ナウシカの小型飛行機『メーヴェ』に乗ってきた!

具現化されたメーヴェと名高い小型飛行機M-02Jのフライトシミュレータ2018に試乗してきましたれぽ。

ナウシカの小型飛行機『メーヴェ』に乗ってきた!

『風の谷のナウシカ』に出てくる小型飛行機『メーヴェ』に乗ってきました!

正確に言うと、ナウシカのメーヴェをコンセプトに作られた小型飛行機『M-02J』のフライトシミュレータです。

以前から存在は知っていて興味を持ってたところに、生みの親である八谷和彦さんご本人から 呼び出しを食らった 一般公開のことを伺ったので行ってきました!

メーヴェとM-02J

ナウシカのメーヴェとは、言わずと知れたコレ↓↓

風の谷のナウシカ

そのメーヴェをもとに作られた『OpenSky』プロジェクトのM-02Jがコレ↓↓

ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸—- メーヴェが飛ぶまでの10年間

OpenSkyプロジェクトの経緯は積極的に公開されているのですが、なんかこう淡々とハードルを越えていく感じが良すぎるので見て!(⊙ω⊙)

飛べないメーヴェ

で、その八谷さんが所属するPetWORKsの記念イベントにてM-02Jの実機とフライトシミュレータが公開されてるのでした。

正直なところ、初めて動画で見たときの感想は「きれいな機体だな」と「メーヴェに比べるとやっぱ大きいよな」がほぼ1:1でした。

しかし全幅こそ小型セスナくらいあるものの、全長が圧倒的に短い。確かにこれはメーヴェ(möweカモメ)です。体積だけなら鳥人間コンテストに出てくる機体のほうがずっと大きいでしょう。

それまで無意識にハンググライダー的な乗り物と対比して考えてたのですが、よく考えるとこのサイズの無尾翼滑空機にエンジン積んで飛ぶのヤバくない?

自家用機

M-02Jの密かな見どころ「自家用」マーク

そもそも宮崎アニメに出てくる謎の飛行体は力学的に言ってまず飛ばないのです。それを実際に飛ばすこと自体が狂気では?

…あっ、コレもしかして機体制御がめちゃくちゃ難しいやつだ!←理解が遅い

M-02Jフライトシミュレータ

実機を見て初めて状況を理解する私。

JAMSTEC(海洋研究開発機構)の高井研先生が「現物を観なきゃ判らんことが色々あるのよ」と散々言ってたのを思いだしました。

気軽にリプライいただいたけど、まともに飛べる気が一切しないぞ…。

M-02Jシミュレータ
シミュレータどん!

スロットルに連動して扇風機の風が顔に当たるナイス仕様です。

重心移動で制御する機体なので、最初に身長を聞かれて足置きを調整。更にシートベルトで操縦席に体を固定してからキャリブレーションしてもらいます。ここで機械的な調整が入ることは事前に動画を見て知っていたのですが、重心合わせは自力で行うものだと思っていたのでちょっとびっくり。

展示を見ている間にもスタッフらしき女性が上手に乗ってて、他にもリピーターのお客さんが複数いて慣れた感じでした。確かにこれは練習に通いたくなるやつですね。

今回のM-02Jフライトシミュレータはインターフェースは実機同様、訓練に使えるレベルを目指して作った「ガチシミュレータ」なんで、これで離着陸までできたら、かなりの確率で実機操縦できる技量が身につきます。– 2018年8月30日
https://twitter.com/hachiya/status/1035026315932446723


結論から言うと、機体の操縦はもう全然だめです。もともと3D感覚のショボさには自信がある。

飛ぶだけなら何とか飛びましたが、舵を取るのが難しくて。体を左右に押し込んで舵を切るんですが、そもそも肩が全然入っていきません。(笑)

体を回す感覚は胃カメラ撮るときのグルグルに近く(伝われ…)、体に対してハンドルの幅が広いせいか思ったように力が入りません。一応私は適正体重を満たしてるんですけど、キャリブレーションできるなら小柄な人は実身長より若干詰めて乗ったほうがキビキビ動いたりしないんでしょうか。おしえて☆八谷さん!

