Twitterで「#駅名の最後の文字を並べてみる」ってネタが流れてきて、まとめ見たらすごく面白かった。
自分にとって土地勘があり多くの人と共有できる路線…ということで旧街道五十三次を踏破したこともある東海道線でやってみました。全152駅、地形断面図つきです。(^^
東海道線の地名に見る地形調査&作図方法
発端は石川初氏のツイート。
https://twitter.com/hajimebs/statuses/425413162679033856
井の頭線の駅名の最後の文字を吉祥寺から渋谷まで並べると以下のようになる。 「寺 園 台 山 丘 戸 山 福 町 前 原 沢 上 前 泉 谷」 なんとなく、台地から谷へおりてくる、井の頭線が辿る地形が浮かぶ。
— 石川 初 (@hajimebs) 2014, 1月 20
詳細は togetter にまとめられてます。
参考:駅名の最後の文字を並べると地形が見えてくる
大学時代に履修した防災学では、地質を理解するため古い地名をとても大事にしてたことを思い出しました。…なので、この考え方は非常に良く判ります。
面白い!自分でもやってみたい!…と言うことで東海道線でチャレンジ!
【地形図の作図方法について】
・調査区間はJR東京駅~JR神戸駅までの全151区間
・駅間のパスは直線とする(つまり純粋な線路軌道ではありません)
・岐阜県にある支線2駅(通称:美濃赤坂線)は除外
・基本地形断面図は Hey Whats That Path Profiler にて作成
・プロファイルは適当な長さに区分して表示
全体を1枚に収めようとすると長すぎて判りにくくなるのでおよそ40㎞ごとに目についた大きめの駅で区切りました。駅間はまっすぐ繋いでるため登坂不可能な勾配があったり海に突っ込んだりもしています!(^^;
いきなり東海道線の地形考察まとめ
01:東京 ~ 戸塚 【京橋川崎浜塚】
02:(戸塚) ~ 小田原 【船沢堂崎塚磯宮津宮原】
03:(小田原) ~ 沼津 【川川鶴原海南島津】
04:(沼津) ~ 清水 【浜原浦原士川原原比津水】
05:(清水) ~ 金谷 【薙岡岡川宗津津枝合田谷】
06:(金谷) ~ 浜松 【川川野井田町川松】
07:(浜松) ~ 豊橋 【塚阪島町津原川橋】
08:(豊橋) ~ 三河安城【井津塚谷郡津根田見崎崎城城】
09:(三河安城)~ 名古屋 【谷町谷妻府和高高寺田山橋屋】
10:(名古屋) ~ 大垣 【島州沢宮川阜阜積垣】
11:(大垣) ~ 彦根 【井原原岡井原根】
12:(彦根) ~ 草津 【根瀬枝川土幡原州山東津】
13:(南草津) ~ 長岡京 【津田山所津科都路川町京】
14:(長岡京) ~ 大阪 【崎本槻田木丘辺田川阪阪】
15:(大阪) ~ 神戸 【本崎花口宮川屋手山吉道灘宮町戸】
【追記 : 2014/03/03】
更にお急ぎの方は、さくっと考察をご覧下さい。
では、さっそく各論へ。
01:東京駅~戸塚駅【京橋川崎浜塚】
——————–(東京都)
001 東京
002 新橋
003 品川
——————–(神奈川県)
004 川崎
005 横浜
006 戸塚
駅名の最後の文字を並べると【京橋川崎浜塚】ですね。
『都市を出て川を渡り海辺を眺めつつ山道』…という印象を受けました。
実際のこのゾーンは
東京駅を出て数分で都県境の多摩川へ、渡ると神奈川。横浜駅を過ぎてしばらくすると箱根駅伝で有名な権太坂を横目に戸塚
…という地形です。「塚」という字には土を盛った小高い場所、という意味がありますね。石川さんの主旨が伝わるでしょうか。
02:(戸塚)~小田原【船沢堂崎塚磯宮津宮原】
007 大船
008 藤沢
009 辻堂
010 茅ヶ崎
011 平塚
012 大磯
013 二宮
014 国府津
015 鴨宮
016 小田原
同様に駅名の最後の文字を並べると【船沢堂崎塚磯宮津宮原】です。
『ゆるゆる水辺、たまに寺とか神社とか』…って感じでしょうか。
実際もそんな感じです。みんな大好き湘南エリア。
03:(小田原)~沼津【川川鶴原海南島津】
017 早川
018 根府川
019 真鶴
020 湯河原
——————–(静岡県)
021 熱海
022 函南
023 三島
024 沼津
駅名の最後の文字を並べると【川川鶴原海南島津】です。
字面からすると もっと平坦な気がしますが、思いのほか険しい地形。ここは伊豆・箱根の温泉ゾーンなので『暖かい水辺』と言えそうです。函南(かんなみ)付近の山が箱根ですね。(函と箱は、いずれも「ハコ」)…そして静岡へ。
04:(沼津)~清水【浜原浦原士川原原比津水】
025 片浜
026 原
027 東田子の浦
028 吉原
029 富士
030 富士川
031 新蒲原
032 蒲原
033 由比
034 興津
035 清水
駅名の最後の文字を並べると【浜原浦原士川原原比津水】。
何となく『平たそうだなー』…と思いながら断面図見ると確かに低地です。…と思いきや、後半で突如切り立った地形が現れました。
これは、さった峠の山道ですね。広重の東海道五十三次でも描かれてるとおり旧街道の名所です。かつては東海道でも指折りの難所だったようですが道が整備された現代にあっては非常に歩きやすかったですよ。(^^
【左:さった峠からの富士山(PD)】 【右:由比宿(PD)】
05:(清水)~金谷【薙岡岡川宗津津枝合田谷】
036 草薙
037 東静岡
038 静岡
039 安倍川
040 用宗
041 焼津
042 西焼津
043 藤枝
044 六合
045 島田
046 金谷
駅名の最後の文字を並べると【薙岡岡川宗津津枝合田谷】です。
解ったようで今ひとつ判らない並びかも。ヤマトタケル伝説にまつわる草薙や焼津が紛れてるせいでしょうか。それでもしつこく眺めてると『低めの台地から山あり谷あり』という気がしてきました。
ちなみに金谷駅直前にSLで有名な大井川鐵道の踏切があります。運が良ければ蒸気機関車の走行が見られるかも。…というか、一般的にはSLのほうがメインでしょうね。
06:(金谷)~浜松【川川野井田町川松】
047 菊川
048 掛川
049 愛野
050 袋井
051 磐田
052 豊田町
053 天竜川
054 浜松
駅名の最後の文字を並べると【川川野井田町川松】です。一転して判りやすい文字列になりました。平地に降りてきた感じが漂います。
最初に何度か尾根を切る部分は「金谷の石畳」と呼ばれる峠道ですね。断面図だと割と山のボリュームあるものの駅名にはあまり反映されてません。この一帯はどこまでも続くお茶畑が印象的でした。
【navigation】
非常に長い話になったので次ページに続きます。(^^;
1:東京駅 ~ 浜松駅 ←イマココ
2:高塚駅 ~ 大阪駅
3:塚本駅 ~ 神戸駅
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