8月8日、午後4時56分ごろに発令された緊急地震速報は奈良で予想震度7、M7.8とするものでしたが最終的にはM2.3と、ほぼ無感地震に終わりました。
誤報の要因は海底地震計のトラブルが原因と特定されましたけれどもあの時は(一部地域の方を除いて)本当に驚きましたよね…。
気象庁 >> 和歌山県北部を震源とする地震に関する緊急地震速報について
自分@8月8日16時56分
そのとき私は、都市部を脱出して富士の裾野へキャンプに向かうところでした。
遙か地平線まで臨める、自衛隊演習場の一本道を横切る真っ最中の出来事で、車中の携帯が複数同時にけたたましく鳴り響いた。
「へ?ミサイル!? あ…地震か。」
(ハザードランプ点灯して路肩に停車、携帯見る)
↓
「えっ、震源奈良なの?静岡で受信ってやばくない!?」(Twitter見る)
↓
「そんな…北関東から九州まで発令されてる…!(((( ;゚Д゚)))」
↓
・・・・・・・・・・・しーん
↓
「(速報が出る)あ、M2.3なのか。…良かった。」
正確な速報を出すことが難しいのは理解してるので、不発だって構いません。
ただ気になったのは、そのとき車を止めたのは自分たちだけだったということ。それどころか、ブレーキランプを灯した車さえ確認出来なかった。向こう何十台も見渡せる、とても見晴らしの良い道だったのに。
その後は余暇を楽しんだので細かい話は追ってませんが、案の定 新聞コラムやワイドショーは「誤報は許されない」って論調で気象庁を叩いてたんですってね?
そんなの何の役にも立たないでしょ。彼らには原因究明と改善に全力を注いで貰うことにして、報道陣はその解説&有事の知恵や経験を共有する方がよっぽど建設的。
地震や計器の仕組み上、警報のエラーは必ず起こります。誤報が混在する以上、警戒心は次第に薄れていく。それでも、パニックを起こしやすい非常時に冷静な行動を取るためにはするべきことを反射的に出来るようにしておくことでしか培われません。
スポーツと一緒で反復練習あるのみです。非常訓練ちょー大事。こういう時にごちゃごちゃ頭使っちゃダメなんですよ。
誤報に腹が立つことと正常性バイアス
警報の影響で電車が止まって大事な約束に間に合わなかった、なんて個々のケースを気の毒に思う一方で自分はそう言う部分に寛容でいたいと思ってます。実際巻き込まれたらイライラするかも知れないけど理想は高く持っていたい。
…っていうかこれ、根本的には正常性バイアスに起因する話ですよね?
【 正常性(or 日常性)バイアス 】
異常事態発生時でも正常事態の範囲内としてとらえ、平静を保とうとすること。日常変化への過剰反応を抑制する一方で本当に危険な状況においても避難が遅れる要因となりうる。
平常状態を乱されて許せなくなるということは日常が恒常的であって欲しいと願ってるんでしょうが、規格外・予想外の事態を何一つ認めたくない心境へと繋がるのでは。この警報は、たとえ誤報に終わっても訓練という形で社会の血肉に還元されるのだから、叩くのおかしいです。
それとも、謝罪の一つもさせないと心がすり切れるほどマスコミ諸兄は日頃から張り詰めた避難行動を取ってると言うこと?
だったら、そのエネルギーを生産的な方向で使って下さい。
帰宅後、緊急地震速報が鳴り響く甲子園球場で滞りなく試合が続いたという話を知って、本当怖いなと思いました。
私は震度2でも小動物並みにキョドりますよ。ガラス沿いを避けて頭を保護しながら倒壊物の少なそうな柱の近くに移動して避難経路を探します。それを笑う奴とは友達やめる。死にたくないもん。
【備考】
本稿を書いてる間に知った話ですが、今後 甲子園野球では緊急地震速報発令時に試合を中断すると決まったようですね。ひとまず朗報。
ちなみに旅行から帰ってきて、当日の反応をあれこれ検索してみたんですがわざわざネットに書き込むような方は概ね冷静だなという印象でした。新聞とかテレビとか、何で無駄に社会を混乱に陥れようとするのかなぁ…。
『騒ぎは起こりませんでした』って話は なかなか記録に残らないから、あえて書き留めておきます!
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