『雪の結晶は天から送られた手紙である』っていう中谷宇吉郎博士の言葉は、科学の粋が詰まりに詰まった名言だと思います。
「科学者とは思えないロマンティックな表現ですね」とか言うと、全理系を敵に回すからね!( ・`д・´)
『雪の結晶は天から送られた手紙である』という事実
うるせーな。誰かこいつをつまみだせ。
やー、成人式の首都圏を襲った初雪は交通網を混乱させたあげくあっさり消えてなくなりましたね。
ときに中谷宇吉郎博士の「雪は天から送られた手紙である」という言葉は、冬になるたび随所で引用される名文句です。でもこれ…どうも理系と非理系の間で誤解されているように思えてなりません。
テレビなりラジオなりで耳目に触れるたび注意して観察してるんですけど、ものすごい確率で「科学者とは思えないロマンティックな表現ですね。」みたいなコメントをかぶせられてる気がします。でも、控えめに言って本当やめてほしい。
メタファーの情報量が欠落していない美しさ
そうではなくて。
究極的にロジックを突き詰めた結果 ロマンと全く区別出来ない状態になってるだけで、完全にフィードバック可能な科学的表現そのものなんじゃないのかな。
大自然の暗号を解く科学者たち
結晶構造は、その形状の全てが元素のたどってきた物理現象の記録です。『手紙』という表現は誇張でも何でもなくて、見る人が見ればちゃんと伝わるからこそ『手紙』なんです。
暗号を解読するような、確固たる自然との対話がそこには横たわっている。
だから根拠レスなロマンティシズムで片付けるのは本当もったいない話で、そのメタ構造の妙を骨の髄まで味わって欲しい。
なのに「科学者とは思えない」とか的外れにも程があると思います。何より「科学者とは思えない」って、理系を一体何だと思ってるんだと小一時間。
いや、こういう偏見はおそらく人文系の研究者にも等しく向けられているんでしょうけど。
突き詰めた合理性の先には必ずロマンが埋まってます。それは文系とか理系とか一切関係がないはずの様式美なのに。
雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集
寺田寅彦先生もそうだけど、物理の人ってほんと文学的だと思います。 |
中谷宇吉郎博士のこと
生没
【本章追記 : 2013/07/04】
7/4日は中谷宇吉郎博士113回目の生誕記に当たるんだそうで、Google Doodleのイラストも雪の結晶になってましたね。
Over in Japan we wish a happy 113th to #UkichiroNakaya who created the first artificial snowflakes pic.twitter.com/UVu8TpD2oW
— Google Doodles (@GoogleDoodles) 2013, 7月 4
ちなみに、去年(2012年)は没後50周年でした。
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