かスポーツギアを買おうとするたびにサイズがなくて探し回るので、似たような悩みを持ってる人の参考になればいいなと思って書きました。
機能性レインウェアを選ぶ基準
今回の検討要件は以下の通りです。優先順位の高い順に並べました。
以下、各項目について判断した経緯を記します。
女性用の自転車用雨具
想定用途はスポーツタイプの自転車用です
女性向けの自転車用レインウェアというと、一般にポンチョやトレンチタイプが人気です。しかし今回はスポーツバイク用を想定しているため、これらの雨具は除外しました。
上下セパレートのスーツタイプが対象です。
機能性(耐水圧・高透湿性・耐久性)
ひとまず最優先としたのは機能性です。
雨具の性能は、大まかに「耐水性」と「透湿性」と「耐久性(撥水力)」に分けられます。それぞれ用途に応じて優先順位をつけると比較しやすいのではないでしょうか。
自転車は、ウォーキングなどと比べると雨の相対速度が上がります。そのため、より高い水準の耐水性が求められます。
このとき指標となるのが耐水圧です。生地の上に水を満たした筒を立て、どれだけの水圧に耐えられるかを測定したもの。
目安として、様々な雨具に要求される耐水圧が以下のような感じです。
レインウェアと比べると、傘はだいぶ耐水性が低いです。生地と体の間に距離がある傘の場合、風雨さえしのげれば生地そのものが水浸しになっても大した問題ではないからです。
反対に、生地と体が密着するレインウェアが水を吸ってしまっては困ります。
今回はスポーツタイプの自転車向けなので、最低でも20,000mm以上の耐水性で探していました。しかし、このクオリティを女性用サイズで提供してるブランドがほとんどありません。
小さいサイズのスポーツギアがない
一般に、スポーツギアの多くが男性向けに作られています。格闘技など男性比率が高い競技はもちろん、性別を問わない競技も似た傾向。女性用ギアが選べるのは女子種目の人気が高い競技だけです。まぁ、当たり前ですが。
女性用モデルを用意してるブランドというだけで地味に絞られるんですが、平均身長以下だとさらに選択肢が減ります。
たとえばモンベルのレインスーツはXSサイズが用意されてるんですが、男女兼用サイズなので女性用に読み替えるとだいたい女性用Mサイズに相当します。もちろん平均程度の身長があれば問題なく着られます。
一方ミズノの場合は女性用Sサイズから展開してます。150cmくらいの人だとミズノのほうが安心かも知れません。
小柄ならジュニアサイズにすればいいじゃんって話もありますが、子供服は肩幅と袖丈が短めに設定されてるんですよね。着丈で選ぶと袖が8分になっちゃう。
それでもジュニア用モデルは色がビビットでかわいいので、違いを理解してれば十分選択肢になりえます。大人用に比べると身幅や肩周りがコンパクトだから厚着する冬には不向きですが、用途を選べば結構使えます。
私もジョギングなどではモンベルのキッズ用ウェアを使ってます。コンパクトにまとまるので、微妙な空模様のとき折り畳み傘の代わりにカバンに放り込んでおいたり。
mont-bell クレッパー Kid’s |
自転車用レインウェア
高機能レインウェアの多くは登山用ですが、自転車専用に作られたウェアは少し形状が異なります。
一番大きいのは、歩行時よりも前傾姿勢になること。背中が出ないようロングテール(燕尾服のような背中が長めのカット)になってます。
あと歩行時と違って自転車はヘルメットをしますから、出来ることならメット込みで試着したい…んですけど、店頭での扱いが少ない地域では通販するしかありません。最終的には思い切って買うしかないですね。
あとは裾の処理でしょうか。高機能雨具の多くは裾が絞れるようになってますが、特に自転車は右足をギアに引っ掛けやすいので重点的にチェックしたいところ。
自転車専用レインウェアのうち、女性向けのラインナップもあって入手しやすいのはモンベル U.L.サイクル レインジャケットじゃないかと思います。
mont-bell(モンベル) U.L.サイクル レインジャケット (男女兼用) |
予算
機能性ギアの購入目安といえば「出来るだけ高いのを買え」が合言葉ですけど、残念ながら出せる額には限りがあります。
登山用で安物の雨具を買うと命に関わるんですけど、街乗りならいざとなったら避難出来ます。その辺を考慮しながら予算を決定。
とりあえず上下で1~3万円くらいの商品群を絞り込みつつ、どうしても気に入ったのがあれば+α…くらいの方針で行ってみましょう。
あと機能性雨具は使ってるうちに少しずつ性能が落ちてくるので、コストパフォーマンスの高い商品を早めのスパンで買い替えるという手もあります。
namelessage 耐水圧25,000mm 超撥水 レイン ジャケット(男女兼用) |
ネームレスエイジのマウンテンパーカーを街で着てる人も結構見ますね。
スノーボードギアのブランドなので、耐水性だけでなく防風性にも定評があります。色柄選べて上下1万円でおつりがきますし。
ベルグテックEX ストームセイバーV
そんなこんなありまして、結局ミズノのベルグテックEX ストームセイバーVレインスーツを買いました。
MIZUNO ベルグテックEX ストームセイバーV レインスーツ |
身長152cm、体重40Kg台前半で一番小さいSサイズ(対応身長 152~158cm)にしました。20Lくらいの小さなバックパックだったらウェアの中に背負えます。
良かったところ
微妙なところ
使用感
まだ数回の着用で細かいサイズ調整をしてるところですが、機能的な部分では満足しています。
購入時の注意としては、ミズノのサイズ区分が特殊なこと。
ストームセイバーではS・M・Lの隙間を埋めるためにSBやMBというワイドサイズが用意されてるんですが、通販ショップによってはSがXSに読み替えられたりしてて判りにくいです。
あと通販サイトの商品写真によっては背中がやや長めにカットされてるデザインに見えますが(Amazonとか)、実はフラットテールなのもご注意です。でもボトムスの股上が深いので、自転車で前傾姿勢になっても背中はしっかりカバーされます。
大は小を兼ねない
で。ぴったりサイズが欲しいと言ってもしょせんは雨具ですから、実際には上のサイズでも何となく着れちゃうとは思います。
でもそれ言ってると永遠にチビ向けの高機能ギアが増えないので、声を大にして言い続けるよ。
体に合わない道具を我慢しながら使っても、そんなに気持ちよく動けるものではありません。それで自信を無くして運動そのものをあきらめてしまう人達をそれなりに見てきました。大は小を兼ねません。体格に恵まれない人間こそ体に合った道具を使うべきです。
実際の使用感については別にレビューを書きました。雨具選びのご参考になれば幸いです。
【関連記事】
ミズノ ベルグテックEX ストームセイバーVで嵐に立ち向かう
ストームセイバー vs 嵐。
コメントをどうぞ(´ω`*)