「休み時間に読書ばかりする教え子がいたのだが、果たして友達とも関わらずに学校生活を楽しめていたのだろうか」という元教諭のコラムを読みました。
『休み時間楽しんでますか』2017/01/22 神戸新聞より抜粋
30年ほど前、小学6年生の担任をしていたときのことだ。休み時間にずっと本を読んでいた子がいた。年度途中に転校してきた女子児童だった。「みんなと一緒に過ごしたらどう?」と何回も声をかけたが、「本が好きだから」と首を振った。いじめはなかったと思うが、彼女が卒業するまで、仲間と心から笑い合う場面はほとんどなかった。
仲間と自由に楽しく過ごすことは人間にとってもっとも大切である。私たちの子ども時代、休み時間や放課後が楽しくて仕方なかった。(中略)
学校の休み時間は、人との関わり方を学ぶとても重要な時間である。授業と同様、あるいはそれ以上に大事な時間と言っていいかもしれない。
えーと。(;´Д`)
学校の休み時間は「次の授業を集中して聞く準備のため」にあるのでは…。
休み時間の使い方
学校生活を通じて育まれる外遊びや対人スキルの重要性は理解しますが、教育関係者が「学校は勉強しに来るところ」という前提を崩しちゃダメだと思います。
授業の準備には、次の時間に備える気持ちのリセットも含むでしょう。その子なりにリラックス出来なければ本来の授業に支障が出ます。
つまり学校の本文が勉強だからこそ、休み時間は自分の好きなように使うべき。
コミュニケーションスキルが高いに越したことはないのでしょうが、会話なんて要件さえ通じれば最悪の話どうにかなります。そもそも読書家なら言葉選びのセンスが同世代の平均以上である可能性が高いのですし。
いずれにせよ、この児童が本当に読書家だと思われるのが唯一の救いです。
教室に居場所のない子が仕方なしに本を手にしてる場合、度重なる茶々を受けたら完全に無気力に陥ってしまいそう。
「みんな仲良く」の閉塞感
私も「協調性がない」と言われ続けて育ったので「みんな仲良く」って概念が嫌いです。
互いに技能や人格を認め合った友人ならともかく、なぜその場に居合わせただけのクラスメイトと積極的に交流しなければならないのでしょう。気の合う仲間と通じ合える確率なんて、運動場に落としたコンタクトレンズを拾うようなものです。
そういう意味では確かに「仲間と楽しく過ごすことは人間にとってもっとも大切なこと」だと言えるかも知れません。
私は身近に話の合う人がいなかったので、趣味を通じて知り合った他校の子と遊んでました。
授業の課題で仕方なしに組んだチームならともかく、休み時間なんだから無理に人に合わせる必要ないですよ。
ここで「クラスメイトだからって仲間じゃない」とか言うと血も涙もないとか言われるんですけど、「好きじゃない」からって「嫌ってる」とまでは言ってません。
友達と嫌いな人の間には「知人」というカテゴリーがあるわけで、必要に応じて十分な敬意をもって接していれば何の問題もないはずでは。(´・ω・`)
「みんな仲良く」≠「ケンカをするな」
ただし、集団生活をする場で「ケンカをするな」は理解します。
異なる主張を持つ者が集まる以上、妥協点で線を引いて互いの権利を侵さないよう努めるのは十分に建設的な行為です。
なにより、揉めないスキルは反復練習によって積みあがります。
仲良くし続けることは愛情の下支えが必要ですが、喧嘩を収める方法は好きでも嫌いでも役に立つ。
「一般化されてない特殊事例」と「再現性の高い汎用例」が並んでいたら、学校で周知すべきは明らかに後者です。
結論
学校の本分が授業だからこそ、休み時間は自分の好きに使ってしかるべき。
また、雑多な世界と良い関係を作っていくためには、苦手な物事を正しく苦手だと認識するのが克服の第一歩。
…ということで、冒頭のコラムに出てきた児童は本人なりに充実した少女期を送っったというのが私の見立てです。どうやら大好きな本を手放さないまま卒業できたようですし、本当に良かったなと思いました、まる。
「休み時間はみんなで仲良くすべき」「私が子供の頃は休み時間に仲間と遊ぶのが楽しくて仕方なかった」って話が回ってきたけど、「授業中にひらめいた疑問を解決するために矢も楯もたまらず図書室へ駆け込むような子供時代を送らなかったんだね?」って感想でいっぱい。
— おち (@02320_ochi) 2017年1月24日
中立を保つということ
ついでに自分の昔話をします。
物静かな印象を受けるコラムの児童とは全く違うタイプだと思うのですが、私も単独行動の多い子供時代を過ごしてました。
小さい頃から運動に課外活動にと多方面に手を出していたので、特定の仲良しグループは作らず場面ごとに付き合う相手を変えてた感じです。
だから人によって私に対する印象が全然違って「ほんと友達多いよね」と言われることもあれば「友達全然いないでしょ」と言われることもありました。ある意味どちらも事実です。
あと誰とも深入りせず陰口を叩かずにいると、みんな何となく仲間の愚痴を言いに来たりするんですよね。誰と誰が付き合ってるとか揉めてるとか浮気してるとか全部筒抜けだったりして。大人に言えない悩み相談もそれなりに受けました。
この状態で特定のグループに属すのは難しいです。
他人との十分な関わりがあっても一人で過ごす子は存在します。
親にしろ教員にしろ、子供の交友関係に介入するときは慎重に声を掛けて欲しいと思います。
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