【治験モニター】『足なめフェチ』『妖怪・嘗め女』さん募集中♪

おち研では、なめたい衝動のメカニズム究明および手軽な内服薬の開発に取り組んでいます。

【治験モニター】『足なめフェチ』『妖怪・嘗め女』さん募集中♪

何やら珍妙な事件が飛び込んできた。

「足なめ男」を逮捕 女性の足なめた疑い 京都:朝日新聞デジタル

 若い女性の足を長時間なめたとして、京都市伏見区の会社員の男(56)が7日、強制わいせつの疑いで逮捕された。(中略)
 通りかかった20代の女性に「車のブレーキの修理を手伝ってほしい」と声をかけて運転席に座らせ、右足のサンダルを脱がせて約30分間、かかとをなめたり、歯を当てたりした疑いがある。その後、「ありがとう」と女性に話しかけて解放。

何ぞこれ。:;(∩´﹏`∩);:

一見するとコミカルな事件に思えるが、自分が被害に遭遇する状況を想像するだに恐怖しかない。

だが、この男の行動を「奇妙な味覚傾向を持つ人間」…すなわち奇食や異食の一種と考えたとき、非常に興味深いものがある。

そこで本研究所では、こうした突発的衝動を起こすメカニズムの解明に取り組んだ。このたび症状を緩和する創薬の目処が立ってきたので臨床試験に踏み切る次第である。

以下の開発経緯をご一読の上、思い当たる節がある方は文末の要項に従ってご応募頂きたい。

奇食・異食と生理学的合理性

奇食とは「一般に食用と見なされないもの」を食べる行為を言う。いわゆる「ゲテモノ料理」と考えれば良い。

ただし厳密に奇食の内容が定義されているわけではなく、「ある人にとっては普通の素材だが、他の人には絶対に食用として認められない」というような料理も含む。例えば内臓料理や昆虫食、魚の刺身などがそれにあたる。

一方、「奇食」と近い概念に「異食」がある。およそ栄養価のなさそうなものを好んで食べる行為だ。代表的な食材としては氷や土などが挙げられる。

土食

中でも土を食べるのは「土食症(geophagia)」と名前がついているほど普遍的な事例で、実際に世界各地で土を食べる習慣が散見される。

土食は一見すると奇異な行動に見えるが、医学的には体内の亜鉛や鉄分が不足することによる味覚異常の一種であることが知られている。

足りないミネラル分を補給するため、それらの含有量が高い物質(つまり土)が必然的に美味しく感じられるようになるというのだ。

人は何故キノコを食べるのか

また、キノコを食べるという食習慣はどうだろう。古今東西、ヒトはほとんど熱量に寄与しないはずのキノコを好んで食べる。これは文化的に広く認められた異食の一種と呼べないだろうか。

もちろんキノコが好まれるのは薬効や旨みが豊富だからだ。それだけのメリットがあれば、たとえエネルギーにならなくても摂取する価値は十分にある。

一方ある種の腸内細菌を持つ人は、一般にヒトが消化できない種類の成分も養分として利用することができるという。
Development and validation of a microarray for the investigation of the CAZymes encoded by the human gut microbiome. – PubMed – NCBI

このような体質の人は、おそらく平均的な人よりキノコの魅力を強く感じとり、より多くのキノコを食べようとするだろう。

以上の例から、異食症と呼ばれる症例には少なからず科学的な妥当性があると考えた。

「足なめ」行為を科学する

足を舐めるという行為は極めて変態的な所作に見えるが、冷静に考えると多くの乳児は自分の足をべろべろ舐める。

つまり、あなたも私も人生のどこかで妖怪足なめだった可能性が高い

足フェチ
File:Martin van Maele – La Comtesse au fouet 01.jpg – Wikimedia Commons

単純に皮膚の感触を楽しみたいのであれば指や腕でも良いものを、わざわざ無理な姿勢を強いてまで足を口に選ぶのだ。つまり足は十分な旨みを持つと考えられる。

足裏に特有の成分とは

なるほど。

足裏の角質は体の中でも有意に厚い。つまり角質は足裏を特徴付ける重要な器官のひとつであると言える。

その角質と切っても切れない菌群と言えば、何と言っても白癬菌だ。

ここで足なめ行為と白癬菌の間には、何らかの関係があると言う仮説が立つ。

ケラチンと白癬菌の働き

白癬菌が角質を浸食することで起こる皮膚炎を、一般に水虫と呼んでいる。その不快感によってひどく嫌われている白癬菌だが、ひとたび森に入れば動物の遺骸を土に還す 優れた分解者としての側面を持つ。

