家庭用生ごみ処理機「自然にカエル」を無理に勧めない7つの理由

エコクリーン社の生ごみ処理機「自然にカエル」を買うかどうかで迷ってる人へのレビュー

家庭用生ごみ処理機「自然にカエル」を無理に勧めない7つの理由

家庭用生ごみコンポスト「自然にカエル」をかれこれ10年くらい使ってます。

非電化タイプで電気代が要らないのに加え、室内型でキッチンにそのまま置けるのが便利で愛用してます。ただし正しく管理しないとあっと言う間に虫がわくため、維持が難しいという声もちらほら。

自分は便利に使ってるんですが、正直なところ人によって合う合わないが大きい商品だとは思います。

長く使ってると使い勝手を聞かれることも多く、その都度説明するのが大変になってきたので日々の感想をまとめることにしました。

買おうと思ってるけど導入をためらってる人、うまく運用していけるか自信がない人は参考にしてみてください。

「自然にカエル」とは

自然にカエル 堆肥

家庭用生ごみ処理機「自然にカエル」とは、エコクリーン社製の家庭用生ごみ処理装置です。

処理容量に応じて複数の姉妹商品が展開されてますが、ここではシリーズの代名詞を「自然にカエル」とします。

いわゆる生ごみコンポストの一種です。最大の特徴は、電気を使わず屋内で管理できる点でしょう。

生ごみは、付属のエコパワーチップ(おがくずに微生物を混ぜたもの)が処理してくれます。チップに住みついた見えない微生物の発酵によって生ごみが分解される仕組みです。

微生物による発酵反応はなかなか驚くべき処理量で、投下するそばから微生物がエネルギーにしてくれます。しかしやはり相手が生き物ですから、処理の上限を超えると途端に困ったことが起こります。

導入時に気を付けたいポイント

「自然にカエル」は少し特殊なジャンルの商品なので、購入にあたって気を付けたいポイントがいくつかあります。

実商品の確認

あまり店頭で見かけることのない商品だと思います。店頭流通はしてないようで、基本的にインターネット通販で購入します。

実売価格が2万円前後と高額な割に実際の商品を手に取ることが難しいので、ここが最初のお悩みポイントじゃないでしょうか。

もしかしたら役所の資源課や地域のごみ処理工場で「ごみ減量エコグッズ」として実機展示されてるかもしれません。「やはり実機を見てからじゃないと買えない」という人は確認してみると良いでしょう。

【Amazon】自然にカエル S 基本セット / 【楽天】自然にカエル

メーカー補償

購入時の初期不良は購入したネットショップに問い合わせるとして、真の問題は使い始めてからの耐久性です。

「自然にカエル」は、商品特性上ハンドルにかなりの負荷がかかります。初期型モデルは経年変化でハンドル部分に若干のゆるみが出ましたが、5年くらい前に買い替えたモデルは軸が強化された印象を受けました。

地味なアップデートは随時行われてる模様です。

ちなみに、そのハンドルが緩んだ製品をエコクリーン社に問い合わせたところ、快く修理対応してくれました。この辺は好感が持てるところ。

補助金を調べる

前述の通り、なかなか良いお値段がいたします。

商品としてニッチなうえにある程度の強度や重みが必要でしょうから、相応の値段がするのは理解します。しかし高い。

そこでお住いの自治体で補助金が出てるかどうかを調べます。助成額が少なかったり、補助金の設定がない地域では低コストで始められるエントリーモデルも用意されてます。

期待される助成金と天秤にかけて購入を決めると良いでしょう。

ちなみに補助金を申請する予定なら、紙の領収書を発行してくれるショップを選びましょう。最近は領収書を発行しないショップも増えてるため、単純に最安値で選ぶと二度手間になることがあります。

【Amazon】エコクリーン 家庭用 生ごみ処理器 ル・カエル / 【楽天】ル・カエル

「自然にカエル」使用上の注意

実際に使用するうえでありがちな問題を挙げていきます。

分解に向かないゴミがある

竹の子やトウモロコシの皮、アサリやシジミなどの貝殻、豚や鶏といった鳥獣の骨は強敵で、なかなか分解されません。(ケンタッキーの骨だと、そこそこ分解されます。)

あと、たばこの吸い殻なども微生物を弱らせてしまうので入れちゃダメです。

こうした残渣が大量に出る食習慣の人は分別の手間ばかりが増えるかも知れません。

同居家族などがいる場合、台所を共有する全員のコンセンサスが取れてないとストレスが溜まるかと思います。

ぬか床の管理と一緒

実を言うと生ごみコンポストはペットです。 突然こんなこと言ってごめんね。 でも本当です。

端的に言うと、生ごみコンポストの維持に求められる技術は ぬか床の管理とほぼ一緒です。

「ぬか床は家族の一員です」ってフレーズに違和感ない人は普通に管理できると思うんですが、毎日かき混ぜる、水抜きをする、様子を見ながら足りない要素を補っていく…などのお手入れが手間だと思う人には向いてないかも。

ガーデニング環境

生ごみは微生物の力でどんどん分解されてコンパクトになっていきますが、最終的に基材と生ごみが入り混じった堆肥が残ります。

この堆肥は有機質肥料として使えますが、使える環境にないと結局捨てるしかありません。集合住宅にお住まいの方は、花壇が使える地階かバルコニー広め物件に絞って住みかえると良いでしょう。(真顔)

虫が苦手な人も注意

発酵がうまく行ってるうちはいいのですが、環境が乱れてくるとあっという間に虫が大量発生します。強烈なヘドロ臭も出ます。

もちろんそうならないように頑張るんですけど、最悪の話かなり阿鼻叫喚な状況になるので苦手な人にはおススメしません。

まとめ

…ということでまとめ。

「自然にカエル」導入にあたって以下の項目に多数該当する方は、改めて考え直してみてください。

  • 補助金が出ない
  • 通販が嫌い
  • 骨や殻が大量に出る
  • ぬか床の管理が苦手
  • 園芸に興味なし
  • 虫が嫌い
  • 臭いに敏感

なお、本稿に「自然にカエル」シリーズの販売を妨害する意図は一切ありません。

電気代もかからず、ゴミ出しの手間が減る「自然にカエル」はうまく生活に組み込めれば非常に便利なアイテムだと思ってます。

これまで買い替えも含めて4台使ってきた愛用者だからこそ、見切り発車で購入してダメにしちゃった人の話を見聞きするのがつらいんですよ。(´・ω・`)

試行錯誤しながら覚えた管理のコツなども、追ってご紹介できればと思います。こうすると発酵の調子がいいよ!みたいなアイディアがあれば教えてください。

【 関連記事 】

エコクリーン製「自然にカエル」微生物型の生ごみコンポストで悪臭や虫を出さないためのネタ帳

発酵基材がダメになりかけたときのリカバリ集です。