家庭の生ごみを堆肥にする際、一番の悩みは虫と悪臭ではないでしょうか。特に微生物を使うタイプのコンポスター(堆肥製造器)は、相手が生き物なので気むずかしいです。
うちでは家庭用生ごみ処理コンポスト「自然にカエル」というのを10年くらい使ってるんですけど、試行錯誤を繰り返す中でようやく安定的に処理出来るようになってきました。
付属のエコパワーチップ(発酵用基材)を長く使うコツ、ダメになりかけたときの応急処置について、備忘録を兼ねて記録しておきます。
微生物型コンポスト「自然にカエル」
家庭用の生ごみ処理機は、管理方法によっていくつかの種類が存在します。
うちで使ってる生ごみコンポスト「自然にカエル」は、非電化の屋内型です。大きめのゴミ箱くらいの本体にハンドルがついており、回すと内部が攪拌されます。ちなみにエコクリーン社というところの製品です。
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中が回る理由は、内部に空気を送り込むため。つまり「好気性菌を使ったバイオ型コンポスト」というタイプの製品に当たります。
なんでこちらの環境を書いているかというと、処理方式が違うと逆効果になる場合があるからです。ご自宅で採用してる処理方法と異なる場合は必要なところだけ拾い読みして下さい。
「自然にカエル」については導入時の注意などもまとめているので興味があったらこちらもどうぞ。
家庭用生ごみ処理機「自然にカエル」を無理に勧めない7つの理由
好気性菌と嫌気性菌
先ほども書いた通り、うちのは「好気性菌を使ったバイオ型コンポスト」です。これは酸素が豊富な環境で働く微生物を使って生ごみを処理するというもの。
反対に嫌気性と言って密閉容器で管理するタイプの菌コンポストもあります。さらに細かい事を言うと、ハイブリッドタイプの菌もいます。
いずれにせよ嫌気性反応を使うコンポスターは腐敗が始まったときに判りづらいため、管理しやすさで好気性発酵タイプを選びました。
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生ごみを入れるときは
ここからは「自然にカエル」の管理を念頭に書いていきます。
気をつけるのはできる限り余分な水を切ること。屋外で堆肥を作るときは乾燥防止のために わざわざ水を撒いたりしますが、風通しの悪い室内での堆肥作りに水分は厳禁です。
ものによっては「ペーパータオルで水分を拭き取って」などという記述も見かけますが、それはオーバースペックという気がします(私は実践してません)。でも水分は出来るだけ切っておきましょう。
三角コーナーは使わない
思いきって三角コーナーを撤去してはいかがでしょう。「自然にカエル」を導入したことで変わった我が家の生活習慣の一つです。
生ごみは三角コーナーに貯めたくなるのが人情ですが、こまめに移し替えていても流しに置いていると水が跳ねてどうしてもジタジタします。
野菜や果物の皮むきを直接「自然にカエル」の上でやってしまえば、余分な水を吸いません。これ、慣れるとゴミ捨てがめっちゃ楽ですよ。
厚い皮は刻む
柑橘類などの厚い皮は刻んで表面積を増やした方が分解が早くなります。まな板などによけといて、隙間時間に刻んでポイ。
スイカなどの皮は強敵ですね。白いところを浅漬けなどにして食べる文化圏の人はどんどん食べちゃいましょう。外側の本当に固いところだけなら2日も経たずに判らなくなります。
「スイカの皮なんて食えるか」「たまに白いところを食べるくらいなら良いけど毎回はキツイ」…という方は、素直に生ごみに出す諦めも肝心です。
…とは言え順調に発酵できてるカエルは常に乾燥気味に維持できるはずなので、日に2~3切れのスイカの皮くらいどうってことありません。
魚や内臓など
魚の骨や内臓も割とあっさり分解します。ただし生魚のアラを大量に入れると、やはりそれなりに臭います。
気になる場合は調理の余熱などを使ってざっと加熱してから捨てると良いでしょう。あとはレンジフードの近くに移動して換気扇を回しておけばかなり臭いが和らぎます。
魚のアラもスイカの皮と同様に「中ボス級の生ごみ」なので、諦めて市の回収に出すのも解の一つです。ただ、園芸肥料として考えると魚のアラって肥効が高いんですよね。ガーデナーとしては見過ごせない事実なので、迷わずカエルに突っ込んでます。
また動物性タンパクの大量投入でアンモニア臭が出たときは、クエン酸をカレースプーンに山盛り1~2杯ほどいれると臭いが和らぎます。
