年越しそばを夜中に食べる⁉ 金運アップの意味と由来とは

年越し蕎麦は借金取りが食べるもの?近頃は夜食として食べられることも増えたと聞いてますが、普通の夕飯として食べるのが金運upにつながる気がします。

年越しそばを夜中に食べる⁉ 金運アップの意味と由来とは

あっという間に大晦日ですね!

大晦日といえば年越し蕎麦!この年越し蕎麦には各地で様々な流儀がありますね。

  • 細く長い蕎麦は長寿の象徴
  • 金細工の作業中に使う蕎麦粉を富の象徴に見立てて
  • 切れやすい蕎麦を病魔や借金との縁切りになぞらえて
  • 体に良い蕎麦を新年に向けて取り込んで体をリセット
  • 鎌倉時代に貧しい町民に炊き出しした「世直しそば」から

探せばほかにもたくさんあると思いますが、年越し蕎麦にまつわるエピソードは意外と金銭に関する内容が多いです。年が明けてから食べると金運が落ちるとされる地方もありますね。

では、なぜ年越し蕎麦と金運がセットになったのでしょう?おそらく大晦日が代表的な借金の取り立て日だったからでしょうね。

大晦日は借金の取り立て日

古銭

古典文学や落語ファンにはおなじみ、大晦日といえば借金取り立て日の代名詞です。

昔の商いは売るほうも買うほうもほとんど顔見知りでした。だから支払はほとんどツケ払いで済ませてたんです。商家はそれを帳簿にまとめて月末や期末に取り立てに行きました。

そのお金を回収できるラストチャンスというのが、ほかでもない大晦日です。

貯めに貯めた売掛金を回収できるか踏み倒されるか、身ぐるみはがされるか逃げ切るか。大晦日と言えば町中のあちこちで丁々発止のやりとりが繰り広げられてたと言います。

このへんは井原西鶴の世間胸算用に詳しいところ。

世間胸算用―現代語訳・西鶴

掛取

江戸時代の借金取りは掛取と呼ばれたそうです。大晦日ともなれば、丁稚から大旦那まで、店の関係者が総動員だったでしょう。

寒空の下でお得意さんを追いかけまわして支払いを迫るのはさぞかし大変なことだったと思います。おかみさんに「全額回収するまで帰ってくるんじゃないよ!」みたいにドヤされることもあったでしょうね。

その反面、無事にお金を受け取って帰ってきた丁稚さんには「よくやった」と褒め称えたに違いありません。冷え切った体には、温かい汁ものを出すのが一番のもてなしだったと思うんです。

そこで、帰ってきた丁稚さんをすぐに迎えられるようお湯さえ切らさなければすぐ出してやれるお蕎麦を出した。それが年越しそばの起源のひとつと聞いてます。

タイムリミットは除夜の鐘

一日中続いた殺るか殺られるかのバトルも、歳神様が訪れる新年まで持ち越すわけにはいきません。試合終了のゴングが除夜の鐘です。

つまり除夜の鐘の後に蕎麦を食べるという行為には「借金を踏み倒された商人」という意味がありました。まぁ、どう考えても縁起が悪いですよね。

年越し蕎麦はいつ食べる?

「年越し蕎麦」という語感からか、近年では年越しの瞬間に食べようという人も見かけるようになりました。

でもこの借金取りエピソードの流れでいえば、普通の夕飯としてお蕎麦食べる方が絶対に平和じゃないでしょうか。支払い筋の良い顧客に支えられる優良店舗ってことになるわけですからね。

地方ごとに由来が違うのでこれが正解という決まりはないんですけど、私は無理に夜中に食べる必要はないと思ってます。

皆さんの地域に伝わる年越し蕎麦のエピソードはどんな感じでしょう?面白い言い伝えがあったら教えてください!(・∀・)

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