ツナ缶に火をつけるとき水煮缶は燃えないらしいので気をつけて!

シーチキンランプなどのオイルランプと、災害時に使うときの注意点です。

ツナ缶に火をつけるとき水煮缶は燃えないらしいので気をつけて!

キャンプの小ネタでお馴染みのツナ缶キャンドル、災害で停電がおきるとSNSでよく拡散されてますね。

ツナ缶キャンドルとは、ツナ缶に穴を空けて芯を立てると中の調味油を燃料にして明かりが採れるという定番のサバイバル術です(他にシーチキンランプ等の別名あり)。このたびの台風や地震でもTwitterなどで呼びかける人を何度か見かけました。

驚いたのは、そのコメント欄です。

「ツナ缶に火をつけるときは、水煮缶だと燃えないらしいので気をつけて下さい!」

…というような第三者からのリプライがついていたからです。しかも、似たような発言が複数。

ツナの水煮缶は燃えない「らしい」

いちおう確認しておくと、ツナ缶キャンドルにおいて燃えてるのは中の調味油です。したがって「水煮缶だと燃えないから気をつけて」なら、まだ判ります。情報としての目新しさには欠けますが。

でも、「らしい」って何だ。

個人攻撃が目的ではないので直接引用はしませんが、災害時に不確実な情報を流すのは良くないです。善意のデマに繋がるからダメ。(´・_・`)

災害時にツナ缶を買いに行く

話はこれだけでは終わりません。

あまりに衝撃的だったのでTwitterでぼやいたんですが、そこで別の人からリプライ貰って二度がっくり。

ツナ缶の油に火をつける、は当然理解してるけど、いざ買う段階では「ツナ缶を買う」しか頭に残ってなくて、一番最初に目についたのを買って帰ったら水煮だった、はやらかしそうだ、私は。いざ火をつける段階になって初めてオイルじゃない事に気づく、と。

個人攻撃が目的じゃないので(以下略)ですが、災害が起こってからツナ缶を買いに行っちゃダメなんですよ。備蓄だとしてもランプ目的はダメです。あくまで懐中電灯もない、ランタンもない、ないないづくしで手元にあるのはかろうじて缶詰だけって時の最後の手段なの。

絶体絶命の時に斬新なアイディアに飛びついちゃダメです。現時点で被災してない人間がやるべきは、懐中電灯と電池の確認をすること。

ちなみに災害用の懐中電灯としては、ヘッドライトをオススメします。両手が使えて安全。競技用自転車の前照灯も明るくて使い勝手良いですよ。

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ツナ缶キャンドルの実用性

災害対策としては懐中電灯をすぐ使えるようにしておけという話なので、キャンドル目的でツナ缶を買い込むのは明らかに本末転倒です。もちろん非常食がわりに常備するのは一向に構いません。

第一、調味油を燃やすと匂いも煤も出ますから、照明具としての実用性はどうなんだって話もありますし。

ツナ缶キャンドルという事実から得られる真の知見は「本質に立ち返れば代用品はいくらでも作れる」っていうところ。「ツナ缶が燃えること」は二の次です。

それにツナ缶がなければ、サラダ油を燃やせば良いじゃない。

オイルキャンドル

シーチキンキャンドル

…ということで、知っとくと便利かも知れないオイルキャンドルの作り方です。

あり合わせ材料で作ったので広口瓶を使いましたが、安全性を重視するならもっと開口部の広い容器を使って下さい。

  • 瓶に水を注ぐ
  • アルミホイルの切れっ端にタコ糸をさす
  • 食用油を注ぐ
  • 燃やす☆

色水なのは単なるご愛敬です。

特別な日のおうちデートとか、ホームパーティーで盛り上がっちゃって下さい。小学生のゲストが来たら、水と油の比重について説明するのも良いでしょう。

もちろん瓶に直接油を入れても芯を立てれば燃えますが、下に水を入れておくと過熱による事故が減らせます。うっかり倒したとき水で勝手に消えるのもポイント。

大さじ1杯くらいの食用油で1時間くらい燃えてくれます。

斬新なアイディアに飛びつくな

「斬新なアイディアに飛びついてはいけない」っていうと、保守的と思うかも知れません。でも斬新なアイディアって使いこなすの難しいんですよ。

実際、ツナ缶キャンドルを知って試してみたけどうまくいかなかった人の話はいくらでも転がってます。ティッシュをそのまま挿したりね。

経験してない事を非常時にやれって言われても無理ですよ。非常時は物資もギリギリなんだから、失敗のない手堅い行動を取らないとあっと言う間に詰みます。

「いざというときの知識」を役立てたかったら、平和なときに失敗しておかないと。他人から見たら奇抜なアイディアでも、自分にとってあたりまえの技術なら奇抜でも何でもないわけですから。

それに停電時のロウソク火災って結構バカにならないんですよね。地震による停電を乗り越えたと思ったら、余震で火事とかイヤじゃないですか。照明として懐中電灯が使えるなら、それに越したことはないんです。

私だって人知を越えた未曾有の災害で生き延びられるとは思ってませんが、半月にわたる計画停電やスーパーから商品が消えた件は、家庭用UPS(無停電電源装置)やローリングストックの備えにより特に混乱もなく乗りきれることを確認しました。
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当たり前に出来る技術の底上げ大事です。「いざってときのサバイバル術」が原因で絶体絶命の危機に陥ることのないように、お互い頑張りましょう。( ・ㅂ・)و

ゆるキャン / あfろ