靴底を自分で張替え修理するときの良くある失敗&補修材の選び方

靴底修理は目的別に補修材を使い分けるとうまく仕上がります。修繕キットの選び方と、自分で張り替えるときの手順を写真付きでご紹介してます。

靴底を自分で張替え修理するときの良くある失敗&補修材の選び方

寒くなってきたし、靴のかかとが減ってきたので補修しました。

靴底の部分修理というと、大まかに3種類くらいに分けられるでしょうか。

  • 硬質プラなどの保護材を打ち付ける
  • 減ったゴムの代わりに補修パテで盛る
  • 減ったゴムを丸ごと取り替える

それぞれ特徴があるので、違いを踏まえて補修方法を選ぶのが良いと思います。今回は減ったかかとのコートを丸ごと取り替えるオーソドックスな方法で修繕しました。

靴底の補修方法いろいろ

靴底の修理は、靴の種類と目的に応じて適不適が多少あります。

保護プレートを打ち付ける

ロイヤルリビング ニューキスト

ホームセンターなどで一番よく見るタイプでしょうか。

減ったソールの補修目的で使ってる人を見かけますが、底が中途半端に丸くなってからだと釘を打ってもすぐ剥がれてしまいます。早い段階で貼っておくと靴と密着して靴底も減りにくくなるのでおすすめ。

シューズプロテクター

とにかく靴底が減って困るときは、金属製の保護材を選ぶと強度が飛躍的にアップします。ただし、お手持ちの靴がタップシューズ並になるのでかなり目立ちます。(^^;

あと目立つと言えば、やっぱり補修してることは見た目に出ます。修繕して使うことに好印象を持つ人とそうでない人がいるので、その辺も周囲の人間関係とトレードオフで。

靴底補修パテ

減った靴底を硬化性のパテで盛るタイプの修復材です。

シューグー 100 ブラック

製品によって白や黒など色が選べるものもあります。購入するときはお手持ちの靴に使えるかよく確かめて下さい。釘を使わないので、スニーカーなど柔らかいソールの靴にも安心です。

靴底が抜けるほど履いてから直すよりも、こまめに盛った方が作業が楽です。素材によって接着力の相性があるので、あらかじめ目立たないところに試し塗りして、十分な接着力を確認出来てから本修繕すると精神衛生的にも健やかに過ごせます。

新品の靴を下ろすとき、パッチテスト代わりに薄く塗っておくと保護膜代わりになりますよ。

パテの盛りつけには付属のヘラがついてきますが、アイスの棒など「汚れて捨てても惜しくない棒」を1~2本用意しておくと良いかもしれません。

減ったヒールやトップリフトを丸ごと交換

ヒールのゴムチップを丸ごと交換する方法です。補修したかどうかは傍目には殆ど判らないと思います。

Footful 6ペア 靴底修理キット トップリフト 靴修理用釘 ハイヒール用 婦人ヒール用 靴屋用 取り替え 17.5 x 14.5mm

ピンヒールはゴムチップがすり減ってくると地味に足腰を痛めます。釘が見えてくるまで放置してないで早めの補修を心がけたいです。

【Footful】シューズ補修材 交換用ヒール 靴底用補修材 全3タイプ (8mm)

ヒールを張り替えるときはゴム用接着剤を使いましょう。修理のため新たに購入しても良いですが、自転車のパンク修理キットの買い置きがあればそれも使えます。

靴のヒールを張り替えよう

靴底修理をする
そんなわけで、今回は踵の張り替えをやりました。

靴底の張り替えに必要なもの

靴底の張り替えに必要な道具は以下のような感じです。特別な工具は要らないけど、手に馴染んだ道具を選んで下さい。

  • 交換用ソール
  • ゴム用接着剤
  • ハンマー
  • 古いドライバー
  • やすり
  • ペンチ
  • 古新聞等

靴底を剥がす

靴底を剥がす工程と剥がしたところ
靴底を剥がす工程と剥がし終わったところ

マイナスドライバーなどを突っ込んで古いソールを剥がします。割と力任せなので、曲がっても良いようなハンパな工具を使って作業すると良いです。

写真右はソールを剥がしたところです。ソールの張り替えは早めにやった方が作業が簡単で仕上がりも綺麗なんですが、うっかりしててヒール本体が削れるまで履いちゃいましたよね。(´・ω・`)

靴修理のプロはここでヒールが平らになるまでグラインダーに掛けるんですけど、この靴はそんなに高い靴じゃないので省略します。

あとヒールの中が空洞だと判ったので接着面を確保するために差し込み穴を埋め戻しておきます。詰め物は剥がしたゴムから取りました。

新しい靴底を用意する

新しいソールをカットして接着表面を整える
新しいソールをカットして接着表面を整える

新しい靴底を用意します。あまり大きすぎると補修作業の取り回しが大変なので、一回り大きい程度にカットしておくと後が楽です。ヒールより小さく切らないように注意します。

表面を固く絞った古布で良く拭き、接着剤が乗りやすいように表面をやすりなどで粗く傷つけておきます。

靴底を接着する

靴底をゴム糊で接着する
靴底をゴム用接着剤で貼り付けて圧着する

ゴム用接着剤を両面にまんべんなく塗り、2~3分放置して軽く乾かします。

一般的な接着剤は塗ったらすぐ圧着すると思いますが、ゴム用接着剤は乾ききる寸前に貼り合わせるのがポイントです。接着力の出るタイミングが普通の糊と違うので、塗りつけてすぐ貼り合わせても なかなかうまく固定できません。

ゴム同士をピタピタと合わせてみて、糸を引くほど粘りが強くなってきたらハンマーなどで叩きながら圧着します。このとき、空き缶などで靴を内側から支持すると作業が安定します。

靴底の釘打ちについて

靴底を釘留めするとき、ヒールが硬質プラの場合はまず釘が入りません。無理やり打ち込むとヒール自体が割れてしまうことがあるので注意します。(今回、外したゴムを使って差し込み穴を埋めたのは、釘の支持層を作るためもありました。)

穴の位置が外から判りにくいときは、スタンプの要領で靴底の凹凸をゴム板に転写しておくと釘を打ち込むときの目安になります。釘はしっかり打ち込めばゴムに食い込むので、固い床を歩いても特に音はしないと思います。

最後にナイフで余分なゴムを削り落としたら完成です。

靴の補修は冬支度

修理済みの靴底

個人的に、靴の補修は冬支度の一つとしてやってます。踵が減ってくると霜や雪で滑りやすくなるんですよね。新年を前にすると「繕いものしたい病」にかかるって話もありますが、とりあえずレギュラーの靴が復活して満足です。

ワードローブはトラッド寄りのカジュアルが多いんですけど、最近は80年代ファッションが復活してきちゃったもんだから自分の体に合うアイテムが全然売ってないわけですよ。(´;ω;`)