カカオ・チョコレートの児童労働を防ぐフェアトレード以外の方法

カカオ農地における児童労働を防ぐため、フェアトレードに変わる方法がないかと考えてみたものです。

カカオ・チョコレートの児童労働を防ぐフェアトレード以外の方法

チョコレート大好きなんですけど、チョコレート産業は植民地時代から続く奴隷労働の温床という側面があります。特に原料のカカオは児童労働問題という文脈で語られることも多く、大量消費コンテンツを見るにつけ胸が痛みます。

こうした発展途上国の労働力を適正価格で買い支える仕組みがフェアトレード。しかし残念ながらその効果は限定的です。

現地労働力との差額が誰かの懐に消えていく可能性をゼロに出来ないし、補助の枠組みから漏れた農家が不満を抱けば新たな軋轢が生まれてしまう。

本質的な解決は現地の人件費が底上げされる以外にないのでしょう。

カカオと児童労働

カカオが児童労働の温床となっているのは、カカオの植物学的な生理の影響が強いと言います。

水はけの良い土地と日陰を好むカカオの木は開墾による大規模栽培が難しく、大人の労働力を投入するほどのメリットがないのだとか。

(´・ω・`)

『コーヒーの科学』に見るカカオの可能性

他方、安価な労働力に頼った商品作物と言えばコーヒーもまたのその代表かも知れません。

ただしコーヒーにはそれぞれの産地ごとに特有の風味があり、産地ごとに一定のファンがついています。「商品作物に付加価値を付ける」という意味でこれはひとつのヒントでは。

これまでコーヒーにおける「産地ごとの風味」は土壌や育て方による違いだと思っていたのですが、旦部幸博 著『コーヒーの科学』によると収穫後の加工過程で生まれる発酵臭こそ重要な要素みたいです。

産地の湿度や伝統的な処理方式に従って固有の発酵条件が生まれ、地域ごとに独自のアロマに育っていく。カカオもコーヒーと同様に発酵過程を必要とする作物なのですから、産地のブランド化を進めることも可能なはずです。

実際チョコレート会社は風味の違いを出すため産地を使い分けてるわけですし、消費者にとっての訴求力も十分あると思われる。

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか 旦部 幸博

ちなみに参考図書である『コーヒーの科学』ですが、著者 旦部幸博氏が理系の研究者だけあってコーヒーに関する分析的な知識が網羅的に得られます。

キャッチコピーは「何も足さない、何も引かない、ただし特盛り」…って、いま私が適当につけたんですけども。断片的な知識を積分することで沼を拡張するタイプの人にオススメです。

「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」

「貧困に苦しむ人にただ魚を恵むのではなく、釣り方を教えるべきだ」

この場合の「釣り方」は何に相当するのだろうと思ったとき、農産業ですから月並みだけど6次産業化を考えました。6次産業とは「第一次産業+第二次産業+第三次産業=6」という主旨の造語で、農水産物を収穫だけでなく加工・流通までセットにすることを意味します。

ブランド力を高めることで中間マージンを生産に還元する効果が生まれます。

一般にカカオは原産地で収穫・発酵・乾燥が行われ、加工地へと出荷されていきます。例えばこれをショコラティエが扱うカカオマスの段階まで現地の加工度を高めたらどうでしょう。

学校を作って子供達にチョコレートの生産・流通に関わる一連の知識を仕込む。さらにチョコレート加工工場を作って卒業生をそれなりの額で雇う。学ぶべき要素は植物学、微生物学、機械工学、初等算数から簿記の概念など多岐に渡ります。所属ごとのマネージャーにもなれば、それぞれの専門分野で高等教育を受ける必要も生まれるでしょう。

児童労働が常態化している地域では、たとえ高給取りになれると判っていても目先の収入減に耐える余裕がなかったりします。働きながらでも学べる仕組み、即効性のある効率的な作業方法を学ぶ短期講習などのローカライズが必要となりそうです。

教育によって中間生産物であるカカオニブの製造品質や歩留まりが上がるでしょうし、コーヒーのように特別な生産工程を経たスペシャリテ・チョコレートを選べる日が来るかも知れません。

大手の菓子メーカーだけでなく一般市民も産地でチョコを選べるとしたら、なかなか楽しげな未来です。

わたしにできること

…とはいえ、これは妄想なのです。私には金も権力もない。セレブならポンと学校と工場を建ててwin-win-winの創出が可能だったとしても。

結局、釣り方を教えたくても教える能力がないと魚を分けることしか出来ないんですよね。はー、つらい。(´・ω・`)

ピープルツリー フェアトレードチョコレート

さりげなく話題にしたいときにあざとく使えるオシャレ包装。