Wikipediaは嘘ばかり…と嘆く人に伝えたい たった1つの事実

Wikipediaの記述が嘘だらけと言われる理由の一つは関係者に執筆権がないことに由来します。つまり一次情報が載らないという構造的な問題を抱えています。

Wikipediaは嘘ばかり…と嘆く人に伝えたい たった1つの事実

Wikipedia、普段便利に使いつつ話6割くらいで参照するようにしてるんですが、たまに全幅の信頼を置いてる人や全否定してる人もいて大変味わい深いですね。

自分の項目にデタラメ書かれてる著名な方とか非常に気の毒だと思うんですけど「Wikipediaは信用ならない!」…ってプンスカする前に、まずは餅でもつきなはれ。

Wikipediaの大原則:関係者は執筆できない

Wikipediaの記述はよく嘘だらけだと言われます。一体どうしてなのでしょう?

Wikipediaの大前提として、該当項目の直接関係者には執筆権がない…という規約はネット使う上で最低限知っておいた方が良いと思います。

確かに記事の公平性を期すための重要な保証事項だとは思います。しかし当事者が書けない以上、記述内容の信憑性は推して知るべしでしょう。

独自研究は載せない

  • ウィキペディアは独自の考えを発表する場ではありません
  • 記事に含められるのは、信頼できる情報源に基づいた、検証可能な内容に、解釈を加えていないものだけです
  • 特定の立場を推し進めるために、都合の良い材料を寄せ集めて作成した内容を、記事に加えてはいけません

あー、全くその通りですね。

自分自身の記事をつくらない

あなたが個人的に関わっていることがらについて記事を書くときには、あなたは、いつも以上に注意を払い、あるいはそれを控えなければなりません。

本当に素晴らしい運営方針だと思います。

Wikipediaで注意すべき項目

もちろん基礎科学のように検証材料が出そろっている分野はそこそこ信頼性があると言えます。しかし、マイナー項目では完全に中の人が書いてそうな項目も少なくありません。

この「太鼓持ち」バイアスを排除するために一時情報の記載を認めていないのは理解します。ただ、信頼性の高い二次情報が存在する世界もまた非常に限られるという事実があります。

ファンとアンチが多い項目、先鋭的すぎる発明、両陣営の激しい縄張り争いが見られるケースもあって趣深いものです。極めて利益率が高い商品なども注意が必要でしょう。

今日も、とある項目の編集履歴を何気なく眺めてたら該当項目と非常に関連性が高い組織のIPアドレスを見かけて「ふぁぁぁぁ」ってなりましたよね。

編集者によるマーカーをチェックする

編集方針に問題がある項目を外部から判定する方法はあるのでしょうか。

まず記事の冒頭に注目してみましょう。

  • 「検証可能な出典が求められています」
  • 「信頼できる情報源の提供に協力をお願いします」

こうした注意書きが書かれている項目は大量の地雷が埋められている可能性が高いです。眉唾で読むように心がけましょう。

随所に「誰?」「要出典」などと書かれている項目は特に注意です。

編集履歴を見てみる

記載事項が信頼出来る内容かどうか不安に思ったら、右上タブより「履歴表示」をチェックしてみましょう。Wikipediaの編集には原則としてユーザ登録を要しますが、履歴を見るだけなら登録は不要です。

チェンジログを見たとき、ごく限られたユーザによって何度も書き換えや差し戻しが行われている項目は注意する必要があるでしょう。

端的に言うと戦場の可能性が高いです。

Wikipediaとwikiは似て非なるもの

ところでWikipediaのことをwikiと略す方って割と多いと思うんですけど、それぞれ親子関係はあるけど別物ですよね。

『ウェブブラウザを介して文書を編集するシステム』がwikiで、それを使って作った辞書だからWikipedia。

文脈上ほぼ区別できるから逐一指摘するほど野暮ではないんですが、たまに違うwiki(ウィキリークスとか)の話をしてると噛み合わなくて「あれ?」って思います。

WikipediaとWikiLeaksの運営母体も別ですしね。この状態を俗に『阿藤快と加藤あいほども違う』と言います。

なんか、今や議員となった山本太郎氏が色々とやるたびにネットご意見番である やまもといちろう氏のところに苦情が行き、いちろう氏が「血縁関係もない別人だから」と説明すれば「どっちも似たようなもんだろう!」と言われるって話がありまして、何となく そんな感じの流れで書いておこうかなって思いました。

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当事者でありながら、非常に鮮やかな手法でWikipediaを書き換えた例。ご本人に経緯を伺いしました。

【 更新履歴等 】

2013/11/09 初稿発表
2015/11/13 『編集履歴を見る』章と関連記事を追記しました