最新の研究結果により、ダーツで下手な人のプレイを見てると上級者も下手になってしまうことが判りました。これは独立行政法人・情報通信研究機構などの実験によるものです。
上級者がヘタクソになる脳のプロセス
検証されるのは「他者の動作がどのようなプロセスを経て認知されているか」という部分。
他者の動作に対する予測能力が変化すると、自分自身の動作も変化することが分かりました。(中略)本成果は、他者動作の予測と自己の運動の相互作用を生かしたリハビリテーション法や認知・運動トレーニング法の開発につながると考えられます。
下手な人を見たら、自分も下手になったエキスパート – 独立行政法人 情報通信研究機構プレスリリース
他者の行動が自分のパフォーマンスに変化を及ぼす。いわば負のイメージトレーニングを検証していることになるでしょう。
実験方法
紹介されている手法は下記の通りです。
- 実験1
- ・上級者に初心者が投射している動画を見せる
- ・矢は中央狙いであるとのヒントを出して命中位置を予測させる
- ・回答後に毎回答え合わせをする
- ・上級者が自分でも投げてみる
- 実験2
- ・上級者に初心者が投射している動画を見せる
- ・ヒントは出さずに命中位置を予測させる
- ・答え合わせをしない
- ・上級者が自分でも投げてみる
実験結果
- 実験1の結果
- ・予測精度の向上が見られたarrowup
- ・上級者自身のパフォーマンスが落ちたarrowdown
- 実験2の結果
- ・予測精度はあまり変化しなかったarrowright
- ・上級者自身のパフォーマンスに変化はなかったarrowright
実験1では負のイメージトレーニングが実証された形です。一方、実験2では一連の行為がトレーニングとして機能しなかった例が示されました。
実験結果から思うこと
実験結果から自分なりに感じたことを以下に記します。
朱に交わると赤くなる
まず一つ目。プレスリリースでも示されている通り実験から直接導かれる部分です。『上級者が初心者の身体感覚に寄り添うと自身の能力まで下がる』。
豚に真珠はもったいない
次に、『フィードバックする意識が働かなければ学習効果は低い』ことが読み取れます。ぼんやりして学習機会を失わないように気をつけたい。
やる気次第でいつでも自分は変えられる
三つ目、『既に高い技能を持つ人でも向上心があれば更なる変化が可能』ということも判る。
「どあほう。」は正義
『十分な能力を持つにもかかわらず仲間に恵まれなかった場合は唯我独尊を貫くのが吉』と言えるでしょう。
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天上天下唯我独尊男。 |
イメージトレーニング検証実験のまとめ
今回の実験により、自分より下手な人のプレイは見ない方が良いと示されました。
正のイメージトレーニングは有効なのか
ここで気になるのは『上手い人のプレイを見ていれば上手くなるのか?』という本来の疑問じゃないでしょうか。しかし初心者に何らかの訓練をさせた場合、上達の原因は複合的で切り分けることが出来ません。
そこで、あえて上手い人に焦点を当てたのが本実験のキモと言えるでしょう。
最後にもうひとつ教訓
実験方法考えた人がグッジョブ
優れた手法は漏らさず見習いたいものです。
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