特に毛や角質を構成するケラチン質は難分解性タンパク質として知られており、多くの生物はケラチンを直接利用することが出来ない。そのケラチンを分解できるのが白癬菌だ。

森などを歩いていて生き物の遺骸とカジュアルに遭遇しないのは、ひとえに白癬菌のおかげであると言える。

そして白癬菌によるケラチン分解生成物を何かに役立てようという研究も始まっている。その一例が、農業用肥料としての利用だ。ケラチン由来のアミノ酸を作物に投与することで生育の向上が望めるという。
地球を救え 高濃度水虫

ケラチン由来のペプチドで植物が良く育つ。つまり、白癬菌の分解物を「美味しい」と感じる生物の存在が確かめられた。

変わりゆく白癬菌保有者

話を人間に戻そう。

先も述べた通り、白癬菌は水虫の原因菌である。かつて水虫は成人男性の病気という印象が強かったが、近年ではブーツファッションの増加に伴って女性の罹患者も大幅に増えた。

また、水虫を発症していなくとも自覚症状のない保菌者はその数倍に及ぶ。

妖怪足なめにとって、現代は飽食の時代だと言えるだろう。

奇人「嘗め女(なめおんな)」

ところで、古い奇談に「阿州の嘗め女」というのがある。

速水春暁斎・画『絵本小夜時雨』巻五より「阿州の奇女」
速水春暁斎・画『絵本小夜時雨』巻五より「阿州の奇女」

かつて阿波国(現・徳島県)に一風変わった娘がいた。この娘は大変な器量良しだったが、男の体を嘗め回すという奇癖があった。
 
やがて娘の美貌を見初めた若者が婿に入ると、娘が閨で男の体を隅から隅まで舐め回す。男は気味悪がってたまらず逃げ出した。

現代的な感覚だと「まぁ互いの趣味が合えばそれはそれで」と思わないでもないのだが、古い艶話を紐解くと相手の体を舐め回す趣味はそれほどメジャーではなかったらしい。

なにより男が気味悪がったのは、娘の舌が猫のようにザラザラしていたことだったという。

舌痛症との共通性

舌の表面がザラザラするという症状には、口内炎なども含めていくつかの病名がついている。

例えばそのうちの一つである舌痛症は「患者の多くが女性」「夜になると症状が出る」「味覚異常を併発することが多い」「何かを舐めていると症状が和らぐ」など、嘗め女を思わせる記述が多い。

嘗め女が舌痛病を煩っていたとすれば、味覚異常の訴えにはやはり亜鉛製剤が処方されるだろう。ちなみに人の汗には微量の亜鉛が含まれる。

「足をなめたい病」臨床治験のお知らせ

以上の経緯により、当研究所では足舐めフェチを「ケラチン由来のポリペプチド欠乏症」と位置づけた。症状を緩和する薬剤の有効成分は以下の通りである。

デキストランやポリビニルピロリドンと言った人工血漿に使われる成分をベースに、ミネラルと脂肪酸を加えて体臭を再現。白癬菌を培養して得られたアミノ酸をたっぷり1000mg配合した。

足をなめたい衝動に駆られたとき、水なしで手軽に服用できるキャンディタイプのチュアブル錠。舌の上で転がすように舐め回すと高い効果が見込まれる。

さらに高純度コラーゲンを配合し、甘噛みできる弾力に仕上げているのが特徴だ。

したでなめる

応募要項

新薬の臨床試験に関わるインタビューモニターを募集します。

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トルソー右足(女性) 23cm