入れてはいけないもの
食品廃棄物の中には、なかなか菌が消化できないものもあります。
アサリなどの貝殻や牛などの骨、筍やトウモロコシといった繊維質の皮は分解が進まないので避けます。ニッチなところではハヤトウリの皮も残りやすいんですが、細かく刻むと繊維自体がほぐれるのであまり気になりません。
あとタバコなど有害物質を含むものは天然由来でも菌が弱るので入れません。
細かな禁忌表はメーカーサイトや取説にてご確認下さい。大量の塩分もダメと書かれていますが、皿に残った調味料が混ざる程度であれば分解能が落ちたり肥料として塩害を起こす印象は受けません。
分解の調子が悪くなってきたら
分解が思うように進まなかったりハンドルが重くなってきた場合は、まず内容量を確認します。
回転軸がみえないほど詰まってたら少し中の基材を抜いてハンドルへの負荷を下げます。ここで基材を一部入れ替えるとまた菌の勢いが復活します。
ただし純正のチップは通信販売でしか手に入らないため、「今すぐ欲しいのに手元にない」と言うこともあるかと思います。そんなときは入手が簡単な繋ぎ資材で乗りきりましょう。
あくまでも純正チップを買うまでの応急処置と言うことで。
段ボール
全体に基材がベタッとしているときは水分がかなり増えてます。特に冬場は気温が低く発酵が進まないため要注意です。
対策としてはまず乾かします。ハンドルが重くなってきていてもまだそれなりに回るようなら、30cm角くらいの段ボールを親指大にちぎって投下することで全体の湿度が下がります。
「自然にカエル」のマニュアルに「紙類は入れるな」と書いてありますが、表面がコートされてないザラザラした感じの片面段ボールなら余裕で勝ちます。我々はもっとカエルの実力を信じるべきだ!(非推奨)
食用油
段ボール作戦で良い感じに乾いてきたら、即効性のエネルギーを追加します。食用油の投下です。
こちらもマニュアルに「大量の油は入れるな」と書かれていますが、ショットグラス程度の油なら問題ありません。ガンガン燃えます。ミミズだってオケラだって細菌だって生きてるぜ。
ちなみに新しい油を使う必要は全くなくて、揚げ油の残りなどで十分です。
ペット用の衛生用チップ
これは小動物を飼ってる人限定の技ですが、ハムスターやモルモットのケージに入れるパインチップを突っ込むと水分調整に効果的です。
圧縮パインチップ |
ちなみに齧歯類のうんちは量も少ないし汚くないので、これも掃除のついでに入れちゃってます。「自然にカエル」に専用便座を付けて人間用バイオトイレに使おうという話もあるようですし、ペットのうんにょくらい余裕でござる。(๑•̀ㅂ•́)و
猫を飼ってる人などはトイレの紙砂も使えます。水分を吸って固まらないタイプのトイレ砂がオススメです。いまどき固まらないタイプの方が珍しいと思うので、見かけたときは忘れずにお買い求め下さい。ただし、いつもの銘柄と違うタイプでお猫様が気に入るかどうかは判りません。
その点ネズミはあんまりわがまま言わずに使ってくれるのでカワイイ。(´ω`*)
昆虫マット
こちらもカブトムシ愛好家などに限られますが、菌とおがくずで出来ている「昆虫マット」もなかなかの使い勝手です。
昆虫マット |
米ぬか
個人的にコストパフォーマンス最高だと思ってるのが米ぬか。漬け物用の炒りぬかではなく、農業資材用の生ぬかがオススメです。
チョイ足しすると「今までの苦労は何だったんだ」と言うくらいホカホカになります。ホームセンターに並んでるコンポスト用の発酵促進剤も、主成分は米ぬかだったりしますしね。
コーランネオ |
なにより発酵が順調だとコバエやミズアブなどが発生しません。手をかざすと明らかにホカホカするくらい暖まって「菌が頑張ってるなぁ…」って思います。
…ともあれ、当座の危機を乗りきったら早急に「自然にカエル」純正チップを注文しておきましょう。(⊙Д⊙)
「自然にカエル」エコパワーチップ |
おわりに
そんなわけで好気性細菌を使った生ごみコンポスト「自然にカエル」管理のアイディア集でした。(・∀・)
この商品、たまにネットでレビュー書いてる人がいても使用歴1年未満ってことがほとんどで、なかなかベテランユーザをお見かけしないんですよね。同志が見つからず若干不安だったので、長く愛用してるユーザもいますよ~という存在証明のために書いてみました。(;・`д・´)
他にオススメのテクニックあったら教えて下さい。
コメントをどうぞ(´ω`*)