JAMSTEC × Splatoon2 しんかい6500とロボットボムの考察

「しんかい6500」の専門家も教えてくれないロボットボムのひみつでし☆

JAMSTEC × Splatoon2 しんかい6500とロボットボムの考察

Nintendo Switch のキラータイトル『Splatoon2』が、オレ達のJAMSTEC(海洋開発研究機構)とコラボした。

ゲーム内ではコラボギアが配布され、JAMSTEC側では大ボリュームの特設サイトが開かれるなど、過去に行われたSplatoonの企業コラボフェスと比べても格段の熱量である。

以前から「JAMSTECはイカ繋がりでスプラと組めば良いのに」と思ってた当研究所にとって、完っ全に俺得イベントであった。

…が、正直不満もある。

特設サイトには日々コンテンツが追加され、フェス当日に至っては29時間にもわたるニコ生のJAMSTEC公式コラボ放送が行われた。…にもかかわらず、ギアやステージに関するJAMSTEC側のコメントは事前公開された情報の域を出なかったからだ。

つまり、これは当局による情報規制と考えてよい。

ヒーロー系ウェポンの開発において日々ブキチが愚痴っている通り、各ブキの性能は当局の規制によって度重なる弱体化が行われている。

同様に、サブウェポンも開発段階と比べて大幅に削弱されている…と言うのが当研究所の見解である。ここでは、JAMSTECと縁深いサブウェポン「ロボットボム」の性能について改めて考察したい。

ロボットボムと「しんかい6500」の違い

深海クラスタにとって、ロボットボムのモデルが探査艇「しんかい6500」であることは予想の範疇である。

しかしSplatoon公式が「モデルだ」と断言しているにもかかわらず、JAMSTEC側の発表はなぜか「似ている」という表現にとどまる。

共同研究と銘打っておきながら、JAMSTECとイカ研究所の間には明白な温度差がある。

自動追尾のロボットボムと有人操縦のしんかい6500

Splatoonのロボットボム

しんかい6500とロボットボムの違いとしてまず目を引くのは、しんかい6500のスレープアームと、ロボットボムにつけられたトロット歩行機構だろう。

小型ながら自動追尾システムを備えたロボットボムに対し、しんかい6500のオペレーションは有人操縦となっている。自律式の無人探査機ならJAMSTECも所有しているのだが、JAMSTECの有人探査にかける決意はやたらと熱い。

以前JAMSTECの超えらい先生ドクター・ケンタカイに「有人機を作る予算で無人機を大量投入した方が多くの知見が得られるのでは?」なる質問をした際も「無人機と生身の研究者じゃ受け取る情報量が段違いやろ!」と、散々文句を言われたほどだ。
超深海は宇宙の窓口?しんかい12000の秘話も聞いてきたよ

スラスターの数

ロボットボムとしんかい6500、もう一つの違いがスラスター(推進機)の数だ。

ロボットボムxしんかい6500のスラスター

ロボットボムが持つスクリュー様の構造は機体後部に一基のみだが、本物のしんかい6500には左右一対の推進スラスターがついている。しんかい6500は他に垂直スラスターも備えているため、細かな取り回しが可能だ。

この事実を受けて、JAMSTECの報告書を改めて読み返してみよう。

イカ研究所 & JAMSTEC 共同研究 | JAMSTEC×Splatoon 2『Jamsteeec(ジャムステ~ック)』

ロボットボムは、敵を追いかけインクをまき散らす自動追尾が搭載されたサブウェポンで、自分で使うと大変便利なようだが、相手が使うと追いかけまわされて大変厄介な代物である。しかし、追尾の途中で壁を避け、段差を上がれないという弱点がある。

もしかしたら、見た目は似ているかもしれないが、それぞれの目的や性能は全く違うようだ。

おわかりだろうか。ロボットボムについて客観的に説明しているようで、実は微妙に褒めてない。

もっと言えば「しんかい6500」の後部スラスターはもともと一基だったのだ。それが2012年の改修により現在の形に増設された。ちなみに初代 Splatoon 発売は2015年、ロボットボムが投入された今作の発表は2017年である。

長年JAMSTECをリサーチしてきた当研究所からすると「何で今さら旧型をモデルにしたのか」「現在のしんかい6500はずっと高性能だもんね」というJAMSTEC側の本音が漏れた形である。

ブキチのボヤキと当局の思惑

しかし日ごろブキチがボヤいている通り、当局は強すぎるブキを好まない。思いだしてみよう、あのレベル3ヒーローシューターが無慈悲なまでに弱体化されたことを。

おそらく、開発当局はあえて「今さら旧式」を選んだのだ。

ロボットボムが垂直登攀できないように、単純なトロットウォークしかできないように。しかもこの仕様なら、設計上の搭載モーター数を劇的に減らすことができる。つまり安価な供給が可能になるのだ。

先進の技術をもって学術研究を進めるJAMSTECと、安定した量産性を追求する企業研究所の違いそのものと言えるだろう。

黄色いロボットボムの出し方

なおロボットボムはマッチングごとに色が変わるため、しんかい6500っぽいロボットボムを撮影するにはちょっとしたコツがいる。

  • ロビーで目的のステージを選択
  • さんぽモードで入る
  • インクの色を確認する
  • 黄色くなるまでひたすらリロード

さらにカメラアングルを細かく調整したいときは、そのまま試し撃ちモードで入りなおすとバトルステージとは違う画角のスクショが撮れる。

Jamsteeecは終わらない

SplatoonxJAMSTECコラボフェス結果

熱戦が繰り広げられた今回のフェス『未知の生物 vs 先進の技術』は、「先進の技術」チームの勝利で幕を閉じた。

当研究所としてもどちらに投票するか大いに悩み、最初はヒメ(=生物チーム)を応援するつもりだった。

…んが。フェス告知のテンタクルズを見て目が覚めた。イイダが調査船「ちきゅう」のダイナミックポジショニングシステムについて熱く語っていたからだ。「ちきゅう」にフォーカスするなら無難に掘削技術の話でもすると思っていたのに、測位に目を付けるとは…。

さすがゴライアスクレーンを愛するギーク女子の鑑である。イイダちゃんLOVE。
地球深部探査船「ちきゅう」就航10周年JAMSTEC一般公開2015

JAMSTEC風コーデ
それにしても、ニコ生のSplatoonコラボ実況でJAMSTECの生物学者・チェンさんがゲームに適切すぎるコメントを挟みまくっており、完全に草。プレイヤーランクが初心者なのにスプラの理解度が高すぎるんですけど。

ちなみにチェンさんは本当に切れ者なので研究もめっちゃ面白いです。
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生物学者はどうやって新種を見つけるのか貝類学者に聞いてみた

おち研としては、生物や技術というよりも、それらを駆使して未知の世界に突き進んでいく研究者の皆さんを応援したい気持ちなのでした。

JAMSTC一般公開2018

で。

「JAMSTECって何じゃらほい?」って感じのSplatoonユーザにひたすら深海の話を振っておいて、JAMSTECが来月に控えた横須賀本部のオープンキャンパス告知をほとんどしてなかったように思うのは気のせいでしょうか。

京急沿線の中づり広告も年々地味になってる気がするし、JAMSTECとしてはあまり一般客を寄せ付せずひっそり過ごしたいのではないかとひそかに疑っている今日この頃なのですが、とりあえず2018年の一般公開日が5/12(土)であることを知っているので勝手に宣伝しておきます。
横須賀本部 施設一般公開 2018<施設一般公開<広報活動<海洋研究開発機構
JAMSTEC(海洋研究開発機構)一般公開に行ってみよう!

あとフェスTちょう欲しい。いつもアパレル物販が充実してるJAMSTECなので、絶対やってくれると信じてます☆ 

おまけ

【2019-06-12追記】今さらですけど、フェスTは売ってませんでした。(´・_・`)

あと懇意の先生に聞いたんですけど、JAMSTECの某氏が「Splatoonとのコラボ、おちさんが絶対に反応してくれると思うんですよ☆」とか言ってたそうなんですよ!

ねぇ!ちょっと!そういうことは早めに言おう?そんでイベントにはワイも呼ぼう?…っていうか呼んで!ください!!!!よろしく!おねがい!!します!!!

JAMSTEC×Splatoon 2『Jamsteeec(ジャムステ~ック)』

スプラトゥーン2 + オクト・エキスパンション セット

YOUも買っちゃいなよ!

【更新履歴等】

【2018-04-25】初稿発表
【2019-06-12】追記&レイアウト崩れるんでタイトル詰めました