ジュニアが大人用ビークルに乗るときは割と大胆に体重を乗せないと動かなかったりするんですけど、ちょっとそういう感じを意識したほうが良かったのかもしれません。

体格の調整

【本章追記:2018-09-02】センシング感度について八谷さんからお返事いただきました。

シミュレータで身長は聞きますが体重は聞きません。が実はキャリブレーションの際に小柄な人や大柄な人は重心移動のゲイン(効き)をこっそりと変えてたりしてます。ただ小柄な人が不利なのは、ハーネス大きめサイズなんで、どうしても体が空回りしがちな点ですかね。– 2018年9月2日
https://twitter.com/hachiya/status/1035926238651531264


あー、体重差を吸収する機構は用意されてたんですね!操縦が思うように効かなかったのと、キャリブレーションした理由が多分わかった気がします。コントローラの構造が私の想像してた仕組みと違った。くっそ、次は勝つ。

また、試乗体験から時間がたって自分の頭も整理されてきました。

このシミュレータが実機の動きを忠実に再現しているのであれば、離陸後の上昇性能はかなりのものという気がします。私は航空力学が分かってないので理解が怪しい可能性もあると断ったうえで、機体重量に比して出力が大きい印象を受けました。

このシミュレータには「機体&自分自身を俯瞰する三人称モード」と「VRゴーグルをつける一人称モード」があり、3回以上通わないとVRモードが試せない決まりになっています。八谷さんは「VRで墜落すると精神的ショックが大きいからね」と笑ってましたが、離陸してからの挙動が速いのでボヤボヤしてるとあっという間に座標を見失うのでしょう。

待ち時間のあいだ他の人の体験も割と真面目に観察してたんですけど、墜落したケースではロストコントロールに陥るまでが本当に早い。感覚的には紙飛行機と大差ない気がします。私はTPS(Splatoonのように自キャラのうしろからカメラが追従する射撃ゲーム)も脳内で一人称ビューに変換できるほうなので、他人のフライト画面を見てるだけでも無重力のぞわぞわが伝わってきてヤバさしかない。

「試してみませんか」と誘われた時点では「バランス取ってりゃ何とかなるだろ」と思ってたんですけど、自分の番が来る頃には「慎重に乗らないと結構まずいかも知れん」という気持ちになり、センサーの仕組みを勘違いしていた上に慎重になりすぎたため、ぼんやり浮いてるのが関の山だった…という話でした。

自分でシミュレーターを体験してから八谷さんの実機フライトを観ると、ランディングの鮮やかさに目を見張りますよ。実際の上空では思わぬ風の流れもあるでしょうから、お怪我がないように続けていただきたいと心の底から思いました。(-人-)

おわりにおまけ

そんなわけで、M-02Jフライトシミュレータお試しれぽでした。

今回は八谷さん個人ではなくPetWORKs全体のイベントだったため、OpenSky以外の展示もあれこれ。会場の中二階にはPostPetの特大モモちゃんがどーんといて超カワイイんですよ。

PostPetモモ

ちなみに、通いたくなるイベントとか書いておきながら会期の残りがほぼありません。でへ。

ただし、OpenSkyは現在進行形のプロジェクトです。機体やシミュレータもまだ進化するだろうし、八谷さんも今後イベントを積極的に開きたいとおっしゃってました。一里塚メモを残すことにもそれなりの意味があるでしょう多分。

本当に、実機をみて気づくことがたくさんあります。興味ある人は是非ご覧になることをおススメしちゃう。

おまけ:ナウシカ考察

地上波でナウシカ放映したときの八谷さんとの会話が出てきたので載せときます。

ナウシカくらいの体型だと鍛えてても握力40kg 背筋力200kgが限界だと思うんだけど、メーヴェに立位で乗るの可能なんだろうか。むしろ小柄な方が力が稼げるかも知れないけど、単純に考えると加速したときに握力が負けそう。– 2017年1月14日
https://twitter.com/02320_ochi/status/819920899025448960

おちさん、立ち乗り試してみます? – 2017年1月14日
https://twitter.com/hachiya/status/819925022718324740


このとき、思わずモニタ見ながら「はぁ!?」って叫んだ記憶が。なにを言いだすのかこの人は…。

なるほど…。

しっかし改めて読み返したところ、小柄ライダーは大型二輪免許を取るのが難しいことを思い出しました。体が小さくても不可能ではないので、それだけナウシカの身体能力が高いことの裏付けにもなるわけですが。

今回「実機だと難しいけどシミュレータなら立位や正座も気軽に試せる」って話を伺ったんですが、そもそも立ち乗りへの試行錯誤があったからこその流れだったわけですね。←理解が遅い

ともあれ、ナウシカ世界の人間は、1/20スケールくらいの小人だと科学的につじつまが合うと思ってるので、AI搭載の動くmomokoドールがメーヴェ型ドローンに乗る未来もPetWORKs的で素敵だとおもいました、まる!( ・ㅂ・)و

【 更新履歴 】

2018-09-02 八谷さんからの回答をふまえて追記しました。

ちなみに埋め込み引用してないツイートは質疑に直接関係ない記述を削ってます。読みやすさのためで他意はないので元ツイートはURL見てください。