ネットでオオムラサキの幼虫が可愛いっていう話を見て以来、いつか国蝶ってやつを見てみたいもんだなぁ…と思ってたら、何のことはない家のすぐ近くにいた。
すごいや、シータ!青い鳥は本当にいたんだ!
…と思ったら、色々な意味で違うようです。
調べてみたらアカボシゴマダラっぽいんですけど、国蝶じゃなくても むいむいの可愛さは微塵もゆるがなくてよ!
アカボシゴマダラとは
アカボシゴマダラは、榎(エノキ)を食草とするタテハチョウ科のちょうちょです。
オオムラサキなどと同じくタテハチョウ科に属し、食草と姿形が近いことから、近縁のゴマダラチョウと間違えられることも多いのだとか。
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発見時点で体長が約2cm、それほど大きくはありません。ちょこまか動く上にすぐ顔(?)を伏せるので撮影タイミングが難しい。フィルムカメラだったら完全に撮るの諦めてますね。デジカメ万歳。
それにしても、かわいいねぇ…。(´ω`*)
アカボシゴマダラ幼虫とオオムラサキ幼虫の見分け方
榎を食草とする猫イモムシはアカボシゴマダラの他にオオムラサキとゴマダラチョウがいて、図鑑などで写真を見比べると本当に良く似ています。
見極めるポイントは大きく分けて二つ。「背中の突起」と「おしりがV字になってるかどうか」の組み合わせを見るそうです。
アカボシゴマダラの幼虫は頭から三番目の突起が大きく、尻尾(?)が閉じ気味なんですね。難しい…。
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背中の突起は越冬中の擬態
あと背中の突起はなんだろうと思ったら、木肌の擬態みたいです。幼虫の状態で越冬中し、その間は幹に擬態して鳥の目を欺いているとのこと。
【追記】越冬個体の写真が撮れたので追加します。肉眼で見ると本当に木肌のテクスチャとそっくりで、ぱっと見だと幹との境界が判りにくい個体も見かけました。
取り急ぎ蛾の専門家に伺ったところ、飼育経験がない場合は室内で越冬させるのは難しいようです。食草であるエノキに戻して鳥に襲われないよう簡単な骨組みで枠を作り、薄手の不織布でカバーを掛けておきました。
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アカボシゴマダラは国立環境研究所の指定する侵入生物
で。
この生き物の名がアカボシゴマダラらしいと言うことで改めて調べてみたら外来侵入生物に指定されてる生き物でした。
アカボシゴマダラ / 国立環境研究所 侵入生物DB
なんでも関東近郊の個体は一部のマニアが意図的に放したものらしく、既に周辺域では近縁のゴマダラチョウが競争に負けて個体数を減らしてるのだとか。
【Hestina assimilis female (PD)】
じゃぁ、このアカボシゴマダラも蝶にしない方が良いのでは?…と思うわけですが、エノキに取り付けた二日後にはもう空の高いところに旅だってしまいました。羽も持たず、その緑色の姿のまま。
ちょっと調べてみた限り、それほど羽化率は高くないようです。そもそもエノキの枝打ちをして三日くらい放置してた剪定枝にいたところを慌てて救い出した個体なので見つけた時点で弱ってたのかも知れません。
もちろん私の処理が悪かった可能性もあるので申し訳ない気持ちもあるんですけど、心の片隅で少しほっとしているような。
外来種問題は本当難しいですね。それでも、むにむに動いてるアカボシゴマダラは本当可愛かったです。体はエノキの根元に還しました。年明けにはスイセンの香りに包まれる、春が最初に来る場所へ。
コメントをどうぞ(´ω`*)