Stereoscopic micrograph of Ozobranchus jantseanus (右下スケールは1mm)
ニホンイシガメやクサガメなどの亀類に寄生するヒルの一種、ヌマエラビルという生き物がマイナス196度の液体窒素で凍らせても死なないと話題になってます。
液体窒素で凍らせるとは言っても一瞬漬けるくらいなら平気な生き物はいくらでもいるけどね…と思っていたら想像以上にすごかった。
なにそれメチャクチャ凄いんですけど。
ヌマエラビルの冷凍耐性
もともと研究目的で冷凍保管していたカメを解凍したら普通に動き出したので、研究してみたら驚異的な耐寒性を持ってた!…と言う流れみたいです。
ユスリカなどの耐寒性生物は体液を多糖類などで不凍化してたりしますが、ヌマエラビルの体液は完全に凍結するとのこと。トレハロースなど多糖類の蓄積も確認されなかったそうです。
へー。極限環境に耐えるスーパー生物の代表であるクマムシもトレハロース溜め込まないって言いますし、面白いですね。実際、生物研プレスリリースでもクマムシの生理について触れていました。
耐凍性を持つヒル( 環形動物) の発見- 生物研
PLOS ONE: A Leech Capable of Surviving Exposure to Extremely Low Temperatures
ヌマエラビルとは
とりあえずヌマエラビルという生き物を知らなかったので、調べてみました。大きな吸盤でカメの皮膚にとりつくんだそうです。
- 和名
- ヌマエラビル
- 分類
- ヒル綱 フンビル目(吻蛭目)エラビル科
- 学名
- Ozobranchus jantseanus
クマムシとの類似性
体が伸びてるときは結構グロいけど、縮むと丸々しててコミカルです。極限環境を生き抜くという生態のみならず、見た目もどことなくクマムシと似てるような。
ヌマエラビルとクマムシの「凍結耐性」比較
他方、一夜明けたところでクマムシ研究者の堀川先生が解説記事を発表してました。普通は耐寒性があると言ってもゆっくり耐凍結モードに体を切り替えていくのですが、ヌマエラビルはいきなり凍らせてもOKだとか。
正直、悔しいが、ヌマエラビルは「凍結耐性」に関してはクマムシよりも上と認めざるをえない。
ヒルはクマムシよりも強いか – むしブロ
…あれま。
私は、今回のヌマエラビル論文の著者グループとは顔見知りなので、あまりカドを立てたくない。だが、あえて結論をいわせてもらうと、トータルで考えれば、やはり圧倒的にクマムシの方が強いといわざるをえない。あと圧倒的に可愛い。
ふむふむ。
…ん?
『あと圧倒的に可愛い。』
(;つД⊂)ゴシゴシ ( ゚Д゚)…?
(;゚Д゚){せんせー。ヌマエラビルもカワイイと思いましたー。
怒られた…。
ヌマエラビルのポテンシャルを考える
しかし同じことを考えている人は他にもいるのだ。
デスヨネー。(*´・д・)(・д・`*)
とりあえずこのリアルクマムシが
キャラクター化されたのに伴ってこうなったわけですから
やたっ。
ヌマエラビルおもしろい
ぬまえらびるちゃんが思いのほか好評だったので結論を書きそびれるところでしたが、ヌマエラビルを駆除するにはカメを塩水浴させると良いようです。耐えられなくなったところでぽろぽろ剥がれるみたい。
あと特殊環境にも耐えられる生き物としてはかなり大きくて、クマムシと比べると体積が一万倍くらい違うのも凄いなーって思ったの。
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【備考】
2014/01/24 初稿発表
2014/03/05 動画見つけたのでリンク張り替えました
旧題:液体窒素で何度凍らせても死なないヌマエラビルがキモカワイイ
コメントをどうぞ(´ω`*)