ヨーロッパで長く愛されているスミレの砂糖漬けを、パンジーやビオラで作るレシピです。
本式は芳香性のニオイスミレを使うんですけど、個人でまとまった量のニオイスミレを用意するのは非常に難しいので簡単にビオラやパンジーで代用します。
ビオラやパンジーの魅力は、何といっても多花性で色幅が広いこと。赤・青・黄色の花弁が同時に手に入る植物はそう簡単には見つかりません。
スミレの砂糖漬けってどんなもの?
スミレの砂糖漬けと言えば、ウィーンの洋菓子店デメルのお菓子が有名です。
デメル DEMEL スミレの砂糖漬け |
冷涼な気候を好むニオイスミレは古くからヨーロッパで親しまれており、化粧品やお菓子の香りづけに広く使われてきました。
スミレの花に含まれる薬効成分が鎮静作用を持つため、文学などでは「恋の妙薬」として扱われることがあります。
花の砂糖漬けレシピと作り方
花の砂糖漬けレシピはとてもシンプル。材料は「花・卵白・砂糖」の三つだけです。
きれいに洗って水気を切った花を卵白にくぐらせて、砂糖をまぶして乾燥させます。砂糖はグラニュー糖を使うと仕上がりがきれい。
気を付けたいポイント
口に入れるものなので、無農薬か葉菜に準じた方法で育てた花を使ってください。出来たら種子から自分で育てた苗を使うと安心です。
花弁に卵白をまんべんなく塗るのが唯一にして最大のコツです。むらがあると水分でベチャッとしてしまうので、薄くしっかり塗り付けます。
細かい作業なので、刷毛で塗ると結構面倒くさいです。薄手のビニール手袋をして指で塗るのが一番手っ取り早いかも。
カラカラ言うくらいに乾燥したら、広口瓶などに入れて乾燥材と一緒に保管します。
利用例
ケーキやヨーグルトなどのトッピングに、紅茶やワインに浮かべても華やかです。
パンジーやビオラはニオイスミレに比べるとほとんど香りがないので、彩りのためと割り切りましょう。ただし、種類は多くないのですが芳香性のビオラもあることはあります。
色も香りも楽しみたい人は、各社の種苗カタログを見比べてお気に入り品種を探してみてください。
パンジーやビオラの毒性は?
ニオイスミレの花は昔からお菓子などに利用されてますが、同様にスミレの仲間であるパンジーやビオラの花も一応食べられます。
オシャレなグロッサリーに行くと、パンジーやビオラがサラダの彩りとして入ってたりしますね。
ただしスミレ類の種子や根には軽い毒性があります。満開を過ぎた花は食べないほうが良いでしょう。(もともと盛りを過ぎたらすぐ花びら散っちゃいますし。)
スミレ以外の花でも作れる?
ドライフラワーにして色が残るような花なら大体何でも作れます。ただ、植物によっては生で食べられない花もあるため注意です。
バラなど伝統的に食べられる植物を使うのが無難ですが、藤のように加熱したほうが望ましい植物もあるので気を付けましょう。
スミレ種子とエライオソーム(の味)
ところで、スミレ類の種子にはエライオソームという組織がくっついてます。
エライオソームとはスミレなどの種子にくっついているゼリー状の組織で、特にアリの好物です。アリが好物を巣に持ち帰ろうとする一連の行動が、結果的にスミレの生育範囲を広げる手助けになっています。
ここで気になるのは、もちろんエライオソームの味ですよね!(・∀・)
他の生き物の好物が人間にとって美味しい保証などないのですが、人間の好物には大抵アリが群がりますし、エライオソームに含まれる成分は人間にとっても美味しいような気がします。
…ということでエライオソームを味見してみました。ほのかな甘みがあって悪くないです。※毒性などざっくり調べた上でリスク評価しています。マネしないでください。
以上(?)、スミレの砂糖漬けレシピのご紹介でした。
念のためもう一度確認しておきますけど、スミレ類の花は昔から利用されてるので食べても大丈夫です。種子は食べないでください。
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