ユーカリの葉に金が溜まる!? 大変…コアラのう○こ集めなきゃ!

ネットの科学ニュースでユーカリの葉から金が取れたという見出しが並んで

「うわ、植物が金鉱脈になる論文キタ!!」(2ヶ月ぶり○回目)

植物に土壌中の金属を吸い上げさせる、いわゆるファイトマイニングの手法は
寄せては返す波のように幾度となく発表されるので正直おなかいっぱいです。

該当論文を紹介した記事はいくつかあったんですけど、
今ひとつ著者の研究意図が見えなかったので元論文を読みに行ってみました。

Natureの見出しが『金の粒子を生み出すユーカリ?』なんだが…(^^;

Nature Japan を見に行ったら本論の見出しが
Does gold grow on trees? / 金の粒子を生み出すユーカリ?』なので驚きました。

ちなみに原題は
Natural gold particles in Eucalyptus leaves and their relevance to exploration for buried gold deposits (ユーカリの葉に含まれる金と金鉱脈調査の関連性)』です。

他論文のタイトルは箇条書きなのに、これだけゴシップ臭すごい。

【memo】

ちなみに掲載誌はオンラインジャーナルの Nature Communications です。

葉っぱ集めて金を精製する話じゃなかった

乾燥しがちなオーストラリアに育つユーカリは根を地中深くまで張るため
その下に金鉱脈があれば 水と一緒に吸い上げて葉に溜まることがある。
だから新鉱脈を探す際は調査地のユーカリを分析すれば
絞り込みの有力な指標になるだろう、という内容でした。

実を言うと、既読の翻訳記事にも同じような事が書いてあるんですが
「葉から金が出た」部分が強調されて鉱脈探しはオマケ的な記事もあったため
「一体メインはどっちだよ…」って思ったの。

話の流れとしては「鉱脈探しの良い方法はないか?」って要求が先にあって
「ユーカリ調べると良さそうだ」って結論になったみたいです。

些細なことかも知れないんですけど、ちょっと記述の順序を入れ替えただけでも
価値がずいぶん違って見えるので…。これは素直に期待できそうな話です。

コアラとユーカリ

まとめ

最初この記事をヘッドラインで見かけたときに

「コアラの う○こ集めて砂金探しツアーとかやったら儲かるんじゃねぇの?」

…とかゲスいこと考えたんですけど、ユーカリにとって金は毒なので
選択的に濃縮するどころか天然バリアで極力吸わないようになってるみたいですね。
葉に溜まるのもさっさと捨てるためではないか、とのこと。

そのため、葉っぱ1トンあたりの含有量は千分の1g程度ということです。
金鉱脈の採算ラインって1トン掘って0.5gくらいでしたっけ?

そういえば、うち以前ユーカリ植えてたんですけど
3mくらい育ってた木をあっさりダメにしたことがありまして。
ユーカリって根っこ切ると簡単に枯れちゃうんですよね。

もちろん鉱脈探すなら試掘するのが確実でしょうけど、
金銭面での負担はもとより、掘り散らかすことによる環境負荷も社会問題なので
こういった手法には期待を寄せたいところです。

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うんこ超